2026年10月1日から4日まで、イタリアのボローニャ市およびモンテ・ソーレ、マルツァボットの史跡で、第7回「記憶の都市」国際会議が開催され、フランスのヴァレンヌ=ヴォーゼレ市からフロリアン・ギヨン副市長が参加しました。今回の参加は、歴史の記憶の継承、平和、民主主義的価値の擁護をめぐる欧州の協力関係を強化するという、同市の取組を反映したものです。
フロリアン・ギヨン氏は、文化、平和、歴史の記憶の継承、地域活動、広報を担当するヴァレンヌ=ヴォーゼレ市の副市長です。2025年からは、ダンケルク都市共同体が調整役を務める国際ネットワーク「記憶の都市」において、平和首長会議の代表を務めています。
このネットワークには、戦争や暴力の歴史を持つ欧州および世界各地の自治体が参加しており、歴史の記憶の継承を通じて平和を築き、民主主義的価値を守ることを目指しています。第7回会議では、特に、過去のレジスタンス(抵抗運動)の経験が、今日の民主主義、正義、平和への取組にどのような役割を果たすかが議論されました。
欧州の議論に参加したヴァレンヌ=ヴォーゼレ市
10月2日(金)、ボローニャ市のアックルシオ宮殿で、フロリアン・ギヨン副市長は、若者、歴史の記憶の継承、市民参加をテーマとする2つの円卓会議のうち、最初の会議「抵抗することを学ぶ:若者、記憶、参加、行動」に登壇しました。
ギヨン副市長は、ウイストルアム市、ロストック市、ドレスデン市の代表者に加え、ミル収容所およびマルツァボット虐殺犠牲者委員会の代表者らとともに議論に参加しました。会議では、現代の世代がレジスタンスの遺産をどのように受け継ぎ、歴史の記憶を民主主義と平和のための具体的な行動につなげていくことができるかについて意見が交わされました。
こうした議論は、平和首長会議に対するヴァレンヌ=ヴォーゼレ市の取組や、歴史の記憶の継承、平和教育、若い世代への啓発を推進する同市の活動とも深く関わるものです。
ボローニャからマルツァボットへ:平和のために歴史の記憶を継承する
会議では、2026年5月に「記憶の都市」ネットワークと欧州地域委員会によって採択された「ダンケルク・アピール」と「ブリュッセル・コミットメント」についても議論が行われました。
これらの文書は、欧州の民主主義的価値を守り、若者同士の交流を強化し、ナショナリズムや過激主義に対抗するとともに、平和のための実質的な都市外交を発展させていくという自治体の決意を示すものです。
10月3日(土)、各国の代表団は、イタリアのレジスタンス運動と、1944年にナチス・ドイツ軍によって行われた虐殺の記憶を伝える重要な場所であるマルツァボットとモンテ・ソーレを訪問しました。
慰霊施設(Sacrario)、歴史解説センター、モンテ・ソーレの追悼施設などの訪問は、今回の会議の重要なプログラムとなりました。また、自治体の公式代表団と若者の代表団は、ネットワークの今後についても意見を交わしました。
会議最終日の10月4日(日)には、各国の代表団がモンテ・ソーレ虐殺事件の82周年追悼式典に参加しました。式典には、マルツァボット市のヴァレンティーナ・クッピ市長やダンケルク市のパトリス・ヴェルグリエット市長らも出席しました。
未来を築くために歴史の記憶を継承する
フランスのブルゴーニュ地方に位置する人口約9,300人のヴァレンヌ=ヴォーゼレ市にとって、今回の会議への参加は、平和と歴史の記憶の継承に向けた同市の取組を発信する重要な機会となりました。
また、欧州の協力関係の強化と若い世代への歴史の継承に取り組む国際ネットワークの中で、フランスの小規模自治体が自らの声を届ける機会にもなりました。
「歴史の記憶は、現在を理解し、未来のために行動することに役立ってこそ意味を持つ。」
この考え方は、フロリアン・ギヨン副市長が平和首長会議とヴァレンヌ=ヴォーゼレ市を代表して参加した今回の会議の精神を表しています。 ボローニャとマルツァボットでの会議への参加を通じて、ヴァレンヌ=ヴォーゼレ市は、歴史の記憶の継承を単なる義務としてではなく、教育や人々の対話、平和の文化の構築につながる手段として生かしていく取組を続けています。
写真提供:ヴァレンヌ・ヴォ―ゼレ市
