2020年度
開設大学とシラバス
佛教大学 社会福祉学演習3H
春学期
2
黒岩 晴子
授業のテーマ
社会福祉と平和で安全な社会の実現について考える。
授業の概要
*社会福祉と平和・安全な社会の実現について考えるために、被爆者問題を手がかりとして、原爆投下の事実を知ること、被爆者の実態を理解する。
*被爆者問題だけでなく、加害被害の戦争の歴史的事実を理解する。
*温暖化による気候変動と核実験後の放射性物質の海洋流出の危機や原発事故問題も含めた放射能汚染問題について考える。
授業の目的・ねらい
社会福祉実践は平和で安全な社会の実現なしには成立しない。平和とは戦争がないことだけではなく、差別や人権抑圧がないことである。貧困や差別がないこと、健康に生きる権利の侵害がない社会の実現をめざす社会福祉の課題について考える。
毎回の授業テーマ・内容
- オリエンテーション
平和と福祉理念、専門職倫理について考える - 社会福祉と平和(1)
*各自の研究課題についての構想発表 - 社会福祉と平和(2)
*各自の研究について発表 - 社会福祉と平和(3)
*各自の研究について発表 - 学外授業を実施(予定)
国際的な平和環境問題に取り組むミュージアムを見学することで社会福祉と平和を考える機会とする。
(場所)立命館大学国際平和ミュージアム
京都市北区等持院北町56−1 TEL 075-465-8151(代)
*入場券は佛教大学教育後援会の助成チケットを活用する。
移動は市バスを利用予定
*市バス460円(往復) - 被爆者問題とは何か
*関係資料・書籍の読み合わせと報告 - 被爆者問題と原発事故問題
*関係資料・書籍の読み合わせと報告 - 核実験と気候変動危機問題について
*ビキニ水爆事件とマーシャル諸島の現代的危機を考える - ソーシャルワークにおける生活史把握とは何か
*被爆者の生活史把握の意義 - 被爆者の生活史と歴史を理解する
- 被爆体験と生活史を聴く
*被爆者を招聘する - 原爆展の歴史を学ぶ
- 被爆者支援とソーシャルアクションを考える
- ソーシャルアクションの実践として原爆展を開催する
- 学外授業のための学習(見学先の歴史)を行う。
学外授業を実施(8月5日〜6日を予定)
社会福祉と平和を考えるために広島を訪問し、原爆投下の事実、被爆者の実態、社会福祉専門職の援助について学ぶ。
(場所)広島平和記念資料館 広島市中区中島町1−2 TEL 082-241-4004
ABCC(放射能影響研究所) 広島市南区比治山公園5-2 TEL 082-261-3131
広島YMCA会館(証言の集いに参加)広島市中区八丁堀7-11 TEL 082-227-6816*新幹線または在来線、夜行バス等を利用予定
交通費は利用交通機関により違いがあるが,約1万円~2万数千円*宿泊施設(ホテル等、数千円)
*学生支援費(ゼミ合宿費用の6千円を活用)
到達目標
現代社会における社会福祉の課題としての平和、安全、社会正義について考える姿勢や福祉専門職としての価値を具現化する力をつける。
授業時間外の学修(予習・復習等)についての具体的な指示
*被爆者が書いた被爆体験の記録、書籍等、一冊でも読んでおくこと。
受講にあたっての留意事項
*課題に添って個人の作業とグループの討議で進行するので、主体的に参加してほしい。
*2005年から開催している「原爆展」の企画・運営に積極的な参加を期待する。
*ゼミ旅行(8月6日の広島行)を実施するので積極的に参加してほしい。
*本科目は広島・長崎講座と連携する。
成績評価の基準
課題の準備、発表状況、及びその内容によって評価する。期待値以上であれば100~90点、十分に達成できていれば89~80点、ほぼ達成できていれば79~70点、もう少し努力が必要な場合は69~60点、最低基準に達せず更なる努力を要する場合は59~0点とする。
授業内課題:50%
課題の提出状況、及びその内容によって評価する。期待値以上であれば100~90点、十分に達成できていれば89~80点、ほぼ達成できていれば79~70点、もう少し努力が必要な場合は69~60点、最低基準に達せず更なる努力を要する場合は59~0点とする。
その他
社会に出る前の最終年度の学生として自律的に自己評価を行う。それらを参考に教員が総合評価する。
テキストについて
ソーシャルワーカーは平和とともに
(著者:黒岩晴子、出版社:日本機関紙出版センター)
指定テキスト以外は、授業時紹介する
参考文献について
平和な未来を願うメッセージ〜No War Know War〜
(著者:黒岩晴子編著、出版社:日本機関紙出版センター)