ヒロシマ・ナガサキ学
開設大学とシラバス
恵泉女学園大学 「ヒロシマ・ナガサキ学」
35033
安田 和也
1,2年
秋学期
講義題目
原水爆の被害と人間、核兵器の歴史をたどりながら
講義目的
人類最初の核兵器使用である広島・長崎の破壊と惨状、被爆者の長くつづく苦しみをつうじて核兵器の恐ろしさについて学ぶ。
さらに冷戦、核軍拡競争の下での核被害、核兵器の脅威と現在の戦争についても学ぶ。とりわけ本年はヒロシマ・ナガサキから被爆65年にあたり、被爆者も高齢化している。
直接の被爆者からの証言を聞き、また戦後の核実験被害船・第五福竜丸展示館での学外授業・体験者の講話などを織り交ぜながら核兵器と人間について考察する。
21世紀の戦争、アジア太平洋戦争、戦後の戦争の中での、特に女性の被害と犠牲にもふれて、核問題の解決、戦争から平和実現への理解と考察をめぐらせる。
講義概要・毎回の授業
- 授業は講義形式で行なうが、毎回短い映像(原爆被害や核開発など)を見てイメージ化をはかりながらすすめる。
体験者(原爆被爆者と第五福竜丸元乗組員)の証言を直接聞く、都立第五福竜丸展示館や都内の平和博物館での学外授業を組み入れてすすめる。毎回の授業は、
- 原子爆弾の基礎知識、広島・長崎で何がおこったか。
- 被爆者の苦しみ。
- 被爆者の戦後・体験を聞く。
- 原爆開発から投下まで。
- 広島・長崎後の核兵器開発。
- 核軍拡競争下での核被害。
- 第五福竜丸展示館で学ぶ。
- 被害者の証言を聞く。
- 核兵器廃絶への人々の歩み。
- 女性の戦争被害を考える。
- 現代の戦争被害を学ぶ。
- 平和な世界を構築する、現在に生きる人として。
- 次回授業のためテキストの予習ページを提示する。
被害者の体験講話と学外授業のレポートを3~4回提出する(指定用紙A4で2ページ程度)。
成績評価方法
3~4回のレポート提出および出席、感想文提出により評価。
授業参加30点、感想文20点、レポート50点
テキスト
授業時にレジメと資料を配布。
テキストはブックレット『ヒロシマ学習ノート』、フィールドワーク『第五福竜丸展示館』を授業時に頒布・使用する。
参考文献
『1945年8月6日』伊東壮著 岩波書店
『ナガサキー1945年8月9日』長崎総合科学大学平和研究所編 岩波書店
『水爆ブラボー1954年3月1日・第五福竜丸』豊崎博光・安田和也著 草の根出版会
『ビキニ事件の表と裏 元乗組員は語る』大石又七著 かもがわ出版社
履修する上での必要な要件
核や戦争の被害・犠牲を知り学ぶことは辛いことでもあるが、現在につながる歴史であり、いま生きているこの世界に関心を抱き、興味と好奇心の幅を広げて積極的な授業参加を希望します。
とりわけ本年は核兵器問題をめぐり5月の国連での核不拡散条約再検討会議があり、重要な年度にあたる。