2011年度
開設大学とシラバス
長崎県立大学 科学史
科学史
藤田 祐幸
後期
シーボルト
1年
W101講義室
2
月2
選択
講義
授業概要とテーマ
1945年8月、一瞬にして広島と長崎の市街地を壊滅させた原子爆弾は、核の時代の幕開けを告げるものであった。
この二発の原爆を作るために多くの科学者の頭脳が動員された。彼らは悪魔の科学者であったのだろうか。日本でも組織力の差は歴然たるものであったが、原爆開発計画は敗戦時まで続いていた。
核開発の歴史を、そこに参加した科学者の視点で追うことから始めよう。戦後、核の技術は兵器のみならず、平和利用の名の下に発展を続けた。
平和利用と軍事利用には技術的にどのような境界が存在するのか、日本の原子力政策の歴史を検証することによって明らかにしていく。
到達目標
現在眼前に広がる光景の一つ一つには、それぞれ歴史の積み重ねがあることを、原典資料に直接触れることで確認すること。現在は過去の歴史の結果であり、同時に未来の歴史の始点であることを意識すること。メディアなどの情報に対し個々に判断力を身につけること。
授業計画
<内容>
- 核分裂反応の発見ー女性物理学者リーゼ・マイトナーと共にたどる
- マンハッタン計画(1)亡命物理学者とアメリカ
- マンハッタン計画(2)映画「シャドーメーカーズ」前編
- マンハッタン計画(3)映画「シャドーメーカーズ」後編
- 日本の原爆開発計画
- 広島・長崎の悲劇を避けることは出来なかったのか(1)アメリカの科学者たちの苦悩
- 広島・長崎の悲劇を避けることは出来なかったのか(2)日本の敗戦処理の不手際
- 占領下の原爆被害調査
- 原子力時代の幕開け(1)原子力研究を始めるべきかー学術会議の苦悩と中曽根原子力予算
- 原子力時代の幕開け(2)ビキニ事件と米国工作員の陰謀
- 核燃料サイクル計画と非核三原則ー佐藤栄作のトリレンマ
- 高速増殖炉「もんじゅ」炎上
- エネルギー問題としての原子力
- 放射能問題としての原子力
- 原子力時代を越えて
学生に対する評価
【成績評価の基準】
平成19年度以前入学生
A…80~100点
B…70~79点
C…60~69点
D…59点以下
平成20年度以降入学生
A(秀) …90~100点
B(優) …80~89点
C(良) …70~79点
D(可) …60~69点
F(不可)…59点以下
【成績評価の方法】
講義の中で提供される参考文献をいくつか読んで提出されたレポートにより成績を評価する。
テキスト
テキストは用いない
参考書
参考文献は講義の中で順次紹介する
リンク
長崎県立大学
http://sun.ac.jp/
2011年度シラバス
http://syllabus.sun.ac.jp/syllabus/