事務総長がリーダー都市への就任要請等でタイ及びオーストラリアを訪問しました。

2013年11月

小溝泰義事務総長が、タイ、オーストラリアを訪問し、東南アジア地域及びオセアニア地域でのリーダー都市への就任要請を行うとともに、それぞれの地域での平和首長会議の取組の拡大について協議しました。

また、オーストラリア・シドニー市で開催された赤十字・赤新月社総会と同代表者会議会場において、原爆ポスター展と「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める署名活動を実施しました。

ブラッド・ペティット市長(右)らとの面会

ブラッド・ペティット市長(右)らとの面会
(オーストラリア・フリマントル市)

【日程別の主要用務はこちらから】
11月11日

(タイ・バンコク市)

  • ・駐タイ日本国特命全権大使等との面会
  • ・バンコク市副知事との面会
  • ・(公財)長崎平和推進協会継承部会員 計屋氏(長崎市被爆者)との面会
11月12日

(タイ・チェンマイ市)

  • ・市長代理との面会
  • ・在チェンマイ日本総領事との面会
  • ・チェンマイ大学日本研究センター副所長との面会
11月13日

(タイ・バンコク市)

  • ・元駐日タイ特命全権大使との面会
  • ・元タイ財務大臣との面会
  • ・チュラロンコーン大学平和センター所長との面会
11月14日

(オーストラリア・パース市、フリマントル市)

  • ・在パース総領事、主席領事との面会
  • ・フリマントル市長等との面会
11月15日

(オーストラリア・シドニー市)

  • ・在シドニー総領事等との面会
  • ・副市長等との面会
11月16日

(オーストラリア・シドニー市)

  • ・赤十字国際委員会東アジア・東南アジア・大洋州担当事業局長との面会
  • ・平和NGO・Japanese for Peace 代表との面会
11月17日

(オーストラリア・シドニー市)

  • ・シドニー在住被爆者・絵本作家 森本氏等との面会
  • ・国際赤十字・赤新月運動代表者会議の傍聴及び関係者との面会
11月18日

(オーストラリア・シドニー市)

  • ・シドニー大学平和紛争研究センター所長等との面会

※11月11日~15日:平和首長会議原爆ポスター展及び「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める署名活動(オーストラリア・シドニー市)

11月11日
佐藤重和 駐タイ日本国特命全権大使等との面会

佐藤重和駐タイ日本国特命全権大使らと面会し、小溝事務総長より、今回のバンコク出張の主な目的である平和首長会議の地域グループ化の推進について説明した上で、バンコクにはリーダー都市としての役割をお願いしたいと考えている旨を述べました。また、ASEAN地域での核兵器廃絶に向けた意識の喚起や、この地域における平和首長会議の活動の活発化について意見交換を行うとともに、原爆展の実施等での大使館の支援を依頼しました。

アモン・キチャウェンクル バンコク副知事との面会

アモン・キチャウェンクル バンコク副知事と面会し、小溝事務総長より、加盟都市が5,800を超え今でも増え続ける中、平和首長会議の活動を活発化しなければならないこと、また、未だに17,000発以上の核兵器が存在し脅威となっている現実を伝えた上で、リーダー都市への就任依頼の書簡を手交しました。
アモン副知事は、今回の訪問に対し謝意を表した上で、平和首長会議の活動に対しできることはするつもりであり、リーダー都市就任依頼については前向きに検討させてもらう旨述べ、さらに総会に参加できなくて残念であったがメンバーシップ納付金及び寄附金をお支払いすると述べ日本円で10,000円を手交しました。
小溝事務総長は、高齢化した被爆者のメッセージを次世代に伝えていくためにも若者の交流が重要である旨述べたところ、アモン副知事は、本年8月に広島で開催された青少年国際平和未来会議にバンコクから若者が参加したことに触れ、青少年の交流は平和な未来を築く上で重要であるとの認識を示しました。

アモン・キチャウェンクル バンコク副知事(右)との面会

アモン・キチャウェンクル バンコク副知事(右)との面会

(公財)長崎平和推進協会継承部会員 計屋道夫氏(長崎市被爆者)との面会

長崎の被爆者である計屋氏から、4年前ピースボートに乗船したことをきっかけに始めたタイ(主にチェンマイ)や東南アジア地域での証言活動について説明を受け、それを踏まえた今後の活動展開について意見交換を行いました。

11月12日
スウォムチャイ チェンマイ市市長代理との面会

チェンマイ市では11月上旬に市長選挙が行われたばかりで、再選されたタサナイ市長は11月末から登庁するためスウォムチャイ市長代理と面会しました。
小溝事務総長より、平和首長会議の加盟都市の拡大や原爆ポスター展など総会で決定した行動計画に掲載された平和首長会議の活動に対する協力を依頼した上で松井会長名の書簡を手交しました。これに対しスウォムチャイ市長代理は、松井市長からの書簡を必ず市長に渡す旨約束した上で、チェンマイ市としては平和首長会議の活動を支持しており、可能な範囲で協力させてもらう旨述べられました。

スウォムチャイ チェンマイ市市長代理(左)との面会

スウォムチャイ チェンマイ市市長代理(左)との面会

藤井昭彦 在チェンマイ日本総領事との面会

藤井昭彦在チェンマイ日本総領事と面会し、小溝事務総長は、アセアン地域における平和首長会議の活動の中核は、タイと多文化でイスラム圏への窓口ともなるマレーシアに担ってもらいたい、また、ステップ・バイ・ステップの核軍縮を進める日本政府と核兵器禁止条約を推進する平和首長会議は、双方の方針は異なるが、相互補完関係を築くことができると考えていると述べました。その上で、藤井総領事に対し、昨日面会した計屋氏など海外での被爆者の活動の支援や活動状況についての情報提供、原爆展の開催や平和首長会議加盟都市の要請活動等に対する側面支援を依頼しました。
藤井総領事からは、計屋氏に関しては非核特使として数年前から外務省の支援を受けて活動しているとの説明があありました。

チェンマイ大学日本研究センター 中井副所長との面会

在チェンマイ総領事館からの紹介でチェンマイ大学日本研究センター中井副所長と面会しました。
同センターは4年前、外務省の支援を受けて設立され、現在、教員7名、学生は日本語専攻が120名、副専攻を含めると300名を超え、今年、大学院も設立され軌道に乗っているとの説明がありました。
小溝事務総長より、中井副所長に広島・長崎講座の設置や原爆資料展示やポスター展などの実施について依頼し、今後どういった形で連携していくことができるか、継続して連絡を取り合うこととしました。

スウォムチャイ チェンマイ市市長代理(左)との面会

スウォムチャイ チェンマイ市市長代理(左)との面会

11月13日
ウィラサック元駐日タイ特命全権大使との面会

ウィラサック元大使と面会し、タイと広島との青少年交流について意見交換を行い、同大使より、様々な具体的な提案がありました。

ウィラサック元駐日タイ特命全権大使(左)との面会

ウィラサック元駐日タイ特命全権大使(左)との面会

タノン・ビダヤ元タイ財務大臣との面会

タノン元大臣と面会し、広島市とタイとの青少年交流や被爆者のメッセージの次世代への継承といった平和や核兵器廃絶に関することを始めとして、幅広い話題について意見交換を行いました。

スリチャイ チュラロンコーン大学平和センター所長との面会

スリチャイ所長は、自治体レベル、市民レベルで平和の意識を高めて活動することが重要であるとの認識を示した上で、平和首長会議の取組に強い関心を示し、同所長自身が関わるAsian Public Interectuals(API)という、日本財団の支援を受けている組織が来年、広島で会議を開催するので何らかの形で平和首長会議に関わってもらうことはあり得るというアイディアを示しました。同組織は、チュラロンコーン大学のほか、京都大学やインドネシア、マレーシア、フィリピンの大学が共同で創設したもので、現在はフィリピン、カンボジア、ラオス、ベトナムも加わっています。
また、スリチャイ所長は、2015年のアセアン共同体の実現を睨み、アセアン地域で平和関連の会議を開催する構想があるとのことで、これにも平和首長会議に関わってもらうことも一案であると述べたほか、広島・長崎講座や光の肖像展にも関心を示しました。

11月14日
舩山光一 在パース総領事、高木昌弘首席領事との面会

舩山光一 在パース総領事及び高木昌弘首席領事と面会し、パース市や西オーストラリア州情勢に関して、産業の状況や、日本との経済・観光での関係について紹介されました。また、管轄区域内の自治体に関する平和活動などの情報提供がありました。

フリマントル市 ブラッド・ペティット市長との面会

本年8月の平和首長会議総会に市長代理として出席したジャーナリストのグラモーガン氏とポー氏同席の下、10月に再選されたばかりのブラッド・ペティット市長と面会しました。
ペティット市長は、すでに平和首長会議のリーダー都市就任を前向きに検討しており、リーダー都市としての具体的な役割やどのようなリソース(スタッフ、資金等)が必要となるかなどを質問しました。また、リーダー都市を承諾する際には議会に諮ったうえで承諾書に署名したいこと、パースなど周辺の都市への加盟要請にも協力する旨述べました。これに対し小溝事務総長は、まずは平和首長会議を担当する職員を決めてもらい、日常的な意思疎通を図ることができるようにしてもらいたい旨述べました。
市長との会談終了後、急きょグラモーガン及びポー両氏からのリクエストに応え、理事長がラジオ番組の収録のためのインタビューを受け、平和首長会議の取組等について説明しました。

フリマントル市 ブラッド・ペティット市長(右)との面会

フリマントル市 ブラッド・ペティット市長(右)との面会

11月15日
小林敏明 在シドニー総領事代理との面会

小林総領事代理に面会し、冒頭、小溝事務総長から、現在直面している被爆者の高齢化に伴う被爆体験継承の課題等や平和首長会議の地域グループ化など今回の出張目的等について説明し、今後の支援を依頼しました。

ロビン・ケミス シドニー市副市長との面会

ケミス副市長は、平和首長会議の取組などの話に熱心に耳を傾け、強い関心を示した上で、最近、シドニー大学とともに創設したシドニー平和賞の受賞者を決定したこと、また、2010年には議会において核兵器廃絶の決議を行ったことを紹介しました。
また、2014年は第1次世界大戦勃発100周年、2015年が被爆70周年という重要な節目であると伝えたところ、具体的な共同事業が可能となるようリエゾンオフィサー(連絡調整担当)を指名して連絡を取り合うことを約束しました。

ロビン・ケミス シドニー市副市長(中央)との面会

ロビン・ケミス シドニー市副市長(中央)との面会

11月16日
アラン・エシュリマン赤十字国際委員会(ICRC)東アジア・東南アジア・大洋州担当事業局長との面会

エシュリマン事業局長は、東アジア・東南アジア・大洋州地域の約50か所の事務所を所管し、様々なプロジェクトや予算などを統括しており、また、日本には年に1回は訪問していて、2013年5月には広島で開催された赤十字・赤新月運動代表者会議第一決議・検討会議に出席するため来広したほか、2014年2月に広島を再訪する予定だと述べました。
小溝事務総長は、リーダー都市を中心とする平和首長会議の地域グループ化やICRCをはじめとする志を同じくする様々な組織とのネットワーク拡大の取組を進めていることを説明し、今後ICRCとの協力関係を深めたいと述べました。エシュリマン事業局長も草の根レベルの活動が重要であるとの認識を示し、平和首長会議と協力していきたいと応じた上で、ICRCは大量破壊兵器の問題の重要性を認識し2、3年前に核兵器、化学兵器等の大量破壊兵器を所管する新しい組織を立ち上げたと説明しました。

アラン・エシュリマン赤十字国際委員会(ICRC)東アジア・東南アジア・大洋州担当事業局長(左)との面会

アラン・エシュリマン赤十字国際委員会(ICRC)東アジア・東南アジア・大洋州担当事業局長(左)との面会

松香寿代プレストン Japanese for Peace代表との面会

メルボルン在住で平和NGOのJapanese for Peaceを主宰し、ICANオーストラリアの理事も務める松香寿代プレストン氏と面会し、今年で9回目となる平和祈念コンサートの実施など、現地での活動の様子を伺うとともに、今後の連携強化について確認しました。

松香寿代プレストン Japanese for Peace代表(中央)と、現代美術館のオノ・ヨーコ展にて

松香寿代プレストン Japanese for Peace代表(中央)と、現代美術館のオノ・ヨーコ展にて

11月17日
シドニー在住被爆者・絵本作家 森本順子氏等との面会

森本氏は、被爆当時13歳で広島女学院高女に通っており、8月6日当日は偶然学校を休んで自宅にいたため助かったことをお話しされ、学校での被爆体験証言活動や赤十字、ICANなどの主催行事での墨絵のライブパフォーマンスなど最近の活動状況を紹介し、さらに、絵本「My Hiroshima」制作に至るまでの経緯についての説明がありました。また、同席した黒坂氏(森本氏の証言活動の通訳)からは、「My Hiroshima」はすばらしい本なので、世界に広げるためにICRCなどの協力が得られないかという相談がありました。
小溝事務総長は、平和首長会議の取組を説明するとともに、海外で証言活動等を行っている被爆者の方々とのネットワークを築きたいと述べ協力を求めました。

シドニー在住被爆者・絵本作家 森本順子氏等との面会

シドニー在住被爆者・絵本作家 森本順子氏等との面会

国際赤十字・赤新月運動代表者会議の傍聴及び関係者との面会

国際赤十字・赤新月運動代表者会議の全体会議にオブザーバーとして参加し、会議の合間に、ペーター・マウラー総裁に平和首長会議の資料を渡し活動内容等の説明を行いました。
また、13日に行われた国際赤十字・赤新月社連盟の会長選挙で再選された近衛日本赤十字社社長やオーストラリア赤十字社法務担当のヘレン・ダーレム氏等とも短時間でしたが面会しました。
併せて、会場に展示されていたオーストラリア赤十字が主催する原爆ポスター展を鑑賞しました。

オーストラリア赤十字のヘレン・ダーレム氏(右)とともに

オーストラリア赤十字のヘレン・ダーレム氏(右)とともに

オーストラリア赤十字が主催した原爆ポスター展

オーストラリア赤十字が主催した原爆ポスター展

11月18日
ケン・マクナブ シドニー大学平和紛争研究センター所長等との面会
(同席:ピーター・キング元社会政治科学学部教授(兼同センターヒューマン・サバイバル・プロジェクト共同議長)、ジョン・ハラム氏(同センターヒューマン・サバイバル・プロジェクト共同議長)夫妻、ポール・ダッフィル同センター非常勤講師)

小溝事務総長より、平和首長会議のリーダー都市や赤十字等の国際組織との連携などの取組を説明した上で、シドニー大学での広島・長崎講座の開設を要請したところ、マクナブ所長は関心を示し、インターネットなどを活用してオンラインで被爆証言を行ったらどうかという提案がありました。

ケン・マクナブ シドニー大学平和紛争研究センター所長等との面会

ケン・マクナブ シドニー大学平和紛争研究センター所長等との面会

11月11日~15日
赤十字・赤新月社総会での平和首長会議原爆ポスター展及び「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める署名活動

11月11日から15日にかけて、オーストラリア・シドニー市シドニーコンベンションセンターの赤十字・赤新月社総会会場において、平和首長会議原爆ポスター展を開催するとともに、「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める署名への協力を呼び掛けました。
展示ブースでは、赤十字・赤新月社総会出席者や会場の赤十字スタッフ、一般来場者に対して、平和首長会議の説明、ポスター展示の紹介を行い、平和首長会議紹介チラシ、ポスター展リーフレット等を配付しました。期間中、ブースには約500名が訪れ、ポスターや平和首長会議の活動写真に見入っていました。また、会場を訪れた赤十字・赤新月社総会出席者を始め多くの方から赤十字・赤新月社の目指すところと平和首長会議の目指すところは同じである、といった言葉をたくさん頂き、じっくり見る時間のない方も「後ほどゆっくり見るから」と平和首長会議紹介チラシとポスター展リーフレットを持って帰られました。併せて、「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める署名への協力を呼び掛け、期間中204筆の署名が集まりました。その他、持参した折り紙を使い即興の折り鶴教室を行い、展示ブースを訪れた方たちとの交流を図りました。

また、期間中、赤十字・赤新月社総会に出席されていたモルドバ共和国サドイク市の市長が、ポスター展示を鑑賞後、平和首長会議の趣旨に賛同し、その場で加盟申請書を提出されました。

赤十字・赤新月社総会での原爆ポスター展

赤十字・赤新月社総会での原爆ポスター展

加盟申請書提出後、自作の折り鶴でサイドネットを飾るサドイク市のゲーナ市長

加盟申請書提出後、自作の折り鶴でサイドネットを飾るサドイク市のゲーナ市長