広島・長崎講座

国際法は、今や主権国家間の利害を調整する法としてだけでなく、国際協力の法として考えられている。では国際法は、国際社会が抱える様々な問題に対してどのような役割を果たしうるのか。本講義では、前半部分において国際法の基本的知識に関わる部分について解説を行い、後半部分では、紛争処理に関わる国際法について学ぶ。
なお、本講義は2012年9月に「広島・長崎講座」として認定されている。

目標1　（学生が）国際法の基本的な知識を習得し、他人に説明できる程度に理解する。（ＤＰの1に対応）
目標2　（学生が）国際問題に関するニュースについて情報収集を行い、国際法学の視点から理解・分析できる。（ＤＰの2に対応）
目標3　（学生が）国際社会において発生する様々な国際問題に関して自らの考えを的確に表現し、他者と議論ができる。（ＤＰの3に対応）
目標4　（学生が）到達目標を理解した上で、授業内容に応じた課題について自律的かつ意欲的に探究学習を行うことができる。（ＤＰの4に対応）

• 「平和学」（2年生以上、前期）
• 「国際人権法」（3年生以上、前期）
• 「専門演習（国際法・平和学）」（3年生以上、通年）

・講義形式による。
・到達度確認テスト、課題としての探究ワークシートを実施し、期末の筆記試験は課さない。

・「平和学」を履修済みの者が望ましい。
・テキストと条約集の両方は必ず入手し、参照しながら学習を進めること。
・教材については、ＴＡＬＥＳに講義日までに収納する予定である。

【予習】
・テキストやＴＡＬＥＳにアップロードする「キーワード101」を参照しながら、知らない単語や解らない専門的知識について明らかにしておくこと。なお、詳細は授業内に指示するが、予習、復習にそれぞれ2時間程度の時間がかかるものと想定される。

【復習】
・「探究ワークシート」を完成の上、提出すること（前期に「平和学」あるいは「国際人権法」を履修した人は、同様の内容の課題となる）。
・担当者が紹介した資料などに目を通すとともに、図書館やインターネットなどを利用して更に学習を深めること。
・ＴＡＬＥＳにアップロードする「到達度確認テスト」を活用すること。

・ＴＡＬＥＳにおける毎回の探究ワークシートの提出：70％（到達目標の1，2，4に対応）
・到達度確認テスト30％（到達目標の1，2，4に対応）
・ＴＡＬＥＳに設置する掲示板への視聴覚教材の感想文の書き込み（到達目標の3に対応）+α
※上記に関しては、TALESおよび授業時間内においてフィードバックを行う。

・家正治（他）『ワンステップ国際法』（嵯峨野書院、2011年）
・位田隆一・最上敏樹 (編集) 『コンサイス条約集　第2版』（三省堂、2015年）

・杉原高嶺・酒井啓亘（編）『国際法基本判例　50〔第2版〕』（三省堂、2014年）
・柳原正治・森川幸一・兼原敦子(編)『演習　プラクティス国際法』（信山社、2013年）
・その他、必要に応じて紹介する

【参考URL】
外務省＜http://www.mofa.go.jp/mofaj/＞
国連広報センター＜http://www.unic.or.jp/＞
United Nations＜http://www.un.org/en/＞
International Court of Justice＜http://www.icj-cij.org＞

• ガイダンス・国際法の歴史（テキスト　第1講　1頁－11頁） 　
  【キーワード：ウェストファリア条約】
• 国際法の特質（テキスト　第2講　12頁－22頁） 　
  【キーワード：国際法の特質】
• 条約法（1）条約の概念と成立要件（テキスト　第3講　23頁－33頁） 　
  【キーワード：条約法条約、条約の成立要件と無効原因】
• 条約法（2）条約の成立手続と留保（テキスト　第4講　34頁－45頁） 　
  【キーワード：留保ジェノサイド条約留保事件条約】
• 条約法（3）条約の解釈・運用と終了（テキスト　第5講　46頁－58頁） 　
  【キーワード：条約の解釈】
• 国際法と国内法（テキスト　第6講　59頁－71頁） 　
  【キーワード：国際法と国内法】
• 国際法の主体（テキスト　第7講　72頁－83頁） 　
  【キーワード：国際法の主体（国家、国際組織、NGO、企業、自治体、個人）】
• 国家の基本的権利・義務（テキスト　第8講　84頁－95頁） 　
  【キーワード：国家の権利義務、友好関係原則宣言、人道的介入】
• 国家承認・政府承認・国家承継（テキスト　第9講　96頁－107頁） 　
  【キーワード：国家承認、政府承認、国家承継】
• 国家の領域（テキスト　第10講　108頁－122頁） 　
  【キーワード：領海、国家領域の取得権原】
• 海洋法（1）公海と排他的経済水域（テキスト　第11講　123頁－135頁） 　
  【キーワード：国連海洋法条約、公海、排他的経済水域】
• 海洋法（2）大陸棚と深海底（テキスト　第12講　136頁－146頁） 　
  【キーワード：大陸棚、深海底】
• 宇宙空間と南極大陸（テキスト　第13講　147頁－158頁） 　
  【キーワード：宇宙条約、南極条約、北極】
• 国家機関（テキスト　第14講　159頁－170頁） 　
  【キーワード：国家機関】
• 紛争の平和的解決（1）平和的解決義務・国際裁判 （テキスト　第24講　282頁－294頁）
  【キーワード：国連憲章、紛争の平和的解決】
• 紛争の平和的解決（2）国際機構による手続（テキスト　第24講　282頁－294頁）、
  「国連・激動の６０年－創設からイラク戦争まで－」（ビデオ学習）
  【キーワード：国連、安全保障理事会、総会、事務総長】
• 国際安全保障と人道的介入 （テキスト　第25講　295頁－307頁）
  【キーワード：集団安全保障、自衛権、人道的介入】
• 国際司法裁判所（１）ICJの概要と機能（テキスト　第24講　285頁－291頁） 　
  【キーワード：国際司法裁判所】
• 国際司法裁判所（２）ICJの裁判管轄（テキスト　第24講　285頁－291頁） 　
  【キーワード：国際司法裁判所、竹島問題、ニカラグア事件】
• 国際司法裁判所（３）ICJの仮保全措置と勧告的意見（テキスト　第24講　285頁－291頁）
  【キーワード：国際司法裁判所、仮保全措置、勧告的意見】
• 「核兵器による威嚇または使用に関するICJ勧告的意見」（ビデオ学習）
  （テキスト　第24講　285頁－291頁）
  【キーワード：国際司法裁判所、勧告的意見、核兵器】
• 国際刑事裁判所－東京裁判から旧ユーゴ/ルワンダ国際刑事裁判所まで（テキスト　該当箇所なし）
  【キーワード：国際刑事裁判所、東京裁判、ICTR、ICTY】
• 国際刑事裁判所－常設国際刑事裁判所（ICC）（テキスト　該当箇所なし）
  【キーワード：常設国際刑事裁判所】
• 武力紛争法（テキスト　第28講　333頁－348頁）
  【キーワード：国際人道法】
• 軍縮・軍備管理（テキスト　第27講　320頁－332頁） 　
  【キーワード：軍縮・軍備管理】
• テロリズムと国際法（テキスト　該当箇所なし）
  【キーワード：テロリズム】
• 環境保護のための国際法規（テキスト　第21、22講　242頁－268頁）
  【キーワード：国際環境法】
• 国際違法行為と国際責任（テキスト　第23講　269頁－281頁）
  【キーワード：国家責任法】
• 国連改革のゆくえ（テキスト　該当箇所なし）
  【キーワード：安全保障理事会、拒否権】
• 「その時歴史が動いた 第305回 国際連合加盟 ～重光葵 日本から世界へのメッセージ～」（ビデオ学習）
  【キーワード：日本の国連加盟、重光葵】

帝塚山大学
http://www.tezukayama-u.ac.jp/