開設大学とシラバス

帝塚山大学  国際法

1 年度

2020年度

2 科目名

国際法

3 開講区分

後期

4 選択/必修

選択必修

5 配当年次

2・3・4年

6 担当教員

末吉 洋文

7 単位数

4

授業概要

国際法は、今や主権国家間の利害を調整する法としてだけでなく、国際協力の法として考えられている。では国際法は、国際社会が抱える様々な問題に対してどのような役割を果たしうるのか。本講義では、前半部分において国際法の基本的知識に関わる部分について解説を行い、後半部分では、紛争処理に関わる国際法について学ぶ。
なお、本講義は2012年9月に「広島・長崎講座」として認定されている。

到達目標

目標1 (学生が)国際法の基本的な知識を習得し、他人に説明できる。(DPの1に対応)
目標2 (学生が)国際問題に関するニュースについて情報収集を行い、国際法学の視点から理解・分析できる。(DPの2に対応)

関連する授業科目

  • 「平和学」(2年生以上、前期)
  • 「国際人権法」(3年生以上、前期)
  • 「専門演習(国際法・平和学)」(3年生以上、通年)
※カリキュラム・ツリー上は「平和学」(2年生以上、前期)もしくは「政治学」(2年生以上、前期)⇒「国際法」(2年生以上、後期)⇒「国際人権法」(3年生以上、前期)となっている。

授業方法

講義形式によって授業を進めていく。講義の進行状況や世界の動きに応じて新聞記事や時事問題についても詳しく解説したいと考えている。

履修および予習・復習についての指示

・「平和学」を履修済みもしくは同時履修の者が望ましい。
・毎回の講義にテキストと条約集の両方を携行の上、出席すること。
・授業で使用する教材については、「講義用ディレクトリ」(Xドライブ)およびeラーニング(TALES)に講義日までに収納する予定であるが、授業においても配付する予定である。

【予習】
・テキストを熟読の上、知らない単語や解らない専門的知識について明らかにしておくこと。なお、詳細は授業内に指示するが、予習、復習にそれぞれ2時間程度の時間がかかるものと想定される。

【復習】
・「探求ワークシート」を完成の上、提出すること(詳細は授業時に指示する)。
・担当者が紹介した資料などに目を通すとともに、図書館やインターネットなどを利用して更に学習を深めること。
・「講義用ディレクトリ」(Xドライブ)およびTALESにアップロードする「到達度確認テスト」や「キーワード101」を活用すること。

成績評価の方法と基準

・授業内課題:30% (到達目標の1,2に対応)
毎回の講義終了後にミニッツペーパーを配付するので、記入の上、提出すること(1ポイント×30回)。
・VTRの感想文:+α (到達目標の1,2に対応)
・探求ワークシート:30% (到達目標の1,2に対応)
・期末テスト:40% (到達目標の1,2に対応)

テキスト

・家正治(他)『ワンステップ国際法』(嵯峨野書院、2011年)
・位田隆一・最上敏樹 (編集) 『コンサイス条約集 第2版』(三省堂、2015年)

参考文献

・杉原高嶺・酒井啓亘(編)『国際法基本判例 50〔第2版〕』(三省堂、2014年)
・柳原正治・森川幸一・兼原敦子(編)『演習 プラクティス国際法』(信山社、2013年)
・その他、必要に応じて紹介する

【参考URL】
外務省<http://www.mofa.go.jp/mofaj/
国連広報センター<http://www.unic.or.jp/
United Nations<http://www.un.org/en/
International Court of Justice<http://www.icj-cij.org

授業計画

  • ガイダンス・国際法の歴史(テキスト 第1講 1頁-11頁)  
    国際法の歴史とその展開について、1648年のウェストファリア条約などを学ぶ。
  • 国際法の特質(テキスト 第2講 12頁-22頁)  
    国内法と比較した場合の国際法の特質について学ぶ。  
  • 条約法(1)条約の概念と成立要件(テキスト 第3講 23頁-33頁)  
    条約の成立要件について知り、無効原因についても学ぶ。
  • 条約法(2)条約の成立手続と留保(テキスト 第4講 34頁-45頁)  
    ジェノサイド条約留保事件を題材に、留保制度の仕組みとその問題点について学ぶ。
  • 条約法(3)条約の解釈・運用と終了(テキスト 第5講 46頁-58頁)  
    条約の解釈方法について学ぶ。
  • 国際法と国内法(テキスト 第6講 59頁-71頁)  
    国際法と国内法について、両者に関係する学説を学ぶ。  
  • 国際法の主体(テキスト 第7講 72頁-83頁)  
    国家のみならず、国際組織やNGO、企業、自治体、個人などの国際法上の主体性について学ぶ。
  • 国家の基本的権利・義務(テキスト 第8講 84頁-95頁)  
    友好関係原則宣言をはじめとする諸文書を中心に、国家の基本的権利及び義務や人道的介入について学ぶ。
  • 国家承認・政府承認・国家承継(テキスト 第9講 96頁-107頁)  
    歴史的事実を題材に、国家承認や政府承認、そして国家承継の制度に関して学ぶ。
  • 国家の領域(テキスト 第10講 108頁-122頁)  
    国家の領域とその取得権原について学ぶ。
  • 海洋法(1)公海と排他的経済水域(テキスト 第11講 123頁-135頁)  
    海洋法の歴史や発展について、海洋法条約を中心に学ぶ。
  • 海洋法(2)大陸棚と深海底(テキスト 第12講 136頁-146頁)  
    海洋法条約に基づく大陸棚制度や深海底制度について学ぶ。
  • 宇宙空間と南極大陸(テキスト 第13講 147頁-158頁)  
    宇宙条約を中心とする宇宙法に関して学ぶとともに、南極大陸をめぐる国際競争の現状や南極条約体制について学ぶ。
  • 国家機関(テキスト 第14講 159頁-170頁)  
    国家機関の国際法上の位置づけを学ぶ。
  • 紛争の平和的解決(1)平和的解決義務・国際裁判 (テキスト 第24講 282頁-294頁)
    紛争解決のための国際法上の手段について学ぶ。
  • 紛争の平和的解決(2)国際機構による手続(テキスト 第24講 282頁-294頁)  
    主に国際連合を中心とした紛争の平和的解決のための手続きを学ぶ。
  • 国際安全保障と人道的介入 (テキスト 第25講 295頁-307頁)
    国連の集団安全保障の制度について学ぶ。
  • 国際司法裁判所(1)ICJの概要と機能(テキスト 第24講 285頁-291頁)  
    国際司法裁判所の概要と機能について学ぶ。
  • 国際司法裁判所(2)ICJの裁判管轄(テキスト 第24講 285頁-291頁)  
    国際司法裁判所の管轄について、竹島問題やニカラグア事件を事例として学ぶ。
  • 国際司法裁判所(3)ICJの仮保全措置と勧告的意見(テキスト 第24講 285頁-291頁)
    国際司法裁判所が出す仮保全措置や勧告的意見について学ぶ。
  • 「核兵器による威嚇または使用に関するICJ勧告的意見」(ビデオ学習)
    (テキスト 第24講 285頁-291頁)
  • 国際刑事裁判所-東京裁判から旧ユーゴ/ルワンダ国際刑事裁判所まで(テキスト 該当箇所なし)
    個人の国際刑事責任追及の歴史と第二次世界大戦後および冷戦後の国際刑事裁判について学ぶ。
  • 国際刑事裁判所-常設国際刑事裁判所(ICC)(テキスト 該当箇所なし)
    常設国際刑事裁判所について、その概要と現状について学ぶ。
  • 武力紛争法(テキスト 第28講 333頁-348頁)
    武力紛争における人命の保護と関連の国際法について学ぶ。
  • 軍縮・軍備管理(テキスト 第27講 320頁-332頁)  
    軍縮・軍備管理に関する国際法について学ぶ。
  • テロリズムと国際法(テキスト 該当箇所なし)
    テロリズムの規制に関する国際法上の制度や取り組みについて学ぶ。
  • 環境保護のための国際法規(テキスト 第21、22講 242頁-268頁)
    環境問題に関する国際法規について判例を踏まえながら領域使用の管理責任原則等を学ぶ。
  • 国際違法行為と国際責任(テキスト 第23講 269頁-281頁)
    国家責任の発生要件とその解除方法について学ぶ。
  • 国連の歴史と展望(「国連・激動の60年-創設からイラク戦争まで-」ビデオ学習)
  • 国連改革のゆくえ(テキスト 該当箇所なし)
    安全保障理事会の透明化及び民主化、そして日本の常任理事国入りについて学ぶ。

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