開設大学とシラバス

広島市立大学 平和と人権A (ヒロシマと国際平和)

1 年度

2015年度

2 科目名

平和と人権A (ヒロシマと国際平和)

3 担当者

平和研究所 准教授 永井 均 講師:水本和実(平和研究所)、ロバート・ジェイコブズ(平和研究所)、高橋博子(平和研究所)、桐谷多恵子(平和研究所)、馬場雅志(情報科学部)、大矢英雄(芸術学部)、柿木伸之(国際学部)ほか。

4 履修対象

1・2年

5 履修時期

前期

6 単位数

2

概要

人間が生まれながらに持つ権利(人権)、人間の個々人が備え持つ固有の価値(尊厳)が保証され、守られる状態を広い意味での「平和」と捉えるならば、人権や人間の尊厳が傷つけられ、犯される最も顕著な例は戦争であろう。

本講義では、広島の戦争経験のうち、今から70年前に投下された原子爆弾による被爆体験に焦点を当てる。講義では、先の大戦の経緯や原子爆弾の投下過程と被害の実態、現代世界における核兵器の存在状況や意味を考えながら、平和を実現するための課題について探求する。講義では映像や図像等も積極的に活用する。

講義のねらい

私たちが「平和」を考える際、出発点となるのは、身近に起きた深刻な平和の喪失体験であろう。それが広島においては原子爆弾による被爆体験であった。しかし、世界に目を向ければ、それぞれの国や地域、民族に固有の、深刻な平和の喪失体験がある。平和を考える対象が、自分たちの平和の喪失体験だけで完結していては、国際社会全体の平和を考えることにはつながらない。

本講義では、平和を考える出発点として広島の被爆体験を取り上げ、多様な専門性から学んでいく。最終的な狙いは、世界の様々な平和の課題を考えるための応用力を養うことに置かれる。

受講生への要望

平和について関心を持っている、あるいは平和について考えてみたいと考えている学生の受講を歓迎する。

講義内容

  • 広島で平和を考える意味(水本・永井)
  • 日本の戦争と原爆の投下(水本)
  • 広島と長崎、喪失と復興(桐谷)
  • CGによる原爆へのアプローチ(馬場)
  • 物理学から探る原爆の衝撃(外部講師)
  • 原爆が人体と心にもたらしたもの(外部講師)
  • 原爆投下の法的問題(永井)
  • 原爆投下をめぐる「記憶」の違い(水本)
  • アメリカのヒバクシャ(ジェイコブズ、通訳:永井)
  • グローバル・ヒバクシャという視点(高橋)
  • 広島平和記念資料館の仕事(外部講師)
  • 被爆の思いを七宝焼きに託して(外部講師)
  • 「原爆文学」を読む(外部講師)
  • 肖像画の制作を通して被爆証言を紡ぐ(大矢)
  • 被爆の記憶を継承するために(柿木)

※トピック、講師、および順序は変更される場合がある。

評価方法

出席点を70点、期末レポート(必須)を30点として、これらを合わせて総合的に評価する。

教科書等

参考書:講義で適宜指示する。

担当者プロフィール

専門は日本近現代史。単著に『フィリピンと対日戦犯裁判』(岩波書店、2010年)、『フィリピンBC級戦犯裁判』(講談社選書メチエ、2013年)、共著に『近現代日本の戦争と平和』(現代史料出版、2011年)、『日記に読む近代日本』第5巻(吉川弘文館、2012年)、『平和を考えるための100冊+α』(法律文化社、2014年)、Philippines-Japan Relations (co-authored, Quezon City: Ateneo de Manila University Press, 2003)、共編書に『遠山郁三日誌』(山川出版社、2013年)などがある。

リンク

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