2018年度
開設大学とシラバス
東北芸術工科大学 芸術平和学/芸術文化論
芸術平和学/芸術文化論
2
全学共通/大学の理念 必修
1年
抽選 360名
主担当教員 吉田 朗 基盤教育研究センター 教授
副担当教員 古藤 浩
■聴講生・科目等履修生 ■単位互換生の対象科目
科目の目的
本学の建学の理念に謳われた「芸術的創造と、人類の良心によって科学技術を運用する新しい世界観」とは何か。未曾有の震災と原発事故の爪あとが未だ残る東北でこの意味を問いただして行く。
到達目標
① 現代社会を支える科学技術の功罪について、事例を挙げて説明することができる。(40%)
② 社会の平和、幸福につながるような芸術の秘めたる可能性について、事例を挙げて説明するとができる。(40%)
③ 各自の専門分野と『芸術立国』の世界観がどのように結びついて行くかについて語ることができる。(20%)
授業概要・形態
建学の理念にそって二つのことを学んで行く。一つは工学-科学技術の明暗について、もう一つは芸術が現代文明の過ちを問い直す力を有することである。
現代文明は科学技術の恩恵を受けながら進歩を遂げてきた一方、科学技術が持つ計り知れない脅威にも直面している。「そんな現代文明を否定するのではなくて、現代文明の過ちはどこから出発したのか、それを克服するためにはどうすればよいのかを考えなければならない。そのためには、科学技術を徹底して学んで理解し、その本当の姿を人間の手に取り戻す必要がある」(『芸術立国』より)
また、芸術は人間の良心を育み、時にそれを揺さぶり過ちに気づかせる力を秘めている。「21世紀が高度に発達した科学技術を人間の手に取り戻す世紀であるなら、人間の心というものを芸術に置きかえて、科学と芸術をどう結びつける大学をつくるか。つまり、芸術をして科学をコントロールせしめるような教育内容をもった大学とはいったい何だろうか。」(『芸術立国』より)
学びの能力要素
・本質を見ようとする姿勢、純粋な目:想像力(40%)
・想いを形にできる力:創造力(30%)
・問題提起と解決への強い意志:意志(30%)
授業計画
- 4月10日
『芸術平和学』の視点-科学技術と芸術(吉田朗教授)[古藤] - 4月17日
学長が語る「これからの大学・アート・地域のつながり」(中山ダイスケ教授)[吉田、古藤] - 4月24日
クルマ社会の功罪-人と社会とクルマの未来を考える(吉田朗教授)[古藤] - 5月8日
インターネット社会の光と影(古藤浩教授)[古藤] - 5月15日
人工知能は果たして敵か味方か(梶谷通稔特別講師)[吉田、古藤] - 5月22日
エネルギーから考える日本再生の方法(竹内昌義教授)[吉田、古藤] - 5月29日
授業の中間まとめ(レポート課題)(吉田朗教授)[古藤] - 6月 5日
姉妹校・京都造形芸術大学生と語り合う復興と「藝術立国」(田中勝特別講師)[吉田、古藤] - 6月12日
アーティストたちによって蘇った街(吉田朗教授)[古藤] - 6月19日
平和をデザインする(奥本京子特別講師)[吉田、古藤] - 6月26日
ひろしま発、平和に向けたアートプロジェクト(田中勝特別講師)[吉田、古藤] - 7月 3日
地域におけるアートプロジェクト(宮本武典教授)[吉田、古藤] - 7月10日
地球を守る「地球憲章」-「持続可能な発展」からSDGsまで(三浦秀一教授)[吉田、古藤] - 7月17日
「エシカル」という世界観(末吉里花特別講師)[吉田、古藤] - 7月24日
授業の最終まとめ(レポート課題)(吉田朗教授)[古藤]
授業時用品・準備等
授業資料がある場合は毎授業時に配布する。
質問受付
授業終了時に教室で受け付けるほか、NETBUSクラスプロファイルでも随時受け付る。
自己学修
<事前学修>
本授業に関連した事例、トピックなどを自分で調べたり、最新のニュースを注視しなさい。(30分)
<振り返り>
分からなかった内容を復習することはもちろん、興味をもったことはさらに自分で調べてみなさい。(30分)
評価方法
主体的な受講態度(30%)、授業内の課題(70%)
参考書・文献
德山詳直、『藝術立国』、幻冬舎、2012年
奥本京子、『平和を創る-平和学入門』、英宝社、2002年
ヨハン・ガルトゥング・藤田明史、『ガルトゥング平和学入門』、法律文化社、2003年
末吉里花、『はじめてのエシカル-人、自然、未来にやさしい暮らしかた』、山川出版社、2016年
WEBページ等
一般社団法人エシカル協会 http://ethicaljapan.org/
リンク
東北芸術工科大学
http://www.tuad.ac.jp/