副会長都市であるドイツ・ハノーバー市において第11回平和首長会議理事会を開催しました。
松井会長(広島市長)をはじめとした役員都市関係者及び小泉事務総長は、2020ビジョンの達成状況と行動計画(2017年-2020年)の取組状況を踏まえ、次期ビジョン・行動計画について審議するとともに、ハノーバー市が主催する平和関連行事に参加しました。
松井会長及び小泉事務総長訪問日程:2019年11月10日(日)~13日(水)
11月11日(月)
エギディエン教会訪問
ハノーバー市のヘルマン副市長は、この教会が第二次世界大戦中の爆撃で破壊されたまま、平和への願いの象徴として残されたことを説明し、共に平和を構築していこうと呼び掛けられました。
その後、松井会長、田上副会長、ヘルマン副市長の3名で、平和首長会議のロゴがあしらわれたリボンを添えた花輪を記念碑へ手向け、出席者全員で黙祷を捧げました。
第11回平和首長会議理事会(1日目)への出席
11月11日から2日間にわたり、ハノーバー市庁舎で、第11回平和首長会議理事会を開催し、ヨーロッパ、北米、アジアから役員都市10都市が出席しました。
(1) 会議1
2020ビジョンの達成状況や現行動計画の取組状況について議論を行い、2020ビジョンの下で、多くの加盟都市が平和NGO等とともに核軍縮の進展に向けて主体的な活動を展開してきたことを確認しました。
松井会長は、これまでにできたネットワークを強化するため、加盟都市を拡大し、賛同する市民を増やしていきながら、特に核保有国とその同盟国において市民の平和意識の醸成を図ることにより、為政者の政策転換を促していくことが必要であると述べました。
(2) 会議2
会議1における議論を踏まえ、2021年以降の次期ビジョン・行動計画をどのように策定すべきかについて議論を行いました。
次期ビジョンについては、「核兵器のない世界の実現」を中心に据え、同時に「安全で活力のある都市の実現」を目標として掲げ、さらに市民一人ひとりが日常生活の中で平和について考え、行動することを奨励する理念を示す「平和文化の振興」を掲げることなどの基本的な方向性について合意しました。また、来年8月の第10回平和首長会議総会での策定に向け、引き続き議論を深めていくこととしました。
(3) 会議3
最初に、英国・マンチェスター市から「被爆樹木を活用した平和教育」 について、フィリピン・モンテンルパ市から 「国際平和デーにあわせた平和意識啓発イベント」について、ハノーバー市から 「リーダー都市による加盟要請等の活動」について、効果を上げている取組が報告されました。
続いて、次期ビジョン・行動計画への移行を円滑かつ着実に進めることができるよう、2020ビジョンの最終年である2020年に重点的に取り組む事項について議論し、「『核兵器禁止条約』の発効等の目標の達成に向けた加盟都市の拡大」、「次代を担う若い世代の意識啓発を目指す平和教育の実施」、「広島・長崎への受け入れを組み込んだ青少年『平和と交流』支援事業等の充実」の3項目を決定しました。
(4) 会議4
スペイン・グラノラーズ市を中心としたヨーロッパの役員都市から、来年1月のヨーロッパ支部設立について提案があり、これを承認しました。
また、2020年に計画している取組として、総会の概要のほか、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、同組織委員会が進めている「PEACE ORIZURU」プロジェクトへの参画や、2020年NPT再検討会議に際して行う取組について事務局から説明しました。
ハノーバー市主催パブリックイベントへの出席
「核兵器を巡るヨーロッパの安全保障環境について考える」と題するパブリックイベントに参加し、冒頭で松井会長は参加者に対し、平和首長会議の取組を紹介するとともに、「核兵器のない世界の実現に向け、共に力を尽くし行動してほしい」と挨拶しました。
市民が傍聴する中、フィンICAN事務局長を含む3人のスピーカーによるパネルディスカッションが行われました。