バイエルン州ウンターフランケンに位置するヴュルツブルク市は、1992年以来、平和首長会議の加盟都市となっています。
原子爆弾投下から80年を記念して、ヴュルツブルク市は平和首長会議の活動に積極的に取り組んでおり、その一環として、2025年8月1日から8月27日まで「都市が沈黙し、子どもたちが語る(When Cities Fall Silent and Children Speak)」というタイトルの展覧会を開催しました。
この展覧会は、力強い写真と希望に満ちたビジョンを組み合わせたもので、過去を思い起こすとともに、平和な未来への訴えとしての役割を果たしました。
展示の内容は二部構成で、一方では、1945年8月6日と9日に米国によって行われた原子爆弾投下後の広島と長崎の被爆の実相を写した22枚のポスターが展示され、もう一方では、「平和なまち」をテーマにした平和首長会議主催のこどもたちによる絵画コンテストの受賞作品25点が市庁舎上階ホワイエに展示されました。
また、来場者が平和の象徴として折ることができるよう、折り鶴も飾られました。
マルティン・ハイリヒ市長は、展覧会の意義と目的を強調し、次のように述べました。
「この展覧会は、核兵器の壊滅的な結果についての認識を高めるとともに、平和への誓いを新たにすることの緊急性を強調しています。」
およそ500人の来場者の一人、42歳のナディーネさんは次のように感想を述べました。
「子どもたちが作品を通して表現した平和への祈りに深く心を動かされました。子どもたちのように、もっと多くの人が率直で誠実に考えることができたなら、世界は今よりずっと平和な場所になると思います。」
また、35歳のアレクサンダーさんは次のように語りました。
「この展覧会は、私の心に深く、そして長く残る印象を与えました。原爆投下の恐怖とその壊滅的な影響という現実と、子どもたちの夢や希望にあふれる作品との間にある鮮烈な対比に心を打たれました。そこに込められた希望は、純粋で尊いものです。緊張が高まる時代だからこそ、私たちはこの希望を手放してはなりません。子どもたちは、あらゆる紛争の場において平和的な解決を追求する必要性を、私たちに改めて思い起こさせてくれます。」
写真:ヴュルツブルク市






