2016年度
開設大学とシラバス
東京電機大学 科学技術と現代社会
科学技術と現代社会
Science and Technology in Modern Society
田中 浩朗
後期
2
土曜日 4時限
目的概要
科学技術が関わる現代社会の諸問題を多面的に考察することにより,科学技術と人間・社会との関わりを理解し,科学技術者として,また良識ある社会人として必要な教養と倫理観を身につけることを目的とします。
今年度は,「核兵器」をテーマとして設定し,多面的に考察します。なお授業では,理解の助けとなるようビデオを多用します。
達成目標
核兵器の問題について多面的に考察する上で重要な,基本的な事実・概念・見解について理解し,理解度を確認する質問に正しく答えることができる。
関連科目
科学の社会史,技術の社会史,技術者倫理,情報倫理,地球環境論
参考書名
授業サイトなどで紹介します。
評価方法
平常点(30%)および中間学力考査(20%)と期末学力考査(50%)の結果をもとに総合的に判断します。
学習・教育目標との対応 (B)技術者倫理を修得する。
事前・事後学習
授業サイトに掲載されたコンテンツを用いて,十分予習・復習しておいてください。
自由記載欄
- 授業サイト (https://sitetanaka.net/) Moodleというオンライン学習支援システムを用いて,この科目に関係する様々なコンテンツを提供します。
- 昨年度までとの相違
昨年度採用した読書会方式は採用しません。また,一昨年度まで用いていた授業SNSも利用しません
テーマ・内容
- ガイダンス
この授業のテーマや学習の進め方,成績評価方法などについて説明します。履修を希望する人は必ずガイダンスに出席して,この授業の特徴を理解しておいてください。 - 放射能の発見/授業サイトへの登録
原子力の利用は、19世紀末の放射能の発見に端を発しています。放射能研究に邁進する科学者の姿、および初期の放射能利用の実態について紹介します。 なお、授業冒頭で、授業サイトへの登録方法とその使い方の説明を行います。 - 原爆構想の始まり
ウランの核分裂発見以降、原子爆弾製造の可能性を思いついた科学者たちの考えと行動を、その時代背景とともに紹介します。 - マンハッタン計画
マンハッタン計画を取り上げ,それに関わった科学者たちの考えと行動を紹介します。また,機密保持をめぐる科学者と軍人・政治家との対立についても取り上げます。 - 原爆使用をめぐる科学者の議論
マンハッタン計画に従事した科学者たちが,原爆使用にともなう政治的・社会的問題に関してどのように考え行動したかを紹介します。 - 原爆投下決定と外交
第二次世界大戦末期にアメリカの政治指導者は日本に対する原爆使用についてどのように考え,行動したか,ということについて,特にアメリカの対ソ外交という観点から紹介します。 - 原爆による被害
広島・長崎に投下された原爆による被害,特に人間に対する物理的・社会的被害をテレビ番組の映像によって紹介します。 - 中間学力考査および解説
学期前半の授業で学んだことについて理解度を確認するために,中間学力考査を行い,出題意図等について解説します。 - 原爆被害情報のコントロール
原爆被害の情報が日米政府によっていかに収集され、利用されたかを紹介し、それが被爆者の治療や援護とどのような関係をもったか考えます。 - 冷戦下の核実験と新たな被ばく者
冷戦下に続けられた核実験とそれによって生じた新たな被ばく者について,アメリカの事例を紹介します。 - アメリカ人の原爆観
1995年前後のスミソニアン原爆展論争や最近のアメリカ人映像作家の作品から,アメリカ人の原爆観とその変化を窺います。また,これまで一般的だった原爆観の背景としてアメリカ政府の宣伝の一部を紹介します。 - 科学者による核兵器反対運動
第二次大戦後,科学者によって行われた核兵器反対運動について,オッペンハイマー,ロートブラット,湯川秀樹を例に紹介します。 - 核の拡散と国際管理
第二次大戦後の核兵器の拡散,およびそれを防ぐための核不拡散条約(NPT)体制の歴史と現状を紹介します。 - 期末学力考査および解説
今学期の授業で学んだことについて理解度を確認するために,期末学力考査を行い,出題意図等について解説します。 - 振り返り
授業全体を振り返ります。また,授業アンケートを実施します。
質問への対応について
E-Mail address
質問への対応(オフィスアワー等) 授業中や授業後のほか,オフィスアワーで対応します。
また,電子メールでも受け付けます。
オフィスアワー:金曜日13:30~14:30(4号館9階40913A)
履修上の注意事項
履修上の注意事項(ガイダンス情報) 第1回および第2回の授業で,授業サイトへの登録方法の説明を行います。履修を希望する人は必ず出席してください。
学習上の助言 授業サイトを大いに活用してください。