NPT再検討会議第3回準備委員会に合わせその開催地であるアメリカ・ニューヨーク市に出張しました。準備委員会のNGOセッションでスピーチし、各国政府関係者等に核兵器の非人道性と「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組の必要性を訴えるとともに、国連事務総長に同条約の早期実現に向け具体的交渉開始のリーダーシップをとっていただくよう求める要請文等を提出しました。
また、関係行事に出席し、挨拶等を行うとともに、各国政府関係者等と面会し、核兵器廃絶に向けての一層の努力を要請するとともに、核軍縮に関する情勢についての意見交換等を行いました。
・広島市長訪問日程:2013年4月26日(土)から5月2日(金)
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「署名キャンペーン」高校生8名とニューヨーク市立スタイベサント高校生徒との交流会への出席
約100名が参加した交流会で挨拶を行い、広島の悲惨な被爆の実相を紹介するとともに、「絶対悪」の廃絶を願う被爆者の心の底からの思いとヒロシマのメッセージに対する理解を促しました。また、この交流会を通じて核兵器のない平和な世界の実現に向けた意思を共有するとともに、互いの友情を育んでもらうようお願いしました。
潘基文国連事務総長との面会(平和首長会議要請文及び「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める市民署名の提出)
潘基文国連事務総長と面会し、平和首長会議要請文及び市民署名21万629筆の目録を手渡した上で、「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた具体的交渉の開始を含め、一日も早い核兵器廃絶の実現に向けた機運が醸成されるよう尽力をお願いしました。
国連日本政府代表部主催レセプションへの出席
岸外務副大臣、吉川国連日本政府常駐代表等外務省関係者、アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表、ロマン・モレイ準備委員会議長、各国代表部の大使等が出席するレセプションに出席しました。
平和首長会議主催ユースフォーラムの開催
「核兵器のない平和な世界を目指して」をテーマとする平和首長会議主催ユースフォーラムを開催しました。
会長は、被爆体験の風化が懸念されている中、若い人たちを中心として多くの人々が被爆体験を受け継ぎ、世界に、そして将来世代に伝えていくことが重要であること、将来、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けての運動をリードする存在になってもらいたい旨の挨拶を行いました。
NPT再検討会議第3回準備委員会NGOセッションへの出席
NGOセッションでスピーチを行い、69年前の広島の惨状をデータに基づき説明するとともに、被爆者のその後の人生について触れ、核兵器がいかに非人道的であり「絶対悪」であるかを強調しました。
また、核兵器の非人道性に焦点を当てた国家レベルでの議論が進む中、平和首長会議の加盟都市とともに、国連やNGO等と連携して「核兵器禁止条約」の早期実現に全力を尽くしていくことを表明しました。
さらに、アメリカのオバマ大統領には、広島・長崎を訪問し、被爆の実相に直接触れ、核兵器廃絶に向けたゆるぎない一歩を被爆地から世界に踏み出してもらいたいとの呼び掛けを行いました。
NGOセッション終了後、同セッションに出席していたオーストリアの代表団と面談し、年末にオーストリア・ウィーンで開催される予定の核兵器の人道的影響に関する第3回国際会議の準備状況について情報収集するともに、核兵器廃絶の一層の機運醸成を図るため、今年2月のメキシコ会議と同様、被爆者の証言や市民社会の積極的な参加を検討してもらいたい旨を要請しました。
会長スピーチ 原文(英語)
副会長(長崎市)スピーチ 原文(英語)
広島県主催サイドイベントへの出席
「広島の経験をいかして」をテーマとする広島県主催サイドイベントに出席しました。「2020ビジョン」具体化のための行動計画に基づく取組を説明し、広島市及び平和首長会議は、国境も世代も超えた幅広い市民社会の核兵器廃絶への願いの結集に全力で取り組むことを表明するとともに、「絶対悪」である核兵器の廃絶に向け共に行動してもらいたいと参加者に呼び掛けました。
日韓NGOフォーラムへの出席
「北東アジア非核兵器地帯の設立へ、今、行動する時」をテーマとするNGO「ピースデポ」等主催のフォーラムに出席し、スピーチを行いました。スピーチでは、昨年8月の平和首長会議総会で採択したヒロシマアピールや昨年の平和宣言において北東アジアの非核兵器地帯化の必要性等を盛り込んだことを紹介し、核兵器廃絶に向けたシステムの一つとして非核兵器地帯の構築は重要な役割を担っていると述べました。
ロモナコ・ジョージ メキシコ国連軍縮大使との面会
同大使は、4月のNPDI広島外相会合の参加者の1人であり、核兵器の非人道性を訴える観点から、被爆地の役割が今後ますます重要になると述べられました。
また、同大使に対し、各国の為政者に広島・長崎を訪問するよう呼び掛けてもらいたい旨要請したところ、早速準備委員会のスピーチに盛り込んでくださいました。
ブレイフン・オレリー アイルランド軍縮・不拡散担当部長との面会
アイルランド、メキシコ、エジプト、ブラジルなどが加盟する新アジェンダ連合(NAC)は、核兵器の非合法化の法的枠組みの構築に向けた議論を進めたい立場であり、広島・長崎両市長の発言は非常に重要であると述べられ、今後の被爆地の役割に大きな期待感を示されました。
アンディ・レイチミアント インドネシア国際安全保障・軍縮担当部長との面会
同部長は、120か国が加盟する非同盟諸国(NAM)のワーキンググループのコーディネーターを務めるキーパーソンであり、2015年NPT再検討会議に向けた準備状況やオーストリア・ウィーンでの核兵器の人道的影響に関する第3回国際会議に向けた取組について話を聞ききました。
ウィリアム・ポッター モントレー国際問題研究所ジェームズ・マーティン不拡散研究センター所長との面会
今回の準備委員会について、注目すべき点や見通し等について意見を聞いたところ、準備委員会の初日に議題が決められたのは今回が初めてであり、モレイ議長の手腕によるところが大きいこと、核兵器の非人道性について異なる立場の国々が議論を収れんさせるには困難が予想されること、ウクライナ問題が核兵器削減の障害になる可能性があること等の見方が示されました。