2015年NPT再検討会議に合わせ、その開催地であるアメリカ・ニューヨーク市に出張しました。
同会議のNGOセッションでスピーチし、各国政府関係者等に、核兵器の非人道性や「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組の必要性を訴えました。また、平和首長会議の主催により3つの行事を開催するとともに、関連する各種の会合に出席しました。さらに、各国政府関係者等との面会、平和首長会議からの要請文及び「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める市民署名の国連への提出等を通じ、核兵器廃絶に向けた一層の努力を要請するとともに、核軍縮に関する情勢についての意見交換を行いました。
広島市長訪問日程:2015年4月25日(土)~5月3日(日)6泊9日
4月26日(日)
4月27日(月)
ヒロシマ・ナガサキアピール集会の開催
平和首長会議の主催により、広島・長崎の声を結集し、核兵器廃絶を広く世界に訴えることを目的とした「ヒロシマ・ナガサキアピール集会」を開催し、行事に出席したバージニア・ガンバ国連軍縮担当次席上級代表に平和首長会議からの要請文、「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める約110万筆の署名目録、及び広島女学院高校の生徒が折った折鶴を手渡しました。また、広島と長崎の被爆者による証言や、市民団体、ユース代表が活動報告を行い、広島県知事もスピーチを行いました。
最後に、世界の為政者が広島・長崎を訪問すること等をNPT再検討会議の最終文書に盛り込むよう求める「ヒロシマ・ナガサキアピールinニューヨーク」を採択し、閉会しました。
連合・ITCU主催の労働組合セミナーへの出席
「核兵器廃絶に向けた労働組合の役割」をテーマとする同セミナーに出席し、約50名の参加者の前で挨拶して、署名活動等日頃の平和活動に敬意を表するとともに、平和首長会議の取組に対する支援と協力を呼びかけました。
4月28日(火)
各国政府関係者との面会 セバスチャン・クルツ オーストリア外務大臣
クルツ外務大臣と面会し、核兵器の非人道性に関する認識が高まっている今こそ、核兵器廃絶に向け、NPT第6条に基づき核兵器を禁止するための議論を始めるべきであるとの意見で一致しました。
各国政府関係者との面会 タウス・フェルーキNPT再検討会議議長
「ヒロシマ・ナガサキアピールinニューヨーク」を手交して、核兵器禁止条約の締結に向けた誠実な交渉を開始することが重要であると訴えました。フェルーキ議長は、先般(4月3日)の広島訪問を踏まえ、議長としての責任を果たしたいと述べました。
2015自治体労働者平和のつどい in New Yorkへの出席
主催団体である日本自治体労働組合総連合が取り組んでいる平和活動への敬意を表するとともに、平和首長会議の取組を紹介する挨拶を行いました。
4月29日(水)
平和首長会議ニューヨーク集会出席
平和首長会議の主催により、リーダー都市を始めとする加盟都市、平和NGO、国連及び政府関係者等70名が出席して、「平和首長会議ニューヨーク集会」を開催しました。
冒頭の広島市長の挨拶、アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表の挨拶に続いて、タイ・バンコク市、カメルーン・フォンゴトンゴ市及びメキシコ・メキシコシティ市の3都市にリーダー都市認定証の交付を行いました。また、長崎市やノルウェー・フロン市など役員都市や加盟都市から、これまでの実績と今後の取組についての発表がありました。
続いて行ったパネルディスカッションでは、小溝理事長のコーディネートの下、平和NGO代表者が、NPT再検討会議後の核兵器廃絶に向けた法的整備の具体的な取組や核兵器廃絶に向けた市民社会の役割について議論しました。 最後に2020年までの核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた決意を示す「平和首長会議ニューヨークアピール」を採択しました。
4月30日(木)
2015平和首長会議主催ユースフォーラムの開催
平和首長会議の主催により、「2015平和首長会議主催ユースフォーラム」を開催し、「核廃絶!ヒロシマ・中高生による署名キャンペーン」に参加した高校生10名、ナガサキ・ユース代表団の大学生2名、中国新聞ジュニアライター2名、タイ・バンコク市の大学生及びインド・コーチ市の青年(ビデオメッセージによる参加)が、それぞれの平和活動や平和への思いや、核兵器廃絶に向けた取組への決意等を発表しました。
日韓モンゴルNGOワークショプへの出席
「北東アジア非核兵器地帯はグローバルな核ゼロに貢献する」をテーマとする同ワークショップに出席して挨拶を行い、核兵器廃絶の実現には北東アジアの非核兵器地帯化の取組は重要なアプローチであり、平和首長会議と共に力を尽くすよう呼び掛けました。
アダム・シャインマン米国大統領特別代表(核不拡散担当)との面会
米国における安全保障、不拡散、軍備管理分野のキーパーソンの一人であるシャインマン特別代表と面会し、オバマ大統領の広島・長崎訪問の実現や、核兵器禁止条約またはそれと同様の法的枠組みについての議論を進めることを要請しました。シャインマン特別代表は、オバマ大統領の広島訪問については認識していると述べ、核兵器禁止条約については、一つ一つの合意や活動を重ねながら段階的に取り組むことが重要であると述べました。
5月1日(金)
シンシア・ケリー アトミック・ヘリテージ・ファンデーション理事長との面会
マンハッタン計画関係施設の国立歴史公園化を推進してきた同財団のケリー理事長に、長崎市長及び被爆者と共に面会しました。面会では、被爆地としての懸念や意見を伝えるとともに、核兵器の非人道性を伝える展示内容にしてもらいたいとの要望を行いました。これに対しケリー理事長は、今後も被爆地との対話を継続していきたいという意欲を示すとともに、面会の最後には「私たちの真のゴールは、核兵器廃絶だということを訴えたい」と力強く述べました。
2015年NPT再検討会議NGOセッションへの出席
NPT再検討会議の公式プログラムであるNGOセッションでスピーチを行い、核兵器がいかに非人道的で「絶対悪」であるかを各国の政府代表に対し強く訴えました。さらに、世界の為政者に対し、今こそ核兵器廃絶に向けリーダーシップを発揮すべきであると強く呼び掛けるとともに、核不拡散条約(NPT)第6条に規定する核軍縮交渉を誠実に行う義務は全ての締約国にあることに触れ、一刻も早く核兵器禁止条約に関する交渉を始めることの重要性を訴えました。
会長スピーチ 副会長(長崎市)スピーチ