2017年度
開設大学とシラバス
東北芸術工科大学 芸術平和学/芸術文化論
芸術平和学/芸術文化論
主担当教員 田中 勝
副担当教員 吉田 朗
1年次配当
抽選科目:300名
2
前期 火曜日 3時限 3b時限
科目の目的
科目の目的:
東北芸術工科大学の建学の理念である「藝術立国」を柱とする「芸術と平和」や「生命の尊さ」を学び、本学で何のために学び、また、クリエーターとして、人間としていかに生きるべきかを各自が思考していきます。また、「想像力」と「創造力」をもって、社会や平和に貢献することができることを学び、志ある価値観を身につけていくことを目的とします。
「想像力=40%」「創造力=20%」「意志=20%」「社会性=20%」
また、本講義は、広島市と長崎市が推進する「広島・長崎講座」(公益財団法人広島平和文化センター発行)に認定(現在、国内48大学、国外21大学の計69大学で開設)されており、平和を希求する大学としての学びの場を展開していきます。
授業の概要
本講義は3部構成にて授業を展開します。第1部では、建学の理念の「藝術立国」に立脚し、「平和と芸術」「戦争と芸術」に関する歴史や「平和学」理論の概要を学びます。
第2部では、「地域・社会における平和創造」について学びます。第3部では、「芸術が果たす平和への役割」について、国内外で活躍するアーティストや研究者を講師に迎え、授業を展開します。
また、第1部から第3部は、横断的に関係性を持ちながら授業を展開します。
授業形態
本講義は3つの章構成にて授業を展開します。第1章では、建学の理念の「藝術立国」に立脚し、「平和と芸術」「戦争と芸術」に関する歴史や「平和学」理論の概要を学びます。第2章では、「地域・社会における平和創造」について学びます。第3章では、「芸術が果たす平和への役割」について、国内外で活躍するアーティストや研究者を講師に迎え、授業を展開します。また、第1章から第3章は、横断的に関係性を持ちながら授業を展開します。
授業形態は、主として【講義】形式で進められますが、講師によっては【ワークショップ】形式によるグループワークやディスカッションが中心となる回もあります。
※講義日程、内容、担当講師は、都合により前後または変更することがあります。
授業計画
第1章:「建学の理念と『芸術と平和』」
- 4月11日
ガイダンス&「藝術立国」について/田中勝(吉田) - 4月18日
根岸吉太郎(吉田) - 4月25日
ナチのプロパガンダ・ポスターとデザイナー/坂東慶一(吉田) - 5月9日
2つのソウゾウリョク(想像力/創造力)と芸術/宮島達男(吉田)第2章:「地域・社会における平和創造」
- 5月16日
コンテンポラリー・ダンスと平和行動/フィリップ・シェエール(田中) - 5月23日
地雷・小型兵器・子ども兵・平和教育「こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した」/鬼丸昌也(田中) - 5月30日
振り返り・ワーク:ミニレポート/吉田朗 - 6月 6日
姉妹校・京都造形芸術大学生と語り合う復興と「藝術立国」/田中勝 - 6月13日
コミュニティデザインが地域に果たす役割/山崎亮(吉田) - 6月20日
エシカル・ブランドがつくりだす世界/末吉里花(田中) - 6月27日
「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」より(仮称)/宮本武典(吉田)第3章:「芸術が果たす平和への役割」
- 7月 4日
平和のアーティスト作品&ワークショップ/田中勝 - 7月11日
現代美術(彫刻)と平和:チェルノブイリからサン・チャイルドまで/ヤノベケンジ(吉田) - 7月18日
Music & Peace/漆戸啓(カズン)(田中) - 7月25日
振り返り・まとめ:最終レポート/吉田朗、田中勝
授業時用品・準備等
授業資料がある場合は毎授業時に配布する。
質問受付:授業終了時に教室で受け付ける
自己学修(事前学修・振り返り)
◆事前学修
各回のテーマについて、シラバスに掲載された【参考書籍・文献、参考WEBページ】等を参考に調べ、事前学修をする。(60分)
◆振り返り
- 授業での「気づき」と「学び」をまとめて、ミニレポート及び最終レポートで集約できるようにしておくこと。(30分)
- 各講師の講義を聞き、興味関心をもった事柄について、調査をする。(30分)
到達目標
学部4年間のスタートの講義にあたり、「本質を見ようとする姿勢、純粋な目:想像力」を獲得することが、今後の学びのベースとなるため、最大の到達目標値とし、具体的には下記の7項目(①~⑦)を到達項目とします。
◆本質を見ようとする姿勢、純粋な目:想像力(40%)
- 建学の理念の「藝術立国」について自分の言葉で語ることができる。
- 2つのソウゾウリョク(想像力と創造力)について語ることができる。
- 平和学の分野の人物について語ることができる。
- 「平和のアーティスト」の名前を上げ、内容を語ることができる。
◆想いを形にできる力:創造力(20%)
- 自分の専門分野と平和学の関係を語ることができる。
◆問題提起と解決への強い意志:課題探究力(紛争転換(トランセンド)力)(20%)
- 紛争(コンフリクト)を解決するために必要なことは何かを語ることができる。
◆人と社会への積極的協調・実践:コミュニケーション能力(20%)
- 「芸術平和学」的視点で自ら平和の発信者として語ることができる。
評価方法
「ミニレポート」「最終レポート」「取り組み姿勢」「受講態度」
参考書・参考文献
<教科書>
『藝術立国』
(德山詳直著,幻冬舎)
『「宮島達男 解体新書」すべては人間の存在のために』
(宮島達男著,Akio Nagasawa Publishing)
『柿の木の物語 長崎で被爆した柿の木とその子どもたちが教えてくれる大切なこと』
(「時の蘇生・柿の木プロジェクト」実行委員会編,Akio Nagasawa Publishing)
『平和ワークにおける芸術アプローチの可能性:ヨハン・ガルトゥングによる朗読劇Ho'o Pono Pono: Pax Pacificaからの考察』
(奥本京子著,法律文化社)
<参考書・文献>
『ガルトゥング平和学入門』
(ヨハン・ガルトゥング+藤田明史編著,法律文化社)
『暴力についてのセビリア声明 戦争は人間の本能か』
(デービッド・アダムズ編,平和文化)
『みんながHappyになる方法―関係をよくする3つの理論』
(平和教育アニメーションプロジェクト編,平和文化)
『BOOKS ON JAPAN 1931-1972 日本の対外宣伝グラフ誌』
(森岡督行著,ビー・エヌ・エヌ新社)
『僕が学んだゼロから始める世界の変え方』
(鬼丸昌也著,扶桑社)
『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した』
(鬼丸昌也著,こう書房)
『テラ・ルネッサンスⅠ 一人ひとりに未来を創る力がある』
(田原実著,西原大太郎イラスト,インフィニティ)
『テラ・ルネッサンス Ⅱ 鬼丸昌也さんの挑戦』
(田原実著,西原大太郎イラスト,インフィニティ)
『コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる』
(山崎亮著,学芸出版社)
『コミュニティデザインの時代 - 自分たちで「まち」をつくる』
(山崎亮著,中央公論新社)
『ふるさとを元気にする仕事』
(山崎亮著,筑摩書房)
『ヤノベケンジ ULTRA』
(ヤノベケンジ著,青幻舎)
『新装版 ヤノベケンジ作品集 YANOBE KENJI 1969-2005』
(ヤノベケンジ著,青幻舎)
『トらやんの世界 ラッキードラゴンのおはなし』
(ヤノベケンジ著,サンリード)
<WEBページ>
一般社団法人エシカル協会 http://ethicaljapan.org/
認定NPO法人テラ・ルネッサンス http://www.terra-r.jp/
リンク
東北芸術工科大学
http://www.tuad.ac.jp/