開設大学とシラバス

東京電機大学 科学技術と現代社会

1 年度

2019年度

2 科目名

科学技術と現代社会
Science and Technology in Modern Society

3 開講学期

前期

4 単位数

2

5 担当教員(先頭者が主担当)

田中 浩朗

目的概要

・現代の科学技術は,社会に大きな影響を与えています。社会問題の解決に役立つ場合も多いのですが,逆に新たな社会問題を引き起こすこともあります。現代の技術者は,仕事をしていく中で社会問題に対応しなければならない場合があります。
・科学技術が関わる社会問題にはどのようなものがあるのか? そのような社会問題の原因は何か? 科学技術が関わる社会問題の解決に技術者はどのように貢献できるのか? 本科目は,こうしたことを考えたい人におすすめです。
・また,技術者がこれからの社会で活躍するには,コミュニケーション力などの対人関係スキルが高いレベルで要求されると予想されます。グループワークを重視する本科目は,そうした対人関係スキルを高めたい人にもおすすめです。

【本科目の目的】
・科学技術が関わる現代の社会問題について学びます。講義では,核兵器問題を事例として取り上げ,詳しく議論します。
・それにより「科学技術と人間・社会との関わり」を理解し,「科学技術者として,また良識ある社会人として必要な教養,キャリア意識,倫理観」を身につけることを目指します。
・グループディスカッションを行い,コミュニケーションやチームワークのスキルを高めます。

【授業形態】講義

達成目標

1. 科学技術が関わる現代の社会問題(主に核兵器問題)を題材として「科学技術と人間・社会との関わり」を多面的に理解し,それをもとに科学技術のあり方や科学者・技術者の生き方について考えを深め,表現することができる。
2. 他者の意見に応答する形で,議論を深めるようなレポートを執筆することができる。
3. 仲間と協力して,議論を深めるような話し合いを行うことができる。

関連科目

科学と技術の社会史

履修条件

なし

教科書名

なし

参考書名

討論と執筆に関する参考書: [3]アレキシス・ウィギンズ(吉田新一郎訳)『最高の授業——スパイダー討論が教室を変える』 (新評論,2018年)
[4]G. Graff & C. Birkenstein,They Say / I Say,4th ed. (W. W. Norton, 2018)
*その他の参考書は,WebClassなどで紹介します。
*[1][2]は教科書販売所で購入可。[3][4]は図書館で閲覧可(予定)。

評価方法

・達成目標1が50%,2が20%,3が30%
・中間レポートが30%,期末レポートが30%,各回ディスカッションレポート(全11回を予定)が40%
*中間レポートのテーマは核兵器問題に限りますが,期末レポートのテーマは核兵器問題以外の「科学技術が関わる現代の社会問題」を扱うことも可とします。

参考:2018年度前期成績分布(3クラス合計,放棄を除く受講者97名):
S=13%, A=19%, B=15%, C=35%, D=18%

学習・教育目標との対応

(B)技術者倫理を修得する。

DPとの対応(2017年以降入学者用)

【工学部、未来科学部、システムデザイン工学部】DP4

事前・事後学習

・WebClassや参考文献を利用して予習・復習を行う。
・レポート作成の準備(テーマ設定,情報収集,構想メモ作成など)を行う。
・本科目のテーマに関連した読書を行う。

自由記載欄

【WebClass】 ・WebClassで授業関係の参考資料や情報を提供・共有します。定期的に(週に最低1回)はチェックしてください。

【負荷(単位取得のために必要な労力)】
1. 各回授業の最後にディスカッションレポートを提出する(全11回を予定。特に最終回のものは重要。出席しないと提出できない)。分量は各回A4用紙1枚(手書き)。
2. 中間レポートと期末レポートを提出する(ワープロソフトで作成)。それぞれ800字以上。基本的に授業中(第7回と第13回)に執筆。
3. 中間レポートと期末レポートの準備のため,授業時間外に合計10時間程度必要(テーマ設定,情報収集,構想メモ作成など)。毎週少しずつ(例えば1時間ずつ)進めると,締切前の負担は少なくて済む。
4. 科目のテーマに関連した読書(必須ではないが,強く推奨)。例えば,毎日10ページ程度,あるいは学期中に3冊程度。読書は,授業でのディスカッションやレポートの執筆に役立つ。

【アクティブラーニング】
・ほぼ毎回の授業でのグループディスカッション。

【ICTの活用】
・WebClassを用いた教材や情報の提供・共有とレポートの提出。

【反転学習】
・第14回授業で,事前に各自で今学期全体の復習を行っておき,授業中に振り返りのディスカッションを行う。

テーマ・内容

  • ガイダンス
    ・本科目の目的・達成目標,テーマ・内容,授業の進め方,成績評価方法などについて。

    【事前学習】(30分)
    ・シラバスを丁寧に読み,その内容を理解する。また,よく理解できないところを明確にする。
    【事後学習】(120分)
    ・シラバスやWebClassを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行うため,本を探す。
  • 原爆構想の始まり
    ウランの核分裂発見以降,原子爆弾製造の可能性を思いついた科学者たちの考えと行動,ならびにその時代背景について。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • マンハッタン計画
    マンハッタン計画,特にそれに関わった科学者たちの考えと行動,ならびに機密保持をめぐる科学者と軍人・政治家との対立について。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 原爆使用をめぐる科学者の議論
    マンハッタン計画に従事した科学者たちが,原爆使用にともなう政治的・社会的問題に関してどのように考え行動したかについて。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 原爆投下決定と外交
    第二次世界大戦末期にアメリカの政治指導者は日本に対する原爆使用についてどのように考え,行動したかについて。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 原爆による被害
     広島・長崎に投下された原爆による被害,特に人間に対する物理的・社会的被害について。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 中間レポート作成
    ・中間レポートを執筆する。レポートのテーマは,第2回から第6回の講義内容に関連するもので,本科目の達成目標1を実現するようなもの。

    【事前学習】(120分)
    ・これまでの講義やディスカッションレポートを復習する。
    ・テーマ設定,情報収集,構想メモ作成などの準備をしておく。ラフな草稿を作成しておいてもよい。
    【事後学習】(120分)
    ・中間レポートを完成させる。
  • 原爆被害情報のコントロール
     原爆被害の情報が日米政府によっていかに収集され,利用されたか,それが被爆者の治療や援護とどのような関係をもったかについて。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 冷戦下の核実験と新たな被ばく者
    冷戦下に続けられた核実験とそれによって生じた新たな被ばく者(核実験参加兵士,核実験場周辺住民,人体実験被験者)について。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • アメリカ人の原爆観
    アメリカ人の原爆観とその背景および変化について(スミソニアン原爆展論争ほか)。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 科学者による核兵器反対運動
    第二次大戦後,核兵器に反対した科学者(オッペンハイマー,ロートブラット,湯川秀樹)について。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 核の拡散と国際管理
    第二次大戦後の核兵器の拡散,およびそれを防ぐための核不拡散条約(NPT)体制について。

    【事前学習】(60分)
    ・WebClassや参考文献を利用して予習を行う。
    【事後学習】(180分)
    ・WebClassや参考文献などを利用して復習を行う。
    ・本科目のテーマに関連した読書を行う。
  • 期末レポート作成
    ・期末レポートを執筆する。レポートのテーマは,第8回から第12回の講義内容に関連するものか,または核兵器問題以外の「科学技術が関わる現代の社会問題」に関連すもので,本科目の達成目標1を実現するようなもの。

    【事前学習】(120分)
    ・これまでの講義やディスカッションレポートを復習する。
    ・テーマ設定,情報収集,構想メモ作成などの準備をしておく。ラフな草稿を草稿を作成しておいてもよい。
    【事後学習】(120分)
    ・期末レポートを完成させる。
  • 振り返り
    ・今学期の自分(たち)の学び全体を振り返る。

    【事前学習】(240分)
    ・これまでのディスカッションレポート,中間レポート,期末レポートを読み返し,自らの学びの過程と成果を確認する。

質問への対応(オフィスアワー等)

授業中や授業後のほか,オフィスアワーで対応します。また,電子メールでも受け付けます。 オフィスアワー:金曜日14:00〜15:00(4号館9階40913A)  

履修上の注意事項(クラス分け情報)

人間科学科目は、各クラス定員が設けられています。定員を超える申請が あった場合は優先順位に従い、抽選を行います。

定員・優先順位はホームページの「履修の手引き(千住キャンパス共通)」にある、 各学部の「人間科学科目の履修に関する注意事項」を確認してください。

履修の手引き:https://www.dendai.ac.jp/about/campuslife/risyuu/tokyo_senju/

また、1年次の学生が履修できる時限は以下のとおりです。
 月曜2限:EJ、EH、ES、FA、FI、FR
 金曜2限:EK、EF、EC、AJ、AD
指定された時間帯以外の科目は履修できませんので、注意してください。 

履修上の注意事項(ガイダンス情報)

・第1回授業で班分けを行います。
・やむを得ない事情で欠席する場合は,第2回授業までに教員にメールで連絡してください。教員から班分け結果について連絡します。 

学習上の助言

【重要な注意事項(必ず読んでください)】
・「この科目の単位を落とすと卒業(進級)できなくなる」等という理由での成績評価に関わる特別扱いは一切行いません。成績評価に関する異議申し立ての際には,自らの見解を具体的な根拠(客観的なデータを含む)とともに書面に記して提出してください。
・剽窃(盗作)は絶対にしてはいけません。提出物に剽窃(「意図しない剽窃」を含む)が見られた場合は,本科目成績の減点または単位没収となることがあります。剽窃について理解が不十分だと思う人は次のサイトを参考にしてください。
赤江雄一「剽窃について」(YouTube,9分)
慶応義塾大学日吉メディアセンター「引用について理解する」
自分が書いた提出物に「意図しない剽窃」があるのではないかと心配なときは,提出前に遠慮なく教員まで相談してください。

リンク

東京電機大学
http://web.dendai.ac.jp/

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