2007年度前期
開設大学とシラバス
東京大学 「平和構築論」
1・2年生
2単位
書 名「はじめて出会う平和学:未来はここからはじまる」
著 者児玉克哉・佐藤安信・中西久枝
出版社 有斐閣アルマ
授業中に指示をする。
授業への参加度:20%、授業での発表の優劣:30%、レポートでの成績50%の配分で評価する。
相対評価も加味し、「優」は上位20%程度とする。
佐藤安信
(1)講義題目
平和構築と人間の安全保障を研究・実践するための基礎講座
(2)目標・概要
グローバル化しつつある社会におけるグローバルな課題を、平和と個々の人間の安全を切り口として理解する。問題に気づき、その背景や多様な見方に興味を持ち、問題解決のために自らこれを調べ、自分の意見をもって説明する能力を養う。他人の意見を聞き、議論し、分析し、批判し、反論し、説得する力を身に着けるきっかけとする。特に、権力から疎外された者の視点から見る目を持ち、偏見を排して物事を総合的に判断し、非暴力的な解決への独創的な発想ができる能力を身につける基礎を養う。
(3)キーワード
平和構築、人間の安全保障、開発、国際協力、難民、人権
教科書の目次に沿って、以下のトピックを中心に行うものとするが、時間の関係などで一部省くこともある。
- ガイダンス:何を、何のために、どのように学ぶか?
- 人権の世紀へ:ホロコーストから何を学ぶか?
- 核時代の平和の構想力 (広島・長崎講座として被爆者等を招聘予定)
- 紛争の世紀を振り返る:ユーゴスラビア紛争など
- 平和学の挑戦
- 南北問題から人間開発へ:法の支配の可能性(元検事総長を招聘予定)
- ジェンダーと平和
- 多様性を尊重した多文化社会へ
- 難民の時代を考える(国連難民高等弁務官UNHCR駐日事務所の協力)
- 地球環境問題への取組み
- 日本の防衛の新発想
- 日本と現代の紛争:新しい戦争とアフリカの破綻国家とテロ
- 平和構築への道程
- 地球市民の時代
- 未来へ:評価と展望
(1)授業の方法
学生の調査発表と質疑応答、議論、対話を重視する。ビデオ上映や、授業内容によって、「人間の安全保障」プログラムでその課題を専門とする教員および実務者をゲストスピーカーとする特別講義なども企画する予定。夏休みを利用したインターンなど体験的学習を奨励する。
(2)アドバイス
座学に終わらず、NGO活動やインターンシップなど実地と実践による学習を推奨する。