米国の臨界前核実験に対する抗議文を発出しました。

2002年9月27日[米国:18回目の抗議 ]

抗議文

貴国は、9月26日にネバダ州の地下核実験場で19回目の臨界前核実験を実施した。

国際社会が貴国の「イラク攻撃」や「核兵器使用」を憂慮する中、先月に続き臨界前核実験を実施することは、被爆者をはじめ核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを踏みにじるものであり、激しい憤りを覚える。我々は、105か国・地域の532都市が加盟する平和市長会議を代表して、貴国の度重なる暴挙に厳重に抗議する。

イラクに対し核兵器の使用さえほのめかす形で軍事攻撃を強行しようとする貴国の姿勢が、世界における報復の連鎖と力の論理の蔓延をさらに助長することを我々は大いに危惧している。さらに貴国が今月発表した「国家安全保障戦略」は、自衛を口実にした先制攻撃を正当化し、強力な軍事力を誇示することにより「パックス・アメリカーナ」を世界に押し付けようとするものであり、人類滅亡への道をひた走ろうとするとしか思えない貴国の姿勢に対し大きな戦慄を覚える。

貴国が他国やテロ組織への核拡散を恐れるのと同じく、国際社会は貴国の膨大な核兵器の保有及びさらなる開発を憂慮している。核の拡散を防ぐためには、CTBTの早期発効、兵器用核分裂物質生産禁止(カット・オフ)条約の早期締結など、国際社会における協調と監視が重要であり、そのためにも、貴国は一刻も早くCTBTを批准し、一切の核実験を中止するべきである。さらに、NPT再検討会議で採択された「核兵器の全面廃絶に対する核保有国の明確な約束」を誠実に履行する意志を持ち、核兵器のない平和な21世紀の実現に向け、全力を尽くすよう強く要請する。

2002年9月27日

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下

平和市長会議

会 長 広島市長 秋葉 忠利
副会長 長崎市長 伊藤 一長
副会長 コモ市長 ステファノ・ブルーニ
副会長 ハノーバー市長 ヘルベルト・シュマルスティーク
副会長 マラコフ市長 カトリーヌ・マルガテ
副会長 マンチェスター市長 ロイ・ウォルターズ
副会長 モンテンルパ市長 ジェイム・R・フレスネディ
副会長 ボルゴグラード市長 ユーリ・チェーホフ