2020年度
開設大学とシラバス
明治学院大学 現代平和研究1
現代平和研究1/Contemporary Peace Studies 1
講義
広島・長崎講座
2
春学期
高原 孝生, 篠崎 美生子
横浜
日本語
アクティブ・ラーニング非対応
授業概要
「唯一の被爆国」といわれる日本で学ぶ若者は、ヒロシマ・ナガサキをどこまで知っているだろうか。 この授業では、原爆投下によって開かれた核時代に関する基本的な知識を確かなものにし、被爆地からの発信がどのように平和に貢献できるかを考える。 (なお、その際に今日の日本人がふまえるべき侵略と加害の歴史を秋学期の「現代平和研究2」で学習するので、併せて履修することが望ましい。) 明治学院大学国際平和研究所が提供するこの授業は、広島市・長崎市・(公財)広島平和文化センターが普及を図っている「広島・長崎講座」として認められたものである。 各回に掲げられたテーマを、複数の講師がリレー方式で担当する。
到達目標
深刻な原発事故によって「核」の意味があらためて問われる中、2017年には核兵器禁止条約が採択されたが、 核武装国は逆に核兵器依存を強める傾向にある。この授業が目指すのは、そうした今日の現実をとらえる上で必須となる知識と視点を、受講者が自らのものにすることである。 核と戦争を克服していくという人類史的な展望のもとで、海外の友人たちにヒロシマ・ナガサキについて語れるようになってもらいたい。
授業計画
- 【授業内容】なぜ今、ヒロシマ・ナガサキなのか:核時代の起点としての原爆投下
【講師】高原孝生(国際学部教員、PRIME所長) - 【授業内容】原子雲の下で何が起きていたのか:被爆者のことばを聞く
【講師】篠崎美生子(教養教育センター教員、PRIME所員) - 【授業内容】日本は「唯一の被爆国」なのか:様々なヒバクシャを知る
【講師】篠崎美生子(教養教育センター教員、PRIME所員) - 【授業内容】もう一つの被爆:第五福竜丸被爆の衝撃
【講師】安田和也(第五福竜丸展示館学芸員) - 【授業内容】「ビキニ事件」と原水禁運動:被爆者は何を求めてきたのか
【講師】安田和也(第五福竜丸展示館学芸員) - 【授業内容】「原爆の図」丸木美術館:その国際的意義
【講師】小寺隆幸(PRIME研究員) - 【授業内容】「ビキニ事件」のインパクト:ゴジラの出現
【講師】市田真理(第五福竜丸展示館学芸員) - 【授業内容】「ビキニ事件」の継承:証言と文学作品
【講師】市田真理(第五福竜丸展示館学芸員) - 【授業内容】国語教科書にあらわれる「原爆」
【講師】篠崎美生子(教養教育センター教員、PRIME所員) - 【授業内容】原爆体験の継承と「負い目の感情」
【講師】篠崎美生子(教養教育センター教員、PRIME所員) - 【授業内容】核兵器禁止条約の成立:その意義と市民社会
【講師】川崎哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員) - 【授業内容】NPTの限界と日本の役割:核依存を離脱できるか
【講師】川崎哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員) - 【授業内容】IT時代の兵器を規制する:核時代の規範づくり
【講師】畠山澄子(ピースボートリサーチスタッフ) - 【授業内容】自分にできることをする:ヒバクシャ国際署名の意味
【講師】林田光弘(「ヒバクシャ国際署名」キャンペーンリーダー)
授業に関する注意事項
授業に並行して参考書を読み進むこと。授業計画はあらためて初回に確認する。
教科書
島本慈子『戦争で死ぬ、ということ』岩波新書; 川崎哲『新版 核兵器を禁止する:条約が世界を変える 』岩波ブックレット。
参考書
大石又七『ビキニ事件の真実』みすず書房; 『ヒロシマ・原爆地獄』(自費出版); 鈴木達治郎『核兵器と原発:日本が抱える「核」のジレンマ』講談社現代新書 他、 授業で多数、指示する。
成績評価の基準
毎回のリアクションペーパー(100%)
関連URL
備考
※履修希望者多数の場合抽選。
なおウイルス禍の進行状況によっては、合理的と判断される範囲で、今後も各回の内容等を
調整することがありえます。その場合、manaba の掲示板にて通知するので、
manaba の科目欄のチェックを怠らないようにしてください。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発出を受けた大学の方針に則り、オンラインでの開講となります。
例年、学内者・学外者の聴講も歓迎しておりますが、この事情により、一般聴講は【中止】とさせていただきます。大変申し訳ありませんが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。