2021年度/3クォータ
開設大学とシラバス
長崎大学 「平和講座」
On the Peace
戸田 清, 関口 達夫, 国武 雅子, 冨塚 明, 友澤 悠季
戸田 清
戸田 清, 関口 達夫, 国武 雅子, 冨塚 明, 友澤 悠季
A科目群 総合科目, 総合科学科目, 自由選択科目
講義
全学生
授業の概要及び位置づけ
長崎大学文教キャンパスは三菱兵器製作所大橋工場の跡地であり、ここでは学徒動員令や女子挺身勤労令などによって動員された多くの若者たちが航空機用魚雷の生産に従事中、原爆によって、その多くが爆死した。敗戦後、日本人は「人間相互の関係を支配する崇高な理想を自覚し」、国家再建の基礎を「人類普遍の原理」に求めて戦争を放棄し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して安全と生存を保持しようと決意した。」1983年に始まった本講座は、その決意を受け継ぎ、平和を愛し探究心に富む学生諸君の思索と生活の原点に資すべく、戦争・暴力・平和についての基礎的資料と基本的な分析理論を提供しようとするものである。
授業到達目標
戦争の実態、暴力と平和についての認識を深め、世界の情勢を深く理解し、基本的人権を尊重して自由と平等と平和を愛する文化国家の建設に努める態度を身につけることができる。
知識・技能以外に、この授業を通して身につけて欲しい力
主体性、倫理観、国際・地域社会への関心
学生の思考を活性化させるための授業手法
授業内容の理解度を確認したり自分で考えさせたりする活動
(発問への回答、授業内の小レポート、小テスト、振り返りシート、コメントシート、クリッカーなど)
問題解決のために知識を総合的に活用する活動
(企画立案、論理的な解の提示、プロジェクト学習、卒業研究など)
成績評価の方法・基準等
レポート100%。出席を欠かさず、受講することを重視する立場から、講義への取り組みの積極性と担当講師が課したレポートの作成を総合的に評価する。
各回の授業内容・授業方法(学習指導方法)
- 9月29日 5限
戸田清 日本軍七三一部隊 - 9月29日 6限
戸田 ナチスドイツのT4作戦、ホロコースト - 10月6日 5限
友澤悠季 被爆者福田須磨子について - 10月6日 6限
冨塚明 日米安保体制について - 10月13日 5限
国武雅子 満蒙開拓団と性暴力 - 10月13日 6限
国武 日本軍「慰安婦」問題 - 10月20日 5限
国武 優生保護法と強制不妊 - 10月20日 6限
戸田 枯葉剤と劣化ウラン弾 - 10月27日 5限
川副忠子 長崎原爆と平和教育、核兵器廃絶運動 - 10月27日 6限
戸田 死刑制度と冤罪について - 11月10日 5限
山崎年子 二重被爆の父と生きる - 11月10日 6限
冨塚明 原爆、核兵器廃絶運動、原爆症認定裁判 - 11月17日 5限
冨塚 原発と核燃料サイクルについて - 11月17日 6限
関口達夫 長崎原爆を報道する、外国人被爆者問題 - 11月24日 5限
関口 戦争と集団的自衛権、敵基地攻撃能力 - 11月24日 6限
休講 定期試験は行いません。
事前、事後学習の内容
授業期間中の任意の日時に、岡まさはる記念長崎平和資料館(月曜休館、JR長崎駅前のNHK横の坂をのぼり、カトリック26聖人記念館のすぐ先)を訪問してください。そのレポートを提出すれば加点します。なお長崎原爆資料館のレポートも加点になります。
キーワード
戦争、暴力、平和、格差、原爆、原発、枯葉剤、劣化ウラン、有事体制、イラク戦争、構造的暴力、死刑、集団的自衛権、テロ
教科書・教材・参考書
教科書は戸田清『人はなぜ戦争をするのか』法律文化社2019年。プリント資料を適宜配布し、またスライド、ビデオ、DVDなどを利用して、講義の理解を深めるのに役立てる。参考書は高橋・舟越編『ナガサキから平和学する』法律文化社2009年、など。
受講要件(履修条件)
受講要件は特にない。
アクセシビリティ
長崎大学では、全ての学生が平等に教育を受ける機会を確保するため、修学の妨げとなり得る社会的障壁の除去及び合理的配慮の提供に取り組んでいます。授業における合理的配慮等のサポートについては、担当教員または「アシスト広場」(障がい学生支援室)にご相談下さい。
備考(URL)
学生へのメッセージ
被爆地の大学に学ぶ学生として、書籍、新聞、テレビ、インターネットなどを通じて戦争、暴力、平和をめぐる世界と日本の動向に関心をもってほしい。ISの人質事件などにも関心をもってほしい。長崎原爆資料館だけでなく、岡まさはる記念長崎平和資料館も訪れてほしい。
実務経験のある教員による授業科目であるか(Y/N)
Y
実務家教員名/実務経験内容/実務経験に基づく教育内容(実務経験のある教員による授業科目のみ使用)
川副氏は被爆者の立場から、山崎氏は被爆二世の立場から、長崎原爆についての語り部活動を長年行ってきた。関口氏は、NBC社員として、定年退職後はフリーランスとして、長年原爆や平和の報道に携わってきた。