2007年度前期
開設大学とシラバス
広島経済大学 平和学広島から平和を考える
1 開講時期
2 対象学生
2学年
3 単位数
2
4 成績評価
学内定期試験(70%)と受講態度(出席などを含む:30%)を総合的に判断して評価します。なお、評価の詳細は、初回の講義(ガイダンス)の時に説明します。
5 教科書
ありません。毎回、配布資料を用意します。
6 参考文献
講義の中で、適宜、指示します。
7 担当教員
藤本義彦(メディアビジネス学科助教授)
8 講座趣旨
平和とは何か? この答えを見つけることは難しいことです。米ソ冷戦期に始まる平和学という学問も、当初は、核戦争の脅威と冷戦を背景に戦争そのものを研究対象としていましたが、今では世界中にはびこるさまざまな形の暴力(構造的暴力ともいう)を視野に入れ、その射程を拡大させてきています。
そのためかえって、平和とは何かという問いに、答えにくくなっているのかもしれません。
そこで、この平和学の講義では、私たちの大学のある広島での出来事を一つの題材として、平和とは何か、という問題を考えてみたいと思います。
授業内容
- ガイダンス、平和とは何か? 広島とヒロシマの視点
- 原爆①:核兵器の開発と原発開発
- 原爆②:広島に落とされた原爆の実態
- 原爆③:核被害(広島、長崎、第五福竜丸、劣化ウラン弾など)
- 原爆④:核抑止戦略とヒロシマの願い(核軍縮の歩み)
- 毒ガス①:大久野島での毒ガス製造とその被害
- 毒ガス②:日本製毒ガスの使用とその被害
- 毒ガス③:毒ガスをめぐる国際状況
- 毒ガス④:イラン・イラク戦争での毒ガス被害
- 強制連行①:広島に強制連行された朝鮮人と中国人
- 強制連行②:植民地支配と強制連行
- 強制連行③:戦後補償の問題
- 強制連行④:在広韓国・朝鮮人問題
- 試験
(注:「朝鮮人」は朝鮮半島に暮らしていた人々という意味で使用しています。詳細は講義で解説します)
その他
答えのないテーマを模索します。しかも政治信条などによって、かなり評価の異なるテーマを扱います。皆さんがそれぞれ、自分にとっての平和とは何か、という問いについて考えていただければよいと考えています。積極的な参加を期待しています。なお、特別講師として被爆者の方などのお話を聞ける機会を設けたいと考えています。そのため、特別講師の事情に応じて、シラバスに予定していることが変更される可能性があります。ご了承ください。(できるだけ事前に予告できるようにします)