JICA横浜 海外移住資料館オンラインセミナー 「『平和大通りに咲く赤い花』― 被爆80年、『亜国日報』から読み解く 広島とアルゼンチンの絆 ―」を開催 ― 広島とアルゼンチンを結ぶ移住・記憶・平和の歴史 ―

2026年5月[相川知子専門委員]

2026年5月27日(水)20時(日本時間)、JICA横浜 海外移住資料館のオンラインセミナーにおいて、相川知子による講演「『平和大通りに咲く赤い花』― 被爆80年、『亜国日報』から読み解く 広島とアルゼンチンの絆 ―」が開催された。

本セミナーは、海外移住の歴史に対する関心の広がりを目的として実施されているJICA主催国際移住機関(国連IOM)駐日事務所後援 2025年第6回海外移住「論文」及び「エッセイ・評論」募集において、論文7編、エッセイ・評論28編、計35件の応募があった中から、エッセイ・評論部門の最優秀賞を受賞した同名作品をもとに行われたもので、JICA横浜 海外移住資料館(管理運営業務受託事業者:公益財団法人海外日系人協会)の水上貴雄氏の司会により行われた。

同作品は、広島市の平和大通りに咲くアルゼンチン国花セイボ(和名「アメリカデイゴ」)が1953年アルゼンチン大統領夫人エバ・ペロン(エビータ)から寄贈という記録を契機に、実はエビータは1952年に亡くなっているので、実際の寄贈主と寄贈日時1951年10月2日についての記録をアルゼンチンの邦字紙『亜国日報』(1945から1991年)のマイクロフィルムを調べて記録を追跡調査したものである。講評では、平和と移住を考える内容が高く評価され、同部門の最優秀賞に選出された。

講演では、アメリカデイゴを手がかりに、戦後の広島復興、アルゼンチン日系社会との関わり、邦字新聞に残された記録、移住者の記憶について話した。また、2025年が広島・長崎への原爆投下から80年にあたったので執筆した動機を説明した。広島とアルゼンチンの関係を、邦字新聞、移住者の記録、平和大通りのアメリカデイゴという具体的な資料と事例から読み解く内容となり、海外移住の歴史を通じて、記憶の継承、国際理解、平和文化の形成について考える機会となったと評され、ぜひ、広島平和大通りの赤い花を見に行きたいという声が内外から寄せられた。

当日は、アルゼンチンをはじめ、ブラジル、ボリビアなど南米地域からの参加があったほか、日本国内からも北海道から鹿児島まで各地の参加者がオンラインで出席した。平和活動関係者、広島出身者、広島在住者なども含め、約85名が参加した。

今回のセミナーは、2026年はアルゼンチン日本人移住140年の記念になったが、今後の目標は、このような調査を通じて、被爆の記録と記憶がどのように次世代へ継承されていくか、継承されていくべきかについて研究していきたいと思う。

平和大通り鶴見橋付近アメリカデイゴの位置マップhttps://www.google.com/maps/place/34%C2%B023’11.0%22N+132%C2%B028’04.6%22E/@34.3863886,132.4495044,2253m/

受賞作品はこちらから読めます。https://www.jica.go.jp/domestic/jomm/whatsnew/2025/__icsFiles/afieldfile/2025/10/30/06_EssayHyoron_01Saiyushu.pdf

当日のセミナーの様子 アルゼンチンデザインブランドのホォアナデアルコのアメリカデイゴ柄のワンピースにて
2025年8月6日午後の平和大通りのアメリカデイゴと出会い、喜ぶ筆者
2026年6月6日早速見に行ってくれた参加者から寄せられた写真