開設大学とシラバス

東京電機大学 科学技術と現代社会

1 年度

2022年度

2 科目名

科学技術と現代社会
Science and Technology in Modern Society

3 開講学期

前期

4 単位数

2

5 授業形態

講義

6 担当教員

田中 浩朗

目的概要

技術者教養科目の一つである本科目では,技術者に必要な教養として科学技術が関わる現代の社会問題について学びます。特に,人類に対する重大な脅威であり続けている核兵器問題を事例として取り上げ,その歴史をたどりつつ多面的に考察します。そうした知識は,これからの科学技術のあり方や科学者・技術者の生き方について深く考える上で参考になるでしょう。
また,この科目では,単に知識を学ぶだけでなく,学んだことに関連する様々なテーマについて他の受講者と議論を行います。それにより,議論の仕方を身につけることをも目指します。

達成目標

1.科学技術が関わる現代の社会問題(主に核兵器問題)を題材として「科学技術と人間・社会との関わり」を多面的に理解し,それをもとに科学技術のあり方や科学者・技術者の生き方について考えを深め,その内容を表現することができる。
2.他者の意見に応答する形で,議論を深めるようなディスカッションを行うことができる。

関連科目

本科目の姉妹科目に「科学と技術の社会史/科学の社会史」があります。なお,「科学技術と現代社会」と「科学と技術の社会史/科学の社会史」はともに,議論に関するスキル面の訓練を行うため,別の学期に連続して継続的に受講することで訓練効果が最大化されます。したがって,同一学期に両科目を受講することは推奨しません。

履修条件

なし

教科書名

なし

参考書名

科学技術と現代社会に関する参考書:
[1]塚原東吾ほか編著『よくわかる現代科学技術史・ STS 』(ミネルヴァ書房,2022年,本体3000円)
議論の仕方に関する参考書:
[2]香西秀信『議論入門』(ちくま学芸文庫,2015年,本体950円)
[3]香西秀信『反論の技術』(明治図書出版,1995 年,本体1760円)
[4]G. Graff & C. Birkenstein,They Say / I Say,4th ed. (W. W. Norton, 2018)本書は2021年に第5版が出ています。

評価方法

・達成目標1が50%,2が50%
・平常点(オンライン教材の利用,課題の提出,議論への参加等):ディスカッションレポート(計4回)=6:4

学習・教育目標との対応

【工学部電気電子工学科(JABEE プログラム)】(A)人間としての教養を身につける

DPとの対応(2017年以降入学者用)

【工学部、未来科学部、システムデザイン工学部】DP4

事前・事後学習

・授業サイトTanaClassや参考書などを利用して予習・復習を行う。
・課題の提出物を作成し,TanaClassのブログに投稿する。
・TanaClassで授業参加者間でのコミュニケーションを行う。

アクティブラーニングの実施

・ディスカッション
・反転授業

ICTの活用

・授業サイトTanaClassを用いた教材(講義ビデオを含む)や参考情報の提供,課題の提出,授業参加者間のコミュニケーション(ブログでのディスカッションを含む)
・LearnWiz OneやZoomを使ったリアルタイムでのオンラインコミュニケーション
*授業中に様々なオンラインサービス(TanaClass,LearnWiz One,Zoom など)を利用することがありますので,ネットにつながるパソコン等とイヤホン等(マイクはなくても可)を用意の上,受講してください。その他の機器の使用については,授業中にお知らせします。

実践的教育科目

(該当しない)

自由記載欄

◆授業サイトTanaClassについて
この科目では大学が用意したWebClassの代わりに,教員が独自に開発したTanaClassを利用します。TanaClassには,本科目の受講に必要な資料・情報が集約されています。毎週新たな教材が公開されますので,定期的にチェックしてください。また,TanaClassは教員と受講者が参加するオンラインコミュニティでもあります。ここで,受講者は自らの提出物を他の受講者と共有したり,意見交換を行ったりします。TanaClassを利用するには,自分でユーザー登録をする必要があります。

テーマ・内容

  • -----第1回-----
    ●ガイダンス
    ・本科目の目的・達成目標,テーマ・内容,学習の進め方,成績評価方法などについて。
    【事前学習】(30分〜)
    ・シラバスをプリントアウトした上で,筆記用具で重要な箇所に印を付けながら丁寧に読み,その内容をしっかりと理解する。また,ガイダンスの授業で質問したいことを考えておく。
    ・TanaClassのユーザー登録を行う。
    【事後学習】(30分〜)
    ・シラバスやTanaClassを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第2回-----
    ●テーマ①マンハッタン計画
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・第二次世界大戦中のアメリカの原爆開発計画(マンハッタン計画)と,それに関わった科学者たちの考えと行動,ならびに機密保持をめぐる科学者と軍人・政治家との対立について解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第3回-----
    ●テーマ②マンハッタン計画
    ・第二次世界大戦中のアメリカの原爆開発計画(マンハッタン計画)と,それに関わった科学者たちの考えと行動,ならびに機密保持をめぐる科学者と軍人・政治家との対立について解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第4回-----
    ●講義に関連したディスカッション(第1回)
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    【アクティブラーニング】
    ・テーマ①②の講義に関連したテーマで,ブログでのディスカッションを行う。反転授業に該当する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
    【事後学習】(40分〜)
    ・ブログでディスカッションを続ける。
    ・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第5回-----
    ●テーマ③原爆使用をめぐる科学者の議論
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・マンハッタン計画に従事した科学者たちが,原爆使用にともなう政治的・社会的問題に関してどのように考え行動したかについて解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第6回-----
    ●テーマ④原爆投下決定と外交
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・第二次世界大戦末期にアメリカの政治指導者は日本に対する原爆使用についてどのように考え,行動したかについて解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第7回-----
    ●講義に関連したディスカッション(第2回)
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    【アクティブラーニング】
    ・テーマ③④の講義に関連したテーマでディスカッションを行う。主にブログを用いた非同期的ディスカッションを行う予定だが,希望者にはリアルタイムのディスカッションの機会も提供する予定である。反転授業に該当する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
    【事後学習】(40分〜)
    ・ブログでディスカッションを続ける。
    ・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第8回-----
    ●テーマ⑤原爆被害情報のコントロール
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・原爆被害の情報が日米政府によっていかに収集され,利用されたか,それが被爆者の治療や援護とどのような関係をもったかについて解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第9回-----
    ●テーマ⑥冷戦下の核実験と新たな被ばく者
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・冷戦下で続けられた核実験とそれによって生じた新たな被ばく者(核実験参加兵士,核実験場周辺住民,人体実験被験者)について解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • -----第10回-----
    ●講義に関連したディスカッション(第3回)
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    【アクティブラーニング】
    ・テーマ⑤⑥の講義に関連したテーマでディスカッションを行う。主にブログを用いた非同期的ディスカッションを行う予定だが,希望者にはリアルタイムのディスカッションの機会も提供する予定である。反転授業に該当する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
    【事後学習】(40分〜)
    ・ブログでディスカッションを続ける。
    ・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。

  • ----第11回-----
    ●テーマ⑦核の拡散と国際管理
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・第二次世界大戦後の核兵器の拡散,およびそれを防ぐための国際管理体制について解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • ----第12回-----
    ●テーマ⑧核と日本人
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・核と日本人の矛盾した関係(核を否定する日本人と核に依存する日本人)について解説する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して復習を行う。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

  • ----第13回-----
    ●講義に関連したディスカッション(第4回)
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    【アクティブラーニング】
    ・テーマ⑦⑧の講義に関連したテーマでディスカッションを行う。主にブログを用いたディスカッションを行う予定だが,希望者にはリアルタイムのディスカッションの機会も提供する予定である。反転授業に該当する。
    【事前学習】(20分〜)
    ・自分の考えを分かりやすく説明できるように準備する。
    【事後学習】(40分〜)
    ・ブログでディスカッションを続ける。
    ・ディスカッションレポートを作成し,TanaClassで提出する。

  • ----第14回-----
    ●まとめ:科学技術と社会問題
    ・前回課題を受講者同士で共有する。また,いくつかの課題について教員からコメントする。
    ・これまで学んできたことをもとに,科学技術が関わる現代の社会問題を考える際に役立つ観点を抽出し,今後の科学技術のあるべき姿について考える。
    ・今学期の自らの学び全体を振り返る。
    【事前学習】(20分〜)
    ・TanaClassなどを利用して予習を行う。
    【事後学習】(40分〜)
    ・TanaClassなどを利用して自らの学びの過程と成果を振り返る。
    ・コメントシートを作成し,TanaClassで提出する。

質問への対応(オフィスアワー等)

授業中や授業後のほか,オフィスアワーで対応します。また,電子メールでも受け付けます。 オフィスアワー:金曜日14:00〜15:00(4号館9階40913A)  

履修上の注意事項(クラス分け情報)

【お知らせ】
この科目は抽選対象科目となります。定員や抽選申込方法等については、履修の手引き(本学 HP 内)にある各学部別ページの「人間科学科目の履修(抽選申込、追加募集)に関する注意事項」を確認してください。

履修上の注意事項(ガイダンス情報)

なし 

学習上の助言

この科目では,2020年度以降コロナ禍のもとで一気に進んだICT(情報通信技術)の教育利用を後退させず,むしろ発展させることを目指しています。ICTを活用することで,学校教育は個々の受講者のニーズやその時々の社会状況(感染症や災害による緊急事態など)に対してより柔軟に対応できるようになりました。受講者のみなさんには,TanaClassに集約されたICTツールを最大限に活用して自分に合った仕方で学習を進めてほしいと思います。
【重要な注意事項(必ず読んでください)】
・「この科目の単位を落とすと卒業(進級)できなくなる」等という理由での成績評価に関わる特別扱いは一切行いません。成績評価に関する異議申し立ての際には,自らの見解を具体的な根拠(客観的なデータを含む)とともに書面に記して提出してください。ただし,新型コロナウイルス感染症による諸般の事情を考慮し,提出期限や提出方法などに関しては受講者の個別の事情に応じて柔軟に対応します。定められた期限や方法を守れない事情があれば,教員に相談してください。
・剽窃(盗作)は絶対にしてはいけません。提出物に剽窃(「意図しない剽窃」を含む)が見られた場合は,本科目成績の減点または単位没収となることがあります。自分が書いた提出物に「意図しない剽窃」があるのではないかと心配なときは,提出前に遠慮なく教員まで相談してください。

リンク

東京電機大学
http://web.dendai.ac.jp/

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