1 講義名
D1803現代世界と人間3/総合科目(平和・開発・人権)B
D1803現代世界と人間3/総合科目(平和・開発・人権)B
平和・開発・人権(1)(広島・長崎講座)
2009年度春学期
全学年
2単位(半期、金曜日 5時限 16:45~18:15)於横浜校舎
教科書的に使う資料を授業で配付する。
川崎哲『核拡散』岩波新書 他、多数を授業の中で指示する。
学期末試験およびレポート
高原孝生(国際学部教授)
自分はもうヒロシマ・ナガサキを知っているかのように思っている日本人学生が多いが、本当に知っていると言えるだろうか。
この講義では、広島・長崎両市への原爆投下、およびそれによって開幕した我々の生きる核時代を検討する。
この講義は「広島・長崎講座」として、広島・長崎両市から認められたものである。詳しくは開講時に示されるが、リレー方式によって複数の講師が担当する。原爆投下をめぐる 歴史上の争点、原爆被害の実態、戦後の核軍備競争と軍縮への努力、戦後続けられた核実験に よる被害、今日の核兵器の危険、原発の危険をどう考えるか、等を内容として予定している。
なお、この講義は「D1804 現代世界と人間4」と共に、明治学院大学国際平和研究所が提供する科目である。
【1】 4/10 |
なぜ今、ヒロシマ・ナガサキなのか:キッシンジャーらの「核兵器のない世界」 | 高原孝生(国際学部教員) |
【2】 4/17 |
原子雲の下で何が起きていたのか:被爆体験者のことば | 米田チヨノさん(長崎被爆体験者、横浜市在住) |
【3】4/24 | 今、海外に伝えるということ:被爆体験者の思いと手応え | 橋爪文さん(詩人、広島被爆体験者、町田市在住) |
5/1 | 休講(この頃、レポート課題あり) | |
【4】 5/8 |
核兵器に対し国際法は何を語るのか:1996 国際司法裁判所「勧告的意見」 | 吉井淳(国際学部教員) |
【5】 5/15 |
原爆投下を人々はどう記憶してきたか:スミソニアン事件と米国の歴史意識 | アレックス・ヴィシー(国際学部教員) |
【6】 5/22 |
核兵器に対し国際社会はどう行動するのか:軍縮・核廃絶NGOの実践と課題 | 中村桂子さん(ピースデポ事務局長) |
【7】 5/29 |
ジャーナリストは何を伝えようとしたか:ジョン・ハーシーの『ヒロシマ』 | マイケル・ワトソン(国際学部教員) |
【8】 6/5 |
詩人たちは被爆体験をどうとらえたか:峠三吉、栗原貞子を読む | 高橋源一郎(国際学部教員) |
【9】 6/12 |
隠された戦後の核の犠牲者たち:核実験の現場を歩く | 豊﨑博光さん(写真家、核問題研究者) |
【10】 6/19 |
もうひとつの被爆:ビキニ事件を考える | 大石又七さん(第五福竜丸元乗組員) |
【11】 6/26 |
核に覆われた世界:核燃料サイクルと恒常的な放射能汚染 | 豊﨑博光さん(写真家、核問題研究者) |
【12】 7/3 |
あらためて核兵器のどこが特殊なのか:物理学の立場から | 小沼通二先生(慶応大学名誉教授、明治学院大学国際平和研究所研究員) |
【13】 7/10 |
核に対して科学者はどう行動したか:パグウオッシュ会議の歩み | 小沼通二先生(慶応大学名誉教授、明治学院大学国際平和研究所研究員) |
【14】 7/17 |
ヒロシマ・ナガサキと戦後日本:核時代における戦争放棄のリアリズム | 高原孝生(国際学部教員) |
試験期間に、期末試験を行う。