スイス・ジュネーブ市で開催された2020年NPT再検討会議第2回準備委員会に平和首長会議代表団を派遣し、国連・各国政府関係者等に、NPT第6条の核軍縮の誠実交渉義務を遂行し、さらに核兵器廃絶の実現に向けて、核兵器禁止条約を推進していくよう訴え、平和首長会議の取組に対する理解と協力を求めました。また、平和首長会議主催によるユースフォーラムや原爆ポスター展を開催しました。
併せて、フランス・パリ市及びスペイン・ゲルニカ・ルモ市で開催された被爆樹木の苗木の贈呈式や植樹式に出席し、被爆地からのメッセージを伝え、平和への思いを共有しました。
松井会長(広島市長)訪問日程:2018年4月22日(日)~4月30日(月)
田上副会長(長崎市長)訪問日程:2018年4月22日(日)~4月27日(金)
小溝事務総長訪問日程:2018年4月22日(日)~4月30日(月)
4月23日(月)
NPT再検討会議第2回準備委員会(初日)の傍聴
ブガイスキーNPT再検討会議第2回準備委員会議長は、開会挨拶で、各国政府代表者に対し、互いに意見を述べて耳を傾け合い、全ての国をまとめ得る方策が何であるか考えてほしいと激励されました。
国連欧州本部内の被爆イチョウ2世の生育状況視察
2016年に平和首長会議から贈呈し、国連欧州本部の敷地内に植樹された被爆イチョウ2世を視察し、順調に育っていることを確認しました。
メヒヤUNITAR分散協調プログラム部長との昼食会
松井会長は、平和首長会議がUNITAR広島事務所も参画している「グリーン・レガシー・ヒロシマ・イニシアティブ」と協力して、被爆樹木の種や苗木を国内外の加盟都市へ配付する取組を行っていることを紹介しました。
パガーニ ジュネーブ市長との面会
松井会長は田上副会長と共に、平和首長会議加盟都市であるジュネーブ市が、スイスを束ねるリーダー都市に就任し、加盟拡大に向けた取組や国内の影響力のある都市との連携を推進してほしいと依頼しました。
4月24日(火)
ブガイスキーNPT再検討会議第2回準備委員会議長(ポーランド)との面会
ブガイスキー議長は、立場が異なる全ての国々、市民が力を合わせて核兵器の保有と使用の危険性を伝え、NPTが定める目標に向かって進んでいかなればならないとの見解を示されました。
松井会長は、被爆地の願いに沿った対応を核保有国にもその傘の下の国々にもお願いしたいと述べました。
田上副会長は、被爆の実相に触れていただくため、準備委員会の会場前で開催している平和首長会議原爆ポスター展を委員会出席者に見ていただきたいと伝えました。
ホワイト在ジュネーブ国際機関コスタリカ政府代表部大使(元核兵器禁止条約交渉会議議長)への署名目録の手交行事と面会
今回の準備委員会には、「核廃絶!ヒロシマ・中高生による署名キャンペーン」に参加し、平和首長会議の活動に協力している高校生8名を派遣し、代表者から昨年の核兵器禁止条約交渉会議で議長を務めたホワイト大使に署名目録を手渡しました。
ホワイト大使から高校生に、心のこもったメッセージが贈られました。
署名の手交行事に続き、ホワイト大使との意見交換を行い、松井会長は、「同じ思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の切なる願いをしっかり伝えたいとの思いを述べました。
フォード米国国務省国際安全保障・不拡散局次官補との面会
フォード次官補は、全ての国による有用かつ建設的な対話を通して核軍縮を進めていきたいと述べられました。
4月25日(水)
ティッチー・フィスルベルガー在ジュネーブ国際機関代表部大使(オーストリア)等との面会
松井会長は、国を支える都市が核兵器禁止条約への賛同を表明することで為政者の考えを変えることができるよう、核保有国でも加盟都市を増やしていきたいとの思いを伝えました。
ICRC主催による核兵器に関するワークショップのレセプション
松井会長は、赤十字関係者を前に、平和首長会議の活動を紹介し、今後もICRCを始めとした平和関係の国際組織と連携していきたいと挨拶しました。
4月26日(木)
平和首長会議主催ユースフォーラムの開催
今回の準備委員会に派遣した高校生のほか、ナガサキ・ユース代表団やスペイン・グラノラーズ市など平和首長会議加盟都市等の青少年が、自分達の活動や平和への思いについて発表し、意見交換を行いました。
(各発表資料はこちら)
ア 平和首長会議高校生代表団
・ 広島女学院高等学校
・ 修道高等学校
・ 盈進高等学校
・ 沖縄尚学高等学校
イ ナガサキ・ユース代表団
ウ 英国・マンチェスター市
エ スペイン・グラノラーズ市
オ PAX
カ INESAP
4月27日(金)
シボ フランス平和首長会議事務局長夫妻との面会
フランス平和首長会議(AFCDRP)事務局長であるミシェル・シボ氏及び同夫人でひろしま平和大使を務める美帆・シボ氏と面会しました。
美帆氏は、フランスが核兵器の開発・増強をしようとしている状況下で、今回パリ市で被爆樹木の苗木の贈呈式を行うことは、大きな意義があると述べられました。
4月28日(土)
プニノー パリ市副市長との面会
松井会長は、被爆樹木の苗木の贈呈式に先立ち、苗木がパリ市で大切に育てられ、多くの人に世界恒久平和を願う気持ちを持ってもらうことで、フランスにおける核兵器廃絶に向けた世論が高まっていくことを希望すると伝えました。
被爆樹木の苗木の贈呈式
贈呈式は、今回贈呈する苗木を育てたフランスの副会長都市であるマラコフ市の副市長、フランス平和首長会議会長のグリニー市長、同事務局長夫妻が見守る中、行われた。
プニノー副市長からは、今後ともこのイチョウを長く続く2都市の協力関係のシンボルとして、連携した取組を進めていきたいと述べられました。松井会長は、この苗木が平和を希求するシンボルとして育ち、その思いがパリ市民に広がるように願っていると述べました。
4月29日(日)
ゴローニョ ゲルニカ・ルモ市長主催歓迎行事及び市内散策
松井会長はゴローニョ市長に、両市は市民に対する無差別攻撃という点で同じ惨禍を経験しており、今後も世界恒久平和を願う気持ちを共有しながら連携していきたいと伝えました。
その後、ゴローニョ市長の案内により、被爆樹木と同様に希望と未来を象徴するシンボルとなっているゲルニカの木や爆撃を免れた古い建物・防空壕などを見学しました。
オタドゥイ ビスカヤ県議会議長主催歓迎行事
オタドゥイ県議会議長は、これからも両市で犠牲となった方々へ敬意を払い、記憶に留めながら一緒に平和への第一歩を踏み出しましょうと心温まるスピーチをされました。
被爆樹木の苗木の植樹式
続いて、議事堂の裏手に広がるヨーロッパ公園で行われた植樹式に出席しました。植樹式には、苗木を提供していただいたスペインの副会長都市であるグラノラーズ市のマヨラル市長も加わり、平和首長会議の連帯を示す機会となりました。
「NPT再検討会議第2回準備委員会の議長が議論をまとめた報告書(英語・国連ウェブサイト)」はこちら