事務総長が国連、各国政府関係者等との面会のためスイス・ジュネーブ市を訪問しました。

2019年11月

小泉事務総長は、第11回平和首長会議理事会出席のためのヨーロッパ訪問の機会をとらえ、スイス・ジュネーブ市を訪問しました。国連、各国政府関係者等と面会し、大きな節目となる来年のNPT再検討会議を前に、平和首長会議の取組に対する理解と協力を求めました。

小泉事務総長訪問日程:2019年11月13日(水)~11月15日(金)

11月13日(水)
ホワイト在ジュネーブ国際機関コスタリカ政府代表部大使との面会

小泉事務総長は、2015年の再検討会議が頓挫した原因となった中東が混乱しているような状況にあるが、市民社会の見方からすればイランには1,000を越える平和首長会議の加盟都市があり、悲観的な状況ばかりではないとの考えを示し、来年のNPT再検討会議や核兵器禁止条約の発効に向けて、尽力していただくことを期待すると述べました。

ホワイト在ジュネーブ国際機関コスタリカ政府代表部大使との面会
ローワン赤十字国際委員会(ICRC)武力関連法務部長との面会

ローワン部長は、中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄などについて、核兵器を法的に規制できなくなっていくことを危惧されており、その意味で核兵器禁止条約は希望だと発言されました。また、核兵器は都市が標的になるという点で、世界の都市で構成する平和首長会議の活動は大変重要であると述べられました。
小泉事務総長は、引き続き平和首長会議の取組に協力していただくよう依頼しました。
そのほか、ICRCの敷地内に植樹された被爆樹木二世のイチョウの木が大切に育てられ、順調に伸びていることを確認しました。

ローワン赤十字国際委員会(ICRC)武力関連法務部長との面会
ローワン赤十字国際委員会(ICRC)武力関連法務部長との面会
ボリー国連軍縮研究所(UNIDIR)研究部長との面会

小泉事務総長は、市民社会、国際機関、NGOが連携して核兵器廃絶に取り組んでいくことが重要だと述べました。
ボリー部長は、NPTが来年で50周年を迎えるが、核軍縮はとても厳しい情勢にあり、核兵器禁止条約についても、核保有国と非核保有国の分断を生んでいるとの現状を述べられ、こうした状況にあるからこそ市民社会が核軍縮への圧力を掛けていくことが重要だと発言されました。

ボリー国連軍縮研究所(UNIDIR)研究部長との面会
バロバヤ国連欧州本部長との面会

小泉事務総長は、国連のSDGsが平和首長会議の目的にも合致すると述べるとともに、来年の総会や東京オリンピックなどの機会を活用し、世界中に核兵器廃絶を訴えていきたいと話しました。
バロバヤ本部長は、被爆75周年に当たる2020年が、平和首長会議にとって重要な年であることを認識され、大いにサポートしていきたいと発言されました。また、広島・長崎での出来事を青少年に伝えていくことの重要性を述べられました。
面会終了後、国連欧州本部の中庭に植樹された被爆樹木二世のイチョウの木を視察しました。

バロバヤ国連欧州本部長との面会
バロバヤ国連欧州本部長との面会
髙見澤軍縮会議日本政府代表部特命全権大使との夕食会

髙見澤大使は、国連総会第一委員会で今年も日本の核兵器廃絶決議案が採択されたことを紹介され、様々な評価があるが、来年のNPT再検討会議を成功に導くため、これまでの決議を踏襲するのではなく新たなものにしたと説明されました。

11月14日(木)
フィン核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長との面会

フィン事務局長は、平和首長会議との連携に対して謝意を述べられるとともに、平和首長会議が核兵器廃絶に向けて市民の安心・安全を守るという視点に立ってアプローチしていることから大きな示唆を得て、ICANシティーズ・アピールを始めたと発言されました。

フィン核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長との面会