スペイン・グラノラーズ市において第8回理事会を開催し、平和市長会議の今後の取組や平成25年(2013年)の平和市長会議総会の広島開催等について審議・決定するとともに、今後の平和市長会議の運営方法などについて広く意見交換を行いました。
また、2020ビジョンキャンペーン協会運営委員会・役員会に出席して、今後の2020ビジョンキャンペーンの展開について協議しました。
さらに、スイス・ジュネーブ市にある国連欧州本部での被爆に関する常設展示開会式に出席するとともに、記念講演会で講演を行いました。
このほか、都市・自治体連合(UCLG)、赤十字国際委員会(ICRC)、ジュネーブ安全保障政策センターの関係者等と面会し、平和市長会議の取組への協力を要請しました。
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11月8日(火)
グラノラーズ市民との交流行事「平和のための対話」
グラノラーズ市民約50人が出席し、カン・ジョンク平和文化会館で「平和のための対話」と題した交流行事が行われました。松井市長は、挨拶の中で、「広島市民は、痛みに耐え、原爆の犠牲となられた方々の声や思いを胸に、毎日を懸命に生き抜き、広島の街を蘇らせた」と述べました。また、グラノラーズ市にも戦災による悲劇があったことに触れ、2020年までの核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を目指した平和市長会議の取組に賛同し、共に行動していただくよう呼び掛けました。その後、アムネスティインターナショナルなどのNGOから各団体の取組について紹介があり、会場からは、「異なる人種に対する寛容な気持ちが大切」「平和のためには正義が必要」などの意見が出ました。
11月9日(水)
第8回平和市長会議理事会(1日目)
理事会では、(1)「核兵器禁止条約」の交渉開始を求める加盟都市を挙げた市民署名活動の展開、(2)「核兵器のない世界」の実現を促す要請文や声明文等の効果的な発信、(3)加盟都市5,000突破を記念した原爆ポスター展をウィーン市の2012年NPT再検討会議準備委員会に合わせて、また、各加盟都市において開催、(4)2013年に広島で開催予定の総会への各国軍縮大使や国連関係者等の招へい、 (5)平和市長会議の取組に賛同する著名人等を「2020ビジョンキャンペーン大使」に選任する取組を進めることなどを審議、決定しました。
また、(1)理事会開催地を広島市と長崎市に固定すること、(2)平和市長会議運営経費の負担のあり方、(3)平和市長会議地域組織の設立と地域ごとの活動の役割分担等について意見交換しました。今後、特に財政基盤の強化に向け、検討委員会を設立することにし、ハノーバー市で初会合が開催されることになりました。
なお、この理事会の場において、広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」の概要版を配付の上、説明し、2013年の総会において広島県から取組状況の説明を受けることについて了承を得ました。
11月10日(木)
第8回平和市長会議理事会(2日目)
冒頭で、映画「ひろしま」(15分程度)を上映し、多くの役員都市の皆さんから、被爆の実相が良くわかるとの評価をいただきました。
その後、9日の議論を踏まえ、「核兵器廃絶の推進に関する決議文」と「最終コミュニケ」を採択しました。
また、理事会終了後、記者会見を行い、これらを発表しました。
なお、「核兵器廃絶の推進に関する決議文」は、全加盟都市のほか、核保有国、核保有・核開発疑惑国、国連に送付し、「最終コミュニケ」は全加盟都市に送付することにしました。
11月11日(金)
ジュネーブ安全保障政策センター長との面会
ジュネーブ安全保障政策センターを訪れた松井広島市長と田上長崎市長はフレッド・タナー ジュネーブ安全保障政策センター長と面会しました。面会の中で、松井市長は、「被爆に関する常設展示オープニング記念集会に、安全保障政策に関与する外交官や政治家などが大勢出席されることは大変意義深く、また、市民の願いがそうした方々に届くことが重要であり、今後ジュネーブ安全保障政策センターとの連携を図りたい」と述べました。また、機会があれば、ジュネーブ安全保障政策センターの皆さんや関係者の皆さんに広島に来ていただき被爆の実相に触れて欲しい旨を述べ、タナーセンター長からは、広島と連携して平和を構築したいとの発言がありました。
国連欧州本部における被爆に関する常設展示オープニング記念集会での講演
午後から、松井広島市長と田上長崎市長は、ジュネーブ安全保障政策センターで開催された被爆に関する常設展示記念集会に出席しました。集会の中で、松井市長は、「国連欧州本部常設展示に託す思い~ヒロシマ・ナガサキの被爆体験を伝えるために~」と題する講演を行い、被爆後75年間は草木も生えないと言われた広島が今日ここまで復興していること、そして、これは、核兵器廃絶を願う被爆者の思いやこの思いを支持し支援する人々の取組の成果であることを伝え、展示をご覧になった後には是非広島を訪れ、直接被爆の実相に触れていただくよう訴えた。また、田上市長も、「ナガサキ 過去・現在・未来~廃墟からの復興そして輝ける未来へ~」と題した講演を行いました。
天野軍縮会議日本政府代表部特命全権大使との面会
松井広島市長と田上長崎市長は、記念集会の後、天野軍縮会議日本政府代表部特命全権大使と面会し、国連欧州本部における被爆に関する常設展示の実現に多大な尽力をいただいたことに対するお礼を述べ、今後より多くの人に展示を見ていただけるよう協力を依頼しました。また、政治的に中立な立場で核兵器廃絶を訴える広島・長崎の立場を、日本政府の外交に効果的に活用してもらいたい旨を要請しました。
天野大使からは、軍縮大使赴任前に、広島と長崎を訪問し、実際に平和記念資料館や原爆資料館を見学したことは、被爆の実相についての具体的なイメージを持つことができ、非常に有益であった、また、ジュネーブ市には多くの国際機関があり、この度の展示の意義は大きいとの発言がありました。
国連欧州本部における被爆に関する常設展示開会式及びレセプションへの出席
被爆に関する常設展示「核兵器のない世界をめざして(Toward a World Free of Nuclear Weapons)」の開会式では、国連や広島・長崎両市関係者など100人余りの出席者の下、国連欧州本部長の挨拶に続いて松井広島市長と田上長崎市長が挨拶し、テープカットを行いました。挨拶の中で、松井市長は、国連欧州本部での展示が核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けたヒロシマ・ナガサキの取組のさらなる展開の拠点となり、この展示を通して核兵器が人類の生存そのものを脅かす絶対悪であることを認識し、核兵器廃絶に向けて最大限の努力をしていただくよう期待していること、また、この展示が契機となり多くの人が広島を訪れ被爆者の思いに触れてほしい旨を述べました。
式典に参加した国連関係者や一般来場者は、熱心にパネルや被爆資料を見ていました。