近年、中東、東アジア、ヨーロッパなど多くの地域で緊張が高まり、世界はますます危険な場所となっています。核兵器が安全をもたらすという誤った言説を耳にすることも増えています。核抑止の概念そのものは、世界を破壊する意思に基づいています。この決意がなければ、相手を抑止することはできません。そして、核抑止論のもう一つの前提条件は理性的な行動です。果たして、現在の指導者たちが常に理性的に行動すると確信できるでしょうか。もし核保有国が相手の核兵器使用の決意を試そうとした場合、つまり「相互確証破壊(Mutually Assured Destruction, 略してMAD)」を引き起こそうとした場合はどうなるでしょうか。
多くの人々が「自分たちを守る」と信じ込まされて核兵器を支持する限り、核軍縮は実現せず、私たちは文明に対する実存的な脅威の下に生き続けることになります。さらに、核兵器計画は、社会福祉のために必要とされる莫大な資金を奪い、より致死性が高く迅速な核兵器システムの建設と維持に費やされるでしょう。核兵器がもたらすものは安全ではなく、80年前の広島と長崎で目の当たりにしたように、死と破壊のみです。核の冬を考えれば、その被害は世界規模に及びます。
では、若い世代は核兵器の影響やリスクについて学んでいるでしょうか。軍縮教育は教育の中で特別な位置を占めるべきです。
多くの国において、地方自治体は主導的な役割を果たしており、そのため子どもや若者を教育する大きな責任を担っています。教育課程の中で、核兵器の影響やリスクといった軍縮問題についても扱われているでしょうか。平和首長会議は、自治体の活動に関する情報を交換するための世界的なフォーラムを提供しており、このプラットフォームを通して、軍縮教育に関しても互いに学び合うことができます。