ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市がウクライナとの連帯を表明

[フランス・ヴァレンヌ・ヴォ―ゼレ市]

2026年9月17日から21日まで、フランスのヴァレンヌ=ヴォーゼレ市で、文化・市民交流イベント「1001 Cultures」が開催されました。今回はウクライナをテーマに、5日間にわたり、展示会やワークショップ、公演、音楽、食文化、交流イベントなどを通じて、市民がウクライナの文化や伝統、歴史、現代の暮らしに触れる機会が設けられました。

今回のイベントは「1001 Cultures ― ウクライナとの連帯」をテーマに掲げ、文化を通じた対話、国際的な友好関係、平和の促進に取り組む同市の姿勢を示すものとなりました。

文化を通じてウクライナを知る

イベント期間中、ジェラール・フィリップ・センターとその周辺の市の施設は、ウクライナ文化に触れ、交流する場となりました。

プログラムでは、ウクライナの博物館の貴重な収蔵品を紹介する展示や、戦争前後のウクライナの様子を伝える絵はがきの展示、ウクライナの作家を紹介する展示など、多彩な催しが行われました。また、来場者はウクライナの伝統舞踊のワークショップに参加したり、伝統料理のボルシチの作り方を学んだりしたほか、演劇やコンサートを楽しみ、フランス在住のウクライナ人と交流する機会も得ました。

演劇を通じて、個人の体験から戦争の影響を考える機会も設けられました。ウクライナ人女優イリーナ・リティアク氏とフランソワ・マイエ氏が出演し、エミリー・アルフィエリ氏が演出を手がけた舞台「Ukraine, mon amour(ウクライナ、わが愛)」では、戦争が人間関係や仕事、私生活に及ぼす影響が描かれました。

具体的な行動による連帯

2026年のイベントは、文化を知ることにとどまらず、戦争の影響を受けた人々を支援するために、ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市民が具体的な行動を起こす機会にもなりました。

9月19日と20日には、同市が「58 Solidarité Ukraine」と「Fraternité Nièvre Ukraine」の2団体と協力し、ウクライナのマリウポリ市の住民を支援するため、支援物資の寄付を呼びかけました。

募集した物資は、シャンプーやボディソープ、歯磨き粉、歯ブラシ、石けん、洗濯洗剤、生理用品、ウェットティッシュ、乳幼児用・大人用のおむつなど、日常生活に必要な衛生用品を中心としたものでした。

この取組では、文化交流に加えて、具体的な支援活動が行われました。ウクライナという国やそこに暮らす人々について知るだけでなく、紛争の影響を受けた人々のニーズに地域から応えることが、連帯を示す行動となりました。

ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市とムラファ市の連携

今回のプログラムでは、ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市とウクライナのムラファ市との緊密な関係も紹介されました。

ムラファ市の代表者もイベントに参加し、創作ワークショップや、同市の子どもたちが描いた絵の展示を行いました。これらの活動は、子どもたちや市民が芸術を通じて自分の思いを表現し、両地域の交流を深める機会となりました。

9月20日には、ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市とムラファ市が国際協力憲章に署名し、両市の協力と友好関係を発展させていくことを正式に確認しました。

平和への道を開く文化の力

ウクライナをテーマとした今回の「1001 Cultures」は、ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市が進める幅広い平和への取組の一環でもあります。

同市は2023年以降、平和の促進、歴史の記憶の継承、国際的な対話に向けた取組を強化してきました。その中には、平和首長会議への参加や、広島・長崎の原爆犠牲者を追悼する行事、平和教育活動なども含まれています。

5日間のプログラムは、国連が定める「国際平和デー」である9月21日に、市内の平和広場(Esplanade de la Paix)で締めくくられました。

式典では、市の議員や平和活動に参加する子どもたち、在フランス・ウクライナ大使館の代表者らが出席する中、新たな平和の木としてセイヨウカンボク(学名:Viburnum opulus)が植樹されました。

式典の後には、ウクライナにちなんだ軽食や朗読を通じて、友好を深めるひとときが設けられました。

文化と連帯を通じて人々をつなぐ

今回の「1001 Cultures」を通じて、ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市は、地域の文化イベントが国際的な対話や歴史の記憶の継承、連帯の場となり得ることを示しました。

ウクライナの文化や人々の声を紹介し、ウクライナからの参加者を迎え、人道支援活動に取り組むとともに、ムラファ市との協力関係を強化することで、地域を越えた人々のつながりを築こうとしました。 「1001 Cultures 2026」は、単なるウクライナ文化の祭典ではありませんでした。それは、互いを知り、理解し、分かち合い、連帯することへの呼びかけでもありました。文化や都市間の友好関係、そして市民一人ひとりの行動が、より平和な世界の実現につながるという信念が込められたイベントとなりました。

写真提供:ヴァレンヌ・ヴォ―ゼレ市