イランの加盟都市数が800都市を突破

2016年1月[イラン・テヘラン市等]

  2016年1月1日現在で、イランにおける加盟都市数が812となっています。2014年・2015年の2年間で700都市以上が加盟し、同期間内の増加率は全加盟国中最大となっています。

 イランにおけるこの大幅な加盟都市増加は、首都テヘランにある「テヘラン平和博物館」がイランの全市長に連絡を取り、地道に平和首長会議への加盟を要請したことによるものです。同博物館は、館内に平和首長会議の事務所を設け、2013年6月、平和首長会議2020ビジョンキャンペーナーであり、同博物館の設立者の一人であるシャリア・ハテリ医師を中心に加盟都市増加のキャンペーンを開始しました。その結果、当時27だった加盟都市数が、2015年1月1日時点で500を超えました。このキャンペーンは、2014年7月にハテリ医師がテヘランを去った後も続き、毎月20~40都市が加盟した結果、2015年の新規加盟は300都市に達しました。現在、イランにおける812という加盟都市数は、日本に次いで第2位となっています。

 1980年代、イラン・イラク戦争において、イランの多くの都市が化学兵器による攻撃を受け、子供や老人を含む約1万3千人が死亡し、今も6万人以上の被害者が長期にわたる後遺症で苦しんでいます。特に加盟都市であるサルダシュト市は、1987年6月にマスタードガスの攻撃を受け、「第2のヒロシマ」と呼ばれています。

 化学兵器の被害者であるモハマド・レザーイー氏が中心となり、「テヘラン平和博物館」内の事務局において現在も加盟促進の取り組みが続けられています。レザーイー氏は、次のようにコメントしました。

 「30年前、私は国防に当たる兵士として、化学兵器の攻撃を受け、負傷しました。大量破壊兵器の被害者となるとはどういうことなのか、身を以って知っています。それが、化学兵器や核兵器を使用したらどうなるか、意識啓発に努める理由です。平和首長会議には、世界中で大量破壊兵器を廃絶する必要性について普遍的な知識を広めていく大きな可能性があります。テヘラン平和博物館においても、このネットワークを活用するために全力を尽くし、イランの加盟都市において平和文化を推進していきます。できれば、次のステップとして、イランと世界の加盟都市の間に強固な架け橋を築き、共通の目標に向かって協力していきたいです。」

>「テヘラン平和博物館」ウェブサイト内の平和首長会議コーナー(英語)

>モハマド・レザーイー氏による毒ガス被害証言(英語、「テヘラン平和博物館」ウェブサイト)

2015年8月広島にて、平和首長会議会長(松井広島市長、右)から
イランの新規加盟都市の加盟認定証を受け取るレザーイー氏(左)
(写真提供:広島市)