松井会長(広島市長)は、「国連気候変動枠組条約第23回締約国会議」(COP23)の関連イベントへの出席にあわせ、ドイツ、イタリア、バチカン市国を訪問しました。訪問中は、平和に関する演説・講演を行い被爆の実相と被爆者の思いを伝えたほか、ローマ法王と謁見し被爆地訪問を依頼しました。
松井会長訪問日程:平成29年11月9日(木)~11月16日(木)
11月10日(金)
八木毅在ドイツ連邦共和国特命全権大使との面会
欧州情勢や、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞受賞等、最近の話題を中心に面談しました。松井会長は、核兵器禁止条約はNPTの次のステップであり、二つの条約は両立していること、そしてこの考えを多くの人と共有できるよう取り組むこと等を説明し、理解を求めました。
ベルリン・ボイト工科大学での平和に関する市長講演
「広島から核兵器のない世界へ 人的苦難を越えて」と題した講演を行いました。この講演会は、同大学が被爆の実相を伝える「広島・長崎講座」を2004年から13年間継続して開講していることから実現したもので、大学関係者、平和団体の代表等、約150人が聴講し、熱心な質疑応答もありました。講演会終了後には、モニカ・グロス学長や同大学の「広島・長崎講座」の開設・運営に長年尽力してきたオイゲン・アイヒホルン教授等と懇談しました。
独日友好協会ハノーバー広島友好会との面会
独日友好協会ハノーバー広島友好会のセツコ・ペーチュ名誉会長及びゲオルク・ギュンター・チュルナオ会長と面会し、これまでの同会の青少年交流、文化交流、平和活動等への尽力に敬意と感謝を表しました。
11月11日(土)~12日(日)
「国連気候変動枠組条約第23回締約国会議」(COP23)関連イベントへの出席等
11月13日(月)
イタリア・ティエーネ市関係者との面会
ティエーネ市のツォルツァン評議員及びスティバネッロ市議会議員と面会しました。ティエーネ市は、2016年から被爆樹木(イチョウ)の育成を通じた市民の平和意識醸成に取り組んでおり、2017年3月には市内の5つの小学校にイチョウを植樹しました。この日、ティエーネ市が育てた苗木の1本を、イタリア議会に贈呈するために提供していただきました。
11月14日(火)
リサ・クラーク国際平和ビューロー共同代表との面会
イタリア国内で平和首長会議の活動に協力いただいているリサ・クラーク国際平和ビューロー共同代表と面会し、2020年までに1万都市加盟という目標に向けた支援を依頼しました。クラーク共同代表は、イタリアにおける平和首長会議の活動活性化に向けた協力を約束するとともに、財政面などで様々な課題を抱えている各自治体と予算がなくても活動しているNGOとが相互に補完することで、核兵器廃絶に向けた世論醸成を図りたいとの考えを示しました。
イタリア議会下院議長との面会及びイタリア自治体の平和首長会議への加盟
イタリア議会のラウラ・ボルドリーニ下院議長、ステファノ・ダンブルオーゾ伊日友好議員連盟会長等と面会しました。松井会長は、加盟都市であるティエーネ市が育てた被爆二世のイチョウの苗木をボルドリーニ下院議長に手渡し、この木の成長と共に核兵器廃絶に向けた機運がイタリア国内で高まることを願っていると伝えました。また、ボルドリーニ下院議長の御尽力により、イタリアのマチェラータ市長、ポンペイ市長が、平和首長会議への加盟を表明し、申請書への署名を行いました。
イタリア議会での演説
イタリア下院議事堂において、イタリア議会議員、自治体やNGOの代表等約50名を前に、約20分にわたり、被爆の実相と被爆者の思いを伝えました。演説では、核兵器禁止条約の採択やICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞受賞等といった大きな流れが生じている中、為政者は、核抑止に依存する政策に頼らない大きな決意が必要であり、長期的な視点に立って核兵器に頼らない、人類のための安全保障を目指す認識を持ってほしいと訴え、市民社会もそうした為政者を後押しする環境をつくっていくとのメッセージを発信しました。