北朝鮮、米国、ロシア、インドによるミサイル発射実験に関する声明を発表しました。

2006年7月19日

2006年7月19日

朝鮮民主主義人民共和国等によるミサイル発射実験に関する
平和市長会議による声明文について

 先の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)等によるミサイル発射実験に関し、平和市長会議として抗議の声明を発表し、核兵器のない世界の実現に向け、世界中の全ての国に対し、「誠実な交渉」開始を求めます。

声明文

 7月5日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、発射後爆発した長距離弾道ミサイルテポドン2号を含むミサイル実験を数回実施した。数週間に及ぶ憶測や国際批判を受けて、北朝鮮は、日本に対する直接的な脅威であることは言うまでもなく、アメリカ合衆国に対する明らかな侮辱であるミサイル実験の時期を選定したようである。平和と核兵器廃絶に尽力してきた国際的都市ネットワークである平和市長会議を代表して、我々は非情な威嚇び不当かつ無礼な行動に対し、激しい怒りを表明する。

 この4週間で、4か国がミサイル実験を行った。6月14日、アメリカ合衆国はカリフォルニアにあるヴァンデンバーグ基地から核兵器の搭載可能なミサイルを発射した。このミサイルは6,000マイル飛行し、マーシャル諸島のクゥワジェレイン環礁に着弾した。6月30日、ロシアはトゥラ弾道弾を発射し、バレンツ海から遠く離れたカムチャツカまで飛行した。7月10日、インドは新型長距離ミサイル「アグニⅢ」をオリッサ沿岸から発射したが、標的とした1,800マイルには到達せず、ベンガル湾に墜落した。こうした状況において、北朝鮮のみならずこうした国々にも抗議をするものである。

 折りしもこの4週間は、核兵器に関する国際司法裁判所による勧告的意見が出されて10周年を迎えている時期と一致する。国際司法裁判所は、核保有国が全ての段階において誠実な態度で核軍縮に取組むべきであるとの結論を満場一致で採択した。世界第一の司法機関である国際司法裁判所に敬意を表して、平和市長会議は2020ビジョンキャンペーンを通じ、国家に対し、言動において常に誠実な姿勢で望むことを求める。核軍縮の全ての段階とは、言うまでもなく、いかなる核兵器発射装置の実験、中でも長距離ミサイルを含む。核搭載可能ミサイルの実験は不誠実の証であり、核軍縮に向けた交渉を根本的に覆すものである。実験は核兵器使用の可能性を誇示するものであり、「核兵器の使用・威嚇は一般的に国際法に反する」との国際司法裁判所による見解は核ミサイルの実験にもあてはまる。

 約1,400の平和市長会議加盟都市を代表して、世界中の全ての国に対する我々のThe Good Faith Challenge(仮訳:誠実な交渉チャレンジ)は、核搭載可能ミサイルに関する全ての作業の即時中止と、市民が切望する子供たちのための核兵器のない世界の実現に向けた包括的交渉を遅延なく開始することを要求するものである。