開設大学とシラバス

東京電機大学 科学技術と現代社会

1 年度

2017年度

2 科目名

科学技術と現代社会
Science and Technology in Modern Society

3 担当教員

田中 浩朗

4 開講学期

後期

5 単位

2

6 曜日・時間

金曜日 2限

目的概要

科学技術が関わる現代社会の諸問題を多面的に考察することにより,科学技術と人間・社会との関わりを理解し,良識ある社会人として,また人としても優れた科学技術者として必要な教養と倫理観を身につけることを目的とします。今年度は,「核兵器」をテーマとして設定し,多面的に考察します。なお授業では,理解の助けとなるようビデオを多用します。
【授業形態】講義

達成目標

1.「核兵器の可能性が生まれてから今日に至るまでの歴史の中で,それに関わった人々は何を考え,どのように行動したか,またその行動がどのような結果をもたらしたか」を理解し,理解度を確認する問いに正しく答えることができる。
2. 本科目受講の際,「良識ある社会人として,また人としても優れた科学技術者として必要な教養と倫理観を身につけること」をできる限り意識し,本科目で学んだことと自らの教養や倫理観の変化を関連付けて述べることができる。
3.「科学技術が関わる現代社会の諸問題」に対する自らの関心を深めるとともに,この分野の知識の幅を広げるため,自分に合った多様な本を選び,それらの本を楽しんで読むことができる。  

関連科目

科学の社会史,技術の社会史,科学と技術の社会史,技術者倫理,情報倫理,地球環境論

履修条件

なし 

教科書名

なし

参考書名

山崎正勝・日野川静枝編著『原爆はこうして開発された』増補版(青木書店,1997年,本体2500円)
木村朗・高橋博子編著『核時代の神話と虚像』(明石書店,2015年,本体2800円)
その他の参考書は,授業サイトなどで紹介します。

評価方法

以下の5つの評価手段をもとに,達成目標がどれだけ達成されたかという観点から,評価を行います。なお,( )内は評価の際の比重です。
1. 中間学力考査(30%):達成目標1に対応。
2. 期末学力考査(40%):達成目標1に対応。
3. 小テスト(15%):達成目標1に対応。
4. 振り返りシート(15%):達成目標2に対応。
5. 読書記録シート(ボーナス点,上限10%):達成目標3に対応。

学習・教育目標との対応

(B)技術者倫理を修得する。

DPとの対応(2017年以降入学者用)

【工学部(ES以外)、未来科学部、システムデザイン工学部】DP4
【工学部ES】DP5

事前・事後学習

以下は,教員が受講者に期待している標準的な学習方法と学習時間です。
【準備】 授業スライドのプリントアウト,教員が配布した資料,自分で入手した資料などを綴じるためのファイルを用意する。
【予習(各回20分)】 授業サイトで次回の授業のテーマ・内容を確認する。サイトに掲載されている授業スライドをプリントアウトし,下線やメモを書き込みながら読んでおく。小テストを受験し,講義において注意して聞くべきポイントをあらかじめ把握する。分からない用語等があれば,調べておく。
【授業(各回90分)】 予習時に利用したプリントアウトや受講ノートにメモを書き込みながら聴講する。「振り返りシート」に書くべきことが思い付いたら,それもメモする。授業終了時に,特に印象に残ったこと,感想,質問などを「振り返りシート」に記入して提出する。
【復習(各回40分)】
①予習・授業時に利用したプリントアウトや受講ノートをもとに,受講ノートの整理を行う。疑問点やさらに知りたいことは,まず自分で調べる。それで分からない場合は,授業サイトの掲示板などで教員に質問する。
②授業サイトで受けることのできる小テストを受験する。小テストは,単に授業で扱った事柄を確認するだけでなく,授業では扱えなかった情報を提供する場でもあるので,必ず受験し,その解説を通して理解をさらに深める。
【発展(毎週合計120分)】この分野を学ぶことに高い意欲をもっている受講者は,教員から提供された文献リスト(授業サイトに掲載)を参考にして自分の興味関心に沿った本を選び,毎日少しずつ(例えば20分ずつ)読む。1冊読み終わるごとに,「読書記録シート」(授業で配布)に感想などを記入し,各回の授業終了時に随時提出。

自由記載欄

●授業サイト https://sitetanaka.net/
Moodleというオンライン学習支援システムを用いて,この科目に関係する様々なコンテンツを提供します。
●これまでの授業アンケート結果
これまでの授業アンケート結果(2012年度以降)と教員からの所見票(受講者の感想・意見等を含む,2015年度以降)は, http://evaluation.soe.dendai.ac.jp/において「科学技術と現代社会」でキーワード検索すると閲覧できます。これまでの受講者の感想や意見を参考にしてください。

テーマ・内容

  • ガイダンス
    この授業の目的,テーマ,学習の進め方,成績評価方法などについて。授業サイトへの登録方法も簡単に説明します。ガイダンス後,自分でユーザー登録して,すぐに授業サイトを利用し始めることができます。
    【事前学習】シラバスをよく読む。もし不明な点があれば,ガイダンスで質問できるようにメモを用意する。(10分)
    【事後学習】初回配布用シラバスをよく読む。授業サイトでユーザー登録を行い,授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。(30分)
  • 原爆構想の始まり/授業サイトへの登録
    ウランの核分裂発見以降,原子爆弾製造の可能性を思いついた科学者たちの考えと行動,ならびにその時代背景について。また,授業冒頭で,授業サイトへの登録方法とその使い方をやや詳しく説明します。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分)  
  • マンハッタン計画
    マンハッタン計画,特にそれに関わった科学者たちの考えと行動,ならびに機密保持をめぐる科学者と軍人・政治家との対立について。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分) 
  • 原爆使用をめぐる科学者の議論
    マンハッタン計画に従事した科学者たちが,原爆使用にともなう政治的・社会的問題に関してどのように考え行動したかについて。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分)
  • 原爆投下決定と外交
    第二次世界大戦末期にアメリカの政治指導者は日本に対する原爆使用についてどのように考え,行動したかについて。特にアメリカの対ソ外交という観点から考察。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分)
  • 原爆による被害
    広島・長崎に投下された原爆による被害,特に人間に対する物理的・社会的被害について。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分) 
  • 原爆被害情報のコントロール
    原爆被害の情報が日米政府によっていかに収集され,利用されたか,それが被爆者の治療や援護とどのような関係をもったかについて。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分)
  • 中間学力考査および解説
    本講義の達成目標1の達成度を評価するための学力考査と解説を行います。
    【事前学習】受講ノートや授業サイトのコンテンツなどを用いて本講義全体の復習を行い,学力考査に備える。(150分)
    【事後学習】学力考査で自分が誤って解答した箇所を復習する。(30分) 
  • 冷戦下の核実験と新たな被ばく者
    冷戦下に続けられた核実験とそれによって生じた新たな被ばく者(核実験参加兵士,核実験場周辺住民,人体実験被験者)について。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分) 
  • アメリカ人の原爆観
    1995年前後のスミソニアン原爆展論争や最近のアメリカ人映像作家の作品から,アメリカ人の原爆観とその変化を考察。また,これまで一般的だった原爆観の背景としてアメリカ政府の宣伝を検討。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分)   
  • 科学者による核兵器反対運動
    第二次大戦後,核兵器に反対した科学者(オッペンハイマー,ロートブラット,湯川秀樹)について。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分) 
  • 核の拡散と国際管理
    第二次大戦後の核兵器の拡散,およびそれを防ぐための核不拡散条約(NPT)体制について。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分)
  • 核と日本人
    核と日本人の矛盾した関係を,核の「平和」利用の役割に注目しつつ考察。
    【事前学習】授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して予習を行う。(20分)
    【事後学習】受講ノートの整理を行う。授業サイトのコンテンツ(授業スライドや小テストなど)を利用して復習を行う。授業に関連のある本を毎日少しずつ読む。(160分)    
  • 核兵器の違法化をめぐって/振り返り
    核兵器禁止条約などをめぐる現状について。また,本科目で学んだことを講義やアンケートなどによって振り返ります。
    【事前学習】受講ノートや読書記録シートなどを用いて,本講義全体で自分は何を学んだのかについて振り返る。(180分)      
  • 学力考査および解説  
    本講義の達成目標の達成度を評価するための学力考査と解説を行います。
    【事前学習】受講ノートや授業サイトのコンテンツなどを用いて本講義全体の復習を行い,学力考査に備える。(150分)
    【事後学習】学力考査で自分が誤って解答した箇所を復習する。(30分)   

質問への対応(オフィスアワー等)

授業中や授業後のほか,オフィスアワーで対応します。また,電子メールでも受け付けます。
オフィスアワー:金曜日13:30〜14:30(4号館9階40913A)  

履修上の注意事項(クラス分け情報)

人間科学科目は、各クラス定員が設けられています。定員を超える申請が あった場合は優先順位に従い、抽選を行います。

定員・優先順位はホームページの「履修の手引き(千住キャンパス共通)」にある、 各学部の「人間科学科目の履修に関する注意事項」を確認してください。

履修の手引き:http://web.dendai.ac.jp/registration/class-course/

また、1年次の学生が履修できる時限は以下のとおりです。
 月曜2限:EE(EJ/EH)、ES、FA、FI、FR
 金曜2限:EM(EK/EF)・EC・AJ・AD
指定された時間帯以外の科目は履修できませんので、注意してください。  

履修上の注意事項(ガイダンス情報)

第1回ガイダンスで,UNIPA掲載のものより詳細な「初回配布用シラバス」を配布します。また,授業サイトへの登録方法の説明も行います。履修を希望する人は必ず出席してください。  

学習上の助言

1.授業サイト(https://sitetanaka.net)には,受講者のみなさんがこの講義を通じて主体的に学習を進める上で役に立つ情報をたくさん掲載するつもりです。是非活用してください。やむを得ずガイダンスに出席できなかった場合は,必ず自分から教員にメール等で尋ねて授業サイトを活用できるようにしてください。
2.大学の授業は,広い世界について学ぶための一つの入口にすぎません。その先へと進むには,本をたくさん読むことが大切です。読書を通じて自らの教養を深め,また広めることを心がけてください。

リンク

東京電機大学
http://web.dendai.ac.jp/

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