2017年度
開設大学とシラバス
明治学院大学 現代平和研究1
1 年度
2 学期
秋学期
3 科目名
現代平和研究1
4 教員氏名
高原 孝生(PRIME所員、国際学部教員)
渡辺 祐子(PRIME所員、教養教育センター教員)
5 校舎・教室
明治学院大学 横浜校舎 6号館4階643教室
6 時間
毎週木曜日5時限(16:45-18:15)
学習目標
深刻な原発事故によって「核」の意味があらためて問われる中、核兵器廃絶への道筋はいまだに不透明である。そうした今日の現実をとらえる上で、必須とされる知識と視点を自らのものにするとともに、日本の戦争被害と加害の歴史を知る。受講者が日本の加害の歴史を心に刻みつつ、海外の友人たちにヒロシマ・ナガサキについて語れるようになってもらうことが最大の目標である
授業概要
「唯一の被爆国」といわれる日本で学ぶ若者は、ヒロシマ・ナガサキをどこまで知っているだろうか。この授業では、原爆投下によって開かれた核時代に関する基本的な知識を確かなものにし、さらに日本が被害を与えた諸国で原爆投下がどのように受け止められたのかという視点から、今の日本人がふまえるべき侵略と加害の歴史をふりかえる。明治学院大学国際平和研究所が提供するこの授業は「広島・長崎講座」として、広島・長崎両市が事務局となる平和市長会議から認められたものである。各回に掲げられたテーマを、複数の講師がリレー方式で担当する。
授業計画
- 9/21 イントロダクション/高原孝生(国際学部教授、PRIME所長)
- 9/28 原子雲の下で何が起きていたのか:被爆者のことばを聞く/田中安次郎(被爆者〈長崎〉)
- 10/5 もう一つの被爆:「ビキニ事件」の衝撃/安田和也(第五福竜丸展示館学芸員)
- 10/12 日本の科学者は核時代をどう受けとめたか:湯川秀樹とその思想/小沼通二(慶応大学名誉教授、PRIME研究員)
- 10/19 「ビキニ事件」が今、振り返られているのはなぜか/安田和也(第五福竜丸展示館学芸員)
- 10/26 世界の科学者は核時代をどう受けとめたか:ラッセル=アインシュタイン宣言とパグウオッシュ運動/小沼通二(慶応大学名誉教授、PRIME研究員)
- 11/9 隠された戦後の核の犠牲者たち:核実験の現場を歩く/豊﨑博光
- 11/16 核に覆われた世界:核燃料サイクルと恒常的な放射能汚染の脅威/豊﨑博光
- 11/30 原爆投下をアメリカはどう記憶してきたか:スミソニアン事件と米国の歴史意識/アレキサンダー・ヴィシー(国際学部准教授、PRIME所員)
- 12/7 アジアアフリカ諸国と核廃絶:植民地独立と非同盟運動/勝俣誠(国際学部名誉教授/PRIME研究員)
- 12/14(クリスマス礼拝)日本の戦後と原水爆禁止:憲法が求める「反核」/高橋源一郎(国際学部教授)
- 12/21 戦争廃棄物の堆積:第一次世界大戦の不発弾と中国の日本軍遺棄毒ガス弾/アレキサンダー・ヴィシー(国際学部准教授、PRIME所員)
- 1/11 原爆をアジアの人々はどう受け止めたか:日本の歴史における戦争と原爆/渡辺祐子(教養教育センター教授、PRIME所員)
- 1/18 ふりかえりと到達度の確認
参考文献
丸浜江里子『ほうしゃの雨は もういらない』凱風社、2016;『ヒロシマ・原爆地獄』(自費出版);島本慈子『戦争で死ぬ、ということ』岩波新書、2006 他、授業で多数、指示する。
成績評価の基準
毎回のリアクションペーパー(50%)と期末レポート(50%)。
関連URL
備考
※履修希望者多数の場合抽選。