第8回平和市長会議総会に参加してのSerwan Sereni市長のコメント

2013年8月10日[イラク・ラワンズ市]

日本訪問に寄せて

 日本を訪問する絶好の機会であり、私たちは平和の中核の一部となることを嬉しく思います。
 平和首長会議の一員として、私は4日間にわたり開催された第8回総会と長崎での平和祈念式に参加しました。

 ラワンズ‐クルディスタンの市長として、私の使命はクルド人やクルディスタン及び私の都市を代表することでした。8月4日に広島国際会議場で私はスピーチをし、ラワンズという都市を紹介することができました。ラワンズは偉大な歴史を持つとともに、我々は1980年代のサダム・フセインの時代の大虐殺とアルアンファルの戦闘から経験した暗黒の時代のことを語りました。
 私はまた広島と長崎の両方で記念式典に出席するという恩典を受けました。日本の首相を含め、原爆犠牲者に敬意を払う数多くの出席者がいました。式典では一般の方々やVIPの日本人に会えてとても興味深いものでした。私たちは広島・長崎両市長をはじめとする平和首長会議のメンバーのほか、日本の国会の議長と会いました。

 私が特に強調したい主なポイントは、日本国民の偉大な態度と行動です。広島や長崎への原爆投下という恐ろしい出来事にもかかわらず、日本人は非常に平和的で柔和、魅力的で協力的そして規律がとれていて組織化されています。

 古い世代は原爆の悲劇の影響と体への放射線のマイナスの衝撃が原因で疲れているように見え、苦しんできたようにも思われました。彼らが苦しんだ傷跡のいくつかは今なお彼らの体の中に存在しています。
 私はまた何人かの被爆者と会う機会があり、彼らは証言をしました。例えば、山脇喜朗氏は、「私は他の誰も、私が11歳の時に目撃した残忍な悲劇を永遠に経験しないことを祈ります。」と述べました。核兵器がどれ程恐ろしく残酷なものであるかを知らないという人が世界には数多く存在しています。
 彼はまた、「私たちの地球上から核兵器を排除し、長崎が原爆投下で苦しむ地球上の最後の場所であることを確認するためにあなたの力を貸して下さい。私たち全員が戦争のない平和な世界を構築するために一緒に働きましょう。」と言われました。

 とはいえ、新世代は、彼らの顔に常に素敵な笑顔が消えることがなくとても幸せであるように見えました。

 非常に驚くべきことに、この国を破壊させたすべての破壊行為を受けても尚、日本の人々は再び力強く立ち上がり、彼ら自身の力で開拓者になって世界中に平和を創出するためなら何でもやろうとしています。

 私は、日本人はとても尊敬でき、協力的で優しさに満ちていることに気づかされました。
 さらに、彼らの目標は世界から2020年までに核兵器を廃絶させることです。日本や海外には暴力を止めさせ同様の悲劇から人類を守るために懸命に活動している多くの平和組織があります。

 日本人は日本人同士や外国人に対して極端な敬意と優しさを示します。日本人に質問をしている時、あなた(質問者)が立っている場合、彼らはあなたの前に立って、両手を膝の上において三回頭を下げます。
 あなたが質問している時に、あなたが(椅子の上に)座っている場合、日本人はあなたを満足させるために最善を尽くして床に座ります。

 私は娘と一緒に長崎のレイフィールド(美容室)という名前の店をたまたま訪れました。そして私はお店の人が私達に最善の方法で接していることに客として気づきました。客が去ったとき、従業員は彼らの後ろについていき、丁寧な方法で彼らを見送りながらお辞儀をしていました。

 私は自分の感覚や日本の伝統の本質を定義したり表現したりすることはできないかもしれませんが、我々の神はコーランの中で、日本という国及びその国民は「アル‐バラッド アル‐タイド(Al-Balad Al-Tayeb)」と述べていることを知っています。
 それは「優しさの国」という意味です。

敬具

Serwan Sereni(ラワンズ市長)
平和首長会議 メンバー
ラワンズ-クルディスタン/イラク

Serwan Sereni(ラワンズ市長)
2013年8月10日