開設大学とシラバス

早稲田大学 「21世紀世界における戦争と平和」

1 開講年度

2007年度(通年)

2 対象学生

全学部・全学年

3 単位

4単位

4 教科書

教科書は使用しない。プリントを随時配布する。

5 参考文献

日本平和学会「グローバル時代の平和学」4巻、法律文化社
岡本光夫、横山正樹編『平和学の現在』法律文化社
池尾靖志編『平和学をはじめる』晃洋書房
ガルトゥング『平和を創る発想術』岩波ブックレット
高畠通敏『平和研究講義』岩波書店

6 評価方法

2度のレポートおよび出席により評価する。

7 担当教員

奥迫 元、勝方惠子、勝間靖、加納貞彦、篠原初枝、多賀秀敏、鳥越晧之、長與進,水島朝穂、山崎芳男、李成市、中村英俊

8 講義内容

21世紀の世界では、経済のグローバリゼーションが進行するなかで、戦争、民族紛争、テロ、暴力もかえって拡大する気配を見せている。

平和憲法を持つ日本でも、憲法改正が政治日程に上り、周辺諸国との緊張も高まってきた。日本は、この戦争や暴力の頻発する世界で何をどうしたらよいのか、平和な世界を構築するためには何が必要なのか。

広島市、長崎市の協力を得て発足したこの講義では、21世紀における戦争と平和の問題を、その原理と実際の両側面から検討し、平和な世界形成の道を、学生諸君と共に考える。

第Ⅰ部 現代世界における戦争と平和

  • 4月14日
    開講にあたって
    -グローバル化時代の暴力、戦争と平和-
    西川潤、多賀秀敏、奥迫 元
  • 21日
    21世紀世界の戦争考
    多賀秀敏、奥迫 元
  • 28日
    アジアから診る日本の改憲論
    水島朝穂
  • 5月12日
    ジェンダーと平和
    勝方惠子
  • 19日
    東南アジアにおけるテロとグローバル資本による開発
    佐伯 奈津子(上智大学外国語学部)
  • 26日
    イラク戦争とアメリカ
    中野有(Nakano Associates)
  • 6月2日
    東アジアにおける平和と和解の展望
    李 成市
  • 6月9日
    日本平和学会2007年度研究大会聴講

第Ⅱ部 広島、長崎、沖縄ー日本の核・戦争体験からの発信

  • 6月16日
    いま報復でなく和解を!
    (午後 ヒロシマ被爆者の証言)
    秋葉忠利(広島市長)
  • 23日
    日本の戦争責任とヒロシマ
    (午後 関連映画鑑賞)
    岡本三夫(広島修道大学)
  • 30日
    長崎の原爆体験
    岩松繁俊(原水禁国民会議議長)
  • 7月7日
    沖縄の陸上戦ー鉄の暴風
    (午後 関連映画鑑賞)
    大田昌秀(参議院議員)
    中間レポート「広島、長崎、沖縄体験の現代的意味」提出(1000字程度)
  • 14日
    ヒロシマはどう伝わったか?
    -スミソニアン展示に見る日米ギャップ
    安藤 裕子(アジア太平洋研究科博士後期課程)
  • 21日
    アフガニスタン平和構築とNGO
    谷山博史(JVC代表)
    中間レポート講評

第Ⅲ部 平和学をどう学ぶかー平和な世界の形成へ向けて

  • 9月29日
    2つのアメリカー帝国思想と平和思想
    篠原初枝
  • 10月6日
    シビリアンパワーとしてのヨーロッパ
    中村英俊
  • 13日
    イスラーム誤認
    板垣雄三(東京大学名誉教授)
  • 20日
    休講
  • 27日
    スラブ諸国における戦争と平和
    長與進
  • 11月10日
    南アフリカにおける人種紛争と和解
    峯陽一(大阪大学大学院人間科学科教授)

第Ⅳ部 自然科学・技術と平和

  • 17日
    文化とその多様性を支える技術
    山崎芳男
  • 24日
    国際情報通信の発展と平和
    加納貞彦
  • 12月1日
    生物多様性と平和
    鬼頭 秀一(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)
  • 8日
    環境と平和
    鳥越 皓之

第Ⅴ部 21世紀の平和学をどう作るか?

  • 12月15日
    国際人権と平和
    勝間靖
  • 22日
    情報操作と市民メディア
    永井浩(神田外国語大学教授)
    最終レポート「第I 部、III 部、IV 部から任意のテーマを選び論ぜよ」(1000字程度)
  • 1月12日
    島の開発、自立と平和-沖縄の事例から-
    松島 泰勝(東海大学海洋学部助教授) 
  • 1月19日
    戦争責任を見つめる-共生世界の展望
    内海愛子
    (恵泉女学園大学教授、日本平和学会会長) 
  • 26日
    暴力文化から非暴力文化へ
    -ガンディー主義の今日的意味
    竹中 千春(明治学院大学教授)
    レポート講評と討論
    多賀秀敏、奥迫 元

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