2021年度
開設大学とシラバス
東京電機大学 科学技術と現代社会
科学技術と現代社会
Science and Technology in Modern Society
後期
2
(先頭者が主担当)
田中 浩朗
目的概要
技術者教養科目の一つである本科目では,技術者に必要な教養として科学技術が関わる現代の社会問題について学びます。特に,今年度は人類に対する重大な脅威であり続けている核兵器問題を事例として取り上げ,その歴史をたどりつつ多面的に考察します。そうした知識は,これからの科学技術のあり方や科学者・技術者の生き方について深く考える上で参考になるでしょう。
また,この科目では,単に授業で知識を学ぶだけでなく,授業で学んだことに関連するテーマについて他の受講者と議論を行います。きちんとした議論を行うスキルは,知的な職業人(技術者を含む)にとって必須のものですが,この科目では議論の仕方を身につけることをも目指します。
【授業形態】講義
達成目標
1. 【内容面】科学技術が関わる現代の社会問題(主に核兵器問題)を題材として「科学技術と人間・社会との関わり」を多面的に理解し,それをもとに科学技術のあり方や科学者・技術者の生き方について考えを深め,その内容を表現することができる。
2. 【スキル面】他者の意見に応答する形で,議論を深めるようなディスカッションを文章や口頭で行うことができる。
関連科目
本科目の姉妹科目に「科学と技術の社会史/科学の社会史」があります。なお,「科学技術と現代社会」と「科学と技術の社会史/科学の社会史」はともにスキル面の訓練を行うため,別の学期に連続して継続的に受講することで訓練効果が最大化されます。同一学期に両科目を受講することは推奨しません。
履修条件
なし
教科書名
なし
参考書名
議論の仕方に関する参考書:
G. Graff & C. Birkenstein,They Say / I Say,4th ed. (W. W. Norton, 2018)
*この参考書は本学図書館で閲覧できます。
*その他の参考書は,TanaClassなどで紹介ます。
評価方法
・達成目標1が50%,2が50%
・平常点(授業参加,オンライン教材の利用,課題の提出,議論への参加等):期末レポート=6:4
*本科目では,登校指定日でも遠隔受講は可能であり,遠隔で受講すれば対面受講と同様に平常点に加算します。受講者の授業参加状況は,MARCOシステム(教室のカードリーダーと連動)およびZoomの入室・退室時刻のデータで判断します。
学習・教育目標との対応
(B)技術者倫理を修得する。
DPとの対応(2017年以降入学者用)
【工学部、未来科学部、システムデザイン工学部】DP4
事前・事後学習
・TanaClassなどを利用して予習・復習を行う。
・課題の提出物を作成し,TanaClassのブログに投稿する。
・TanaClassで授業参加者間でのコミュニケーションを行う。
アクティブラーニングの実施
・文章や口頭でのディスカッション。
ICTの活用
・Zoomを用いた同時双方向的授業。
・TanaClassを用いた教材や参考情報の提供と課題の提出。
・TanaClassのブログや個人掲示板機能を用いた授業参加者間のコミュニケーション。
実践的教育科目
(該当しない)
自由記載欄
・TanaClassには,本科目の受講に必要な資料・情報が集約されています。毎週新たな教材が公開されますので,定期的にチェックしてください。
・Zoomを使ったハイフレックス型授業では,基本的にカメラとマイクを共にオフにして参加してもらいます。
・各回の講義テーマや授業の進め方は,一部変更する可能性があります。
テーマ・内容
- ガイダンス
・本科目の目的・達成目標,テーマ・内容,授業の進め方,成績評価方法などについて。
【事前学習】(30分〜)
・シラバスをプリントアウトした上で,筆記用具で重要な箇所に印を付けながら丁寧に読み,その内容をしっかりと理解する。また,ガイダンスの授業で質問したいことを考えておく。
・シラバスの「遠隔授業アクセス方法」欄に掲載された情報をもとにTanaClassのユーザー登録を行う。
【事後学習】(30分〜)
・シラバスやTanaClassを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ①原爆構想の始まり
・1938年末のウランの核分裂発見以降,原子爆弾製造の可能性を思いついた科学者たちの考えと行動,ならびにその時代背景について。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ②マンハッタン計画
・第二次世界大戦中のアメリカの原爆開発計画(マンハッタン計画)と,それに関わった科学者たちの考えと行動,ならびに機密保持をめぐる科学者と軍人・政治家との対立について。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - 講義に関連したディスカッション(第1回)
・テーマ①②の講義に関連したテーマで,ブログを用いてディスカッションを行う。可能であれば,教室で対面のディスカッションを行う。反転授業に該当する。
【事前学習】(20分〜)
・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
【事後学習】(40分〜)
・ブログでディスカッションを続ける。
・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ③原爆使用をめぐる科学者の議論
・マンハッタン計画に従事した科学者たちが,原爆使用にともなう政治的・社会的問題に関してどのように考え行動したかについて。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ④原爆投下決定と外交
・第二次世界大戦末期にアメリカの政治指導者は日本に対する原爆使用についてどのように考え,行動したかについて。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - 講義に関連したディスカッション(第2回)
・テーマ③④の講義に関連したテーマで,ブログを用いてディスカッションを行う。可能であれば,教室で対面のディスカッションを行う。反転授業に該当する。
【事前学習】(20分〜)
・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
【事後学習】(40分〜)
・ブログでディスカッションを続ける。
・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ⑤原爆被害情報のコントロール
・原爆被害の情報が日米政府によっていかに収集され,利用されたか,それが被爆者の治療や援護とどのような関係をもったかについて。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ⑥冷戦下の核実験と新たな被ばく者
・冷戦下で続けられた核実験とそれによって生じた新たな被ばく者(核実験参加兵士,核実験場周辺住民,人体実験被験者)について。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - 講義に関連したディスカッション(第3回)
・テーマ⑤⑥の講義に関連したテーマで,ブログを用いてディスカッションを行う。可能であれば,教室で対面のディスカッションを行う。反転授業に該当する。
【事前学習】(20分〜)
・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
【事後学習】(40分〜)
・ブログでディスカッションを続ける。
・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ⑦核の拡散と国際管理
・第二次世界大戦後の核兵器の拡散,およびそれを防ぐための国際管理体制について。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - テーマ⑧核と日本人
・核と日本人の矛盾した関係について(核を否定する日本人と核に依存する日本人)。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して予習を行う。
【事後学習】(40分〜)
・TanaClassなどを利用して復習を行う。
・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。 - 講義に関連したディスカッション(第4回)
・テーマ⑦⑧の講義に関連したテーマで,ブログを用いてディスカッションを行う。可能であれば,教室で対面のディスカッションを行う。反転授業に該当する。
【事前学習】(20分〜)
・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
【事後学習】(40分〜)
・ブログでディスカッションを続ける。
・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。 - 振り返り
・今学期の自らの学び全体を振り返り、期末レポートを作成する。
【事前学習】(20分〜)
・TanaClassなどを利用して自らの学びの過程と成果を確認する。
【事後学習】(40分〜)
・これまでの学習の総仕上げとして,期末レポートを作成し,TanaClassで提出する。
質問への対応(オフィスアワー等)
授業中や授業後のほか,オフィスアワーで対応します。また,電子メールでも受け付けます。 オフィスアワー:金曜日14:00〜15:00(4号館9階40913A)
履修上の注意事項(クラス分け情報)
人間科学科目は、各クラス定員が設けられています。定員を超える申請が
あった場合は優先順位に従い、抽選を行います。
定員・優先順位はホームページの「履修の手引き(千住キャンパス共通)」にある、
各学部の「人間科学科目の履修に関する注意事項」を確認してください。
また、1年次の学生が履修できる時限は以下のとおりです。
月曜2限:EJ、EH、ES、FA、FI、FR
金曜2限:EK、EF、EC、AJ、AD
指定された時間帯以外の科目は履修できませんので、注意してください。
履修上の注意事項(ガイダンス情報)
なし
学習上の助言
この科目では,たとえ対面授業が再開されても,2020年度にコロナ禍のもとで一気に進んだICT(情報通信技術)の教育利用を後退させず,むしろ発展させることを目指しています。ICTを活用することで,学校教育は個々の受講者のニーズやその時々の社会状況(感染症や災害による緊急事態など)に対してより柔軟に対応できるようになりました。受講者のみなさんには,TanaClassに集約されたICTツールを最大限に活用して自分に合った仕方で学習を進めてほしいと思います。
【重要な注意事項(必ず読んでください)】
・「この科目の単位を落とすと卒業(進級)できなくなる」等という理由での成績評価に関わる特別扱いは一切行いません。成績評価に関する異議申し立ての際には,自らの見解を具体的な根拠(客観的なデータを含む)とともに書面に記して提出してください。ただし,新型コロナウイルス感染症による諸般の事情を考慮し,提出期限や提出方法などに関しては受講者の個別の事情に応じて柔軟に対応します。定められた期限や方法を守れない事情があれば,教員に相談してください。
・剽窃(盗作)は絶対にしてはいけません。提出物に剽窃(「意図しない剽窃」を含む)が見られた場合は,本科目成績の減点または単位没収となることがあります。自分が書いた提出物に「意図しない剽窃」があるのではないかと心配なときは,提出前に遠慮なく教員まで相談してください。
リンク
東京電機大学
http://web.dendai.ac.jp/