小溝事務総長が、ロシア・ボルゴグラード市及びスイス・ジュネーブ市を訪問し、ロシア国内における平和首長会議行動計画に沿った活動の推進を図ると共に、ジュネーブ市の核軍縮に携わる要人と面会し、核兵器禁止条約の早期締結に向けて平和首長会議加盟都市や関係団体との連携について協議を行いました。
小溝事務総長訪問日程:平成29年10月14日(土)~10月21日(土)
10月16日(月)
ボルゴグラード州立大学への訪問
小溝事務総長が、ロシアで未だ認定されていない「広島・長崎講座」を紹介したところ、ボルゴグラード州立大学のタラカノフ学長は、同大学は歴史を記憶に留め、次世代へつなぐ授業を大切にしていると述べました。
その後、ソ連とドイツで百万人もの戦死者が出たスターリングラード(現ボルゴグラード)の攻防戦を伝える「スターリングラード講座」について学生によるプレゼンテーションを受け、同校の歴史教育を体験しました。
スターリングラード攻防戦パノラマ博物館及び旧製粉所への訪問
360度円形につながり、高さも10メートル以上ある館内のパノラマ画は相当な迫力で、戦争の悲惨さがリアルに伝わりました。
7ヶ月以上に及んだ攻防戦で破壊され、当時のまま残されている旧製粉所の見学も行いました。
10月17日(火)
コソラポフ ボルゴグラード市長との面会
小溝事務総長は、今後も核廃絶を目標にお互いに協力していきたいと伝え、平和首長会議行動計画、ナガサキアピール、平和宣言を市長に手渡しました。また、ロシアにおいて新しい加盟都市を増やすために同市へ協力をお願いしました。
最後に小溝事務総長から市長へ千羽鶴が手渡されました。
10月18日(水)
ベルナール ジュネーブ市外交部長との面会
平和首長会議の加盟都市であるジュネーブ市のベルナール外交部長を訪ねました。 ベルナール部長は、平和と対話と交渉の努力を続けてきたジュネーブ市にとって、同市に本部を置くICANがノーベル平和賞を受賞したことは大変喜ばしいことであると述べました。
小溝事務総長は、今後より一層、平和首長会議の取組を推進してほしいとお願いしました。
ワン 国連軍縮研究所(UNIDIR)研究員との面会
軍縮・不拡散に関する多様なデータや研究成果を提供するUNIDIRを訪問し、平和首長会議の取組を紹介し、関係強化を要請しました。
ワン研究員は、今後、研究成果や発表の機会等の情報提供をしていきながら、平和首長会議と連携を強めていていきたいと応じました。
10月19日(木)
ローワン 赤十字国際委員会(ICRC)武力関連法務部長との面会
ローワン部長は、核兵器禁止条約の採択後の優先事項は、核保有国等との対話を通して核兵器が使用されるリスクを減らしていくことであると述べました。
小溝事務総長は、日本政府が主催する賢人会議等は、核保有国と対話する絶好の機会であり、積極的に活用していきたいと伝えました
モラー国連欧州本部長との面会
小溝事務総長は、平和首長会議のリーダー都市がテロ、難民などのそれぞれの地域の諸問題に取り組みながら、包括的に危機に対応していくことを伝えました。
モラー本部長は、現在の世界情勢はよくない方向へ向かっているものの、核兵器禁止条約の採択やICANのノーベル平和賞受賞が流れを変える機会になると指摘し、7,400以上の都市が加盟する平和首長会議の役割は、より重要になっていくだろうと述べました。
ホワイト コスタリカ駐ジュネーブ国際機関代表部大使との面会
ホワイト大使は、若い世代の人々が核兵器自体について知識が足りないケースが増えてきているので、核兵器そのものに関する教育が重要であると述べました。
小溝事務総長は、2020年までに核兵器廃絶を軌道に乗せ、高齢化が進む被爆者たちに自信と安心を与えたいと決意を述べ、核兵器禁止条約締結に向けて取組を進めていくことを誓いました。