開設大学とシラバス

東京電機大学 科学技術と現代社会

1 年度

2018年度

2 科目名

科学技術と現代社会
Science and Technology in Modern Society

3 担当教員

田中 浩朗

4 開講学期

後期

5 単位

2

6 曜日・時間

水曜日 3限

目的概要

* 自分がいま大学で学んでいる科学や技術を,より広い視野から,より深く理解することを目指して,「科学技術が関わる現代の社会問題」について学びます。特に講義では,そのような社会問題の一例として,「核兵器問題」について詳しく学びます。なお,この科目に関わる個人学習(読書やレポート等の執筆)においては,核兵器問題以外のテーマを選ぶこともできます。
* また,これからの社会を担う社会人や市民に必要なスキル(自己管理力,批判的思考力,コミュニケーション力など)を伸ばすことを目指します。
* 授業では,受講者が自らの関心に従い主体的に学習を進める「ワークショップ形式」を取り入れます。また,受講者は,自らの視野を広げ,学びを深めるために,学んだことを受講者同士で共有したり,意見交換を行ったりします。
* 今日の情報通信技術(ICT)を大学での学びに最大限活用することを目指します。そのため,受講者は,授業内外で携帯型パソコンやタブレットから授業サイトにアクセスし,Web教材の利用,課題の提出,受講者同士や教員との交流などを行います。

【授業形態】講義 

達成目標

1. 科学技術が関わる社会問題の一例として核兵器問題の諸側面を理解し,いくつかの事例について自分なりの見解を表明することができる。
2. 自分が大学で専門的に学んでいる科学技術がもたらす問題,あるいは身の回りやメディアで見かける科学技術がもたらす問題を,多様な立場・側面を考慮しつつ検討し,自らの見解を表明することができる。
3. 受講者同士で情報共有や意見交換をしたり,互いの作品にコメントを付けたりすることを通じて,互いの学びを深めることができる。 

関連科目

過去の時代における科学・技術と社会との関係については,「科学と技術の社会史」でより詳しく学ぶことができます。

履修条件

【必須】パソコンやタブレットなどのウェブが利用できる機器を授業に持参できること。第1回の授業から使います。
・画面が小さいため,スマートフォンは非推奨(無理をすれば使えないことはないですが,学習効率は大幅に下がります)。
・授業中に音声付き動画を視聴する場合に備えて,イヤホンかヘッドホンも持参した方がよいでしょう。
【推奨】レポートの書き方に関する基本的な知識とスキルを身に付けていること。
・人間科学科目「フレッシュマンセミナー」「文章表現法」を履修するか,あるいは『フレッシュマンセミナーテキスト』(東京電機大学出版局)などの書籍を読むとよいでしょう。
・なお,この授業の中でも,そうした知識やスキルを学ぶ機会はあります。 

教科書名

なし

参考書

授業サイトで紹介します。

評価方法

成績評価は,受講者が学期末に提出する「オンライン学習ポートフォリオ」をもとに行います。そのポートフォリオでは,次の内容に関して,自らが作成した成果物等を引用・参照しつつ,自分の学びの体験を一つのストーリーとして表現することが求められます。
1. 学期全体における自らの学びのプロセスと成果
2. 書評と小レポート
3. 期末レポート
4. 総合的な振り返りと自己評価
*期末レポートを全体の40%,その他を全体の60%の重みで成績評価に反映させます。

参考:2018年度前期成績分布(水曜3限,放棄を除く受講者53名):
S=9%, A=17%, B=25%, C=30%, D=19%

学習・教育目標との対応

(B)技術者倫理を修得する。

DPとの対応(2017年以降入学者用)

【工学部、未来科学部、システムデザイン工学部】DP4

事前・事後学習

* Web教材を利用して予習・復習を行う。
* 書評・小レポート・期末レポートの準備や改稿を行う。
* 授業サイトを通して受講者同士や教員と交流する。
* 授業に関連した読書を行う(毎日20分程度)。

自由記載欄

●この科目では,次に挙げる4つの「学びのモード」のすべてを大切にします。
(1)講義:授業中に教員やビデオから学ぶ。
(2)個人活動:情報収集をしたり,レポートを書いたりして一人で学ぶ。
(3)グループ活動:授業中のグループディスカッションで仲間と共に学ぶ。
(4)ソーシャルラーニング:授業サイトを用いて受講者同士や教員と交流する中で学ぶ。
●授業サイト (https://social-tanaka.net/)
・担当教員(田中)が独自に開発したオンライン学習支援システムを授業内外で利用します。そこでは,この科目に関係するWeb教材が提供されます。また,レポートの提出や授業参加者同士のコミュニケーションのためにも使用します。
・この授業サイトは非公開のオンラインコミュニティであり,今学期担当教員(田中)が担当する2科目(計6クラス)を履修する受講者のみが登録し,利用することができます。メンバーは,履修する科目やクラスを超えて互いの投稿を読み,コメントを付けることができます。授業中のグループ活動とリンクさせるため,授業サイトへの投稿には投稿者の実名が表示されます。多様な人たちとコミュニケーションをする良い機会になるはずです。
●グループ活動
各クラスで,1グループ7〜8名のグループを編成し,授業中に対面のグループ活動を行います。授業中のディスカッションは通常1グループをさらに2つに分けて3〜5名で行います。グループは教員が原則としてランダムに割り振ります。
●これまでの授業アンケート結果
これまでの授業アンケート結果と教員からの所見(受講者の感想・意見等を含む)は,http://evaluation.soe.dendai.ac.jp/において「科学技術と現代社会」でキーワード検索すると閲覧できます。なお,2018年度から授業のやり方を変えていますので,2018年度前期の授業アンケート結果を参考にしてください。
【アクティブラーニング】

【ICTの活用】

【反転授業】

テーマ・内容

  • ガイダンス
    ・本科目のテーマ・内容,授業の進め方,成績評価方法などについて
    ・授業サイトへの登録方法とその使い方について
    ・本科目で科学技術が関わる社会問題,特に核兵器問題について学ぶ意味について
    ★授業中,自分でユーザー登録して,すぐに授業サイトを利用し始めますので,必ずパソコンやタブレットなどを持参してください。また,グループ分けを行い,この回からグループ活動を始めます。

    【事前学習】シラバスをよく読み,その内容をよく理解する。不明な点があった場合は,授業中に教員に質問できるよう準備しておく。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)
     
  • 原爆構想の始まり
    ウランの核分裂発見以降,原子爆弾製造の可能性を思いついた科学者たちの考えと行動,ならびにその時代背景について。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分) 
  • マンハッタン計画
    マンハッタン計画,特にそれに関わった科学者たちの考えと行動,ならびに機密保持をめぐる科学者と軍人・政治家との対立について。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)
  • 原爆使用をめぐる科学者の議論
    マンハッタン計画に従事した科学者たちが,原爆使用にともなう政治的・社会的問題に関してどのように考え行動したかについて。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分) 
  • 原爆投下決定と外交
    第二次世界大戦末期にアメリカの政治指導者は日本に対する原爆使用についてどのように考え,行動したかについて。特にアメリカの対ソ外交という観点から考察。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)  
  • 原爆による被害
    広島・長崎に投下された原爆による被害,特に人間に対する物理的・社会的被害について。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分) 
  • 原爆被害情報のコントロール
    原爆被害の情報が日米政府によっていかに収集され,利用されたか,それが被爆者の治療や援護とどのような関係をもったかについて。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)    
  • 冷戦下の核実験と新たな被ばく者
    冷戦下に続けられた核実験とそれによって生じた新たな被ばく者(核実験参加兵士,核実験場周辺住民,人体実験被験者)について。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)
  • アメリカ人の原爆観
    1995年前後のスミソニアン原爆展論争や最近のアメリカ人映像作家の作品から,アメリカ人の原爆観とその変化を考察。また,これまで一般的だった原爆観の背景としてアメリカ政府の宣伝を検討。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)  
  • 科学者による核兵器反対運動
    第二次大戦後,核兵器に反対した科学者(オッペンハイマー,ロートブラット,湯川秀樹)について。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)
  • 核の拡散と国際管理
    第二次大戦後の核兵器の拡散,およびそれを防ぐための核不拡散条約(NPT)体制について。

    【事前学習】Web教材を利用して予習を行う。(30分)
    【事後学習】Web教材を利用して復習を行う。授業サイト上で受講者同士や教員と交流する。授業に関連した読書を行う。(170分)
  • 期末レポート作成(1)
    2000字程度の期末レポートの第1稿を作成します。

    【事前学習】期末レポート作成のための資料を収集し,構想を練っておく。(170分)
    【事後学習】期末レポートの第1稿を完成させる。(30分)
  • 期末レポート作成(2)
    期末レポートの第1稿をグループ内で読み合い,互いにコメントを付けます。その上で,第1稿を修正して期末レポート最終稿を作成します。

    【事後学習】期末レポートを完成させ,それについて自己コメントを行う。(200分) 
  • 振り返り
    今学期の自らの学習全体を振り返り,オンライン学習ポートフォリオを作成・提出する。
    ★この「オンライン学習ポートフォリオ」により成績評価を行うため,これが提出されていないと成績が付かない(放棄扱いとなる)ので注意すること。

    【事前学習】オンライン学習ポートフォリオに収録すべき成果物を選ぶため,これまでの自分の投稿やその投稿に付けられたコメントを読んでおく(普段からポートフォリオに掲載する成果物の候補を保管しておくと,この作業はかなり楽になるはずです)。(200分)  

質問への対応(オフィスアワー等)

授業中や授業後のほか,オフィスアワーで対応します。また,電子メールでも受け付けます。 オフィスアワー:金曜日14:00〜15:00(4号館9階40913A)  

履修上の注意事項(クラス分け情報)

人間科学科目は、各クラス定員が設けられています。定員を超える申請が あった場合は優先順位に従い、抽選を行います。

定員・優先順位はホームページの「履修の手引き(千住キャンパス共通)」にある、 各学部の「人間科学科目の履修に関する注意事項」を確認してください。

履修の手引き:https://www.dendai.ac.jp/about/campuslife/risyuu/tokyo_senju/

また、1年次の学生が履修できる時限は以下のとおりです。
 月曜2限:EJ、EH、ES、FA、FI、FR
 金曜2限:EK、EF、EC、AJ、AD
指定された時間帯以外の科目は履修できませんので、注意してください。 

履修上の注意事項(ガイダンス情報)

* 第1回授業で,授業サイトへのユーザー登録やグループ分けを行います。
* やむを得ない事情で欠席する場合は,第2回授業までに教員にメールで連絡してください。教員からユーザー登録の方法やグループ分けについて連絡します。

学習上の助言

【授業参加者の共通了解としたいこと】
* この科目の受講者および担当教員は,このシラバスに書かれた授業の目的を実現するために集まった仲間です。お互いに協力して,この授業の目的を最大限に実現しましょう。
* この授業では,受講者個人が自らの学びに責任を持ち,主体的に学ぶことを目指します。常に自分の学びを自分自身でモニターし,どうすれば自分がより良く学べるかを考えましょう。
* 教員は,受講者のみなさんよりほんの少しだけ先を行く「学問の学び手」として,自分が学ぶ姿をできるだけお見せしたいと思っています。受講者のみなさんがより良い「学び手」になることを手助けしたいと思っています。
* 受講者のみなさんにとって,この授業の内容や形式は慣れていないものだと思います。分からないことや自信がないことがあって当然ですので,何でも遠慮なく教員に質問したり,相談したりしてください(もちろん,受講者同士の教え合いも奨励します)。特に,授業中の個人活動やグループ活動の際には,教員が巡回しますので,気軽に声をかけてください。

【重要な注意事項(必ず読んでください)】
* 「この科目の単位を落とすと卒業(進級)できなくなる」等という理由での成績評価に関わる特別扱いは一切行いません。成績評価に関する異議申し立ての際には,自らの見解を具体的な根拠(客観的なデータを含む)とともに書面に記して提出してください。
* 剽窃(盗作)は絶対にしてはいけません。授業サイトへの投稿に剽窃(「意図しない剽窃」を含む)が見られた場合は,本科目成績の減点または単位没収となることがあります。剽窃について理解が不十分だと思う人は次のサイトを参考にしてください。
赤江雄一「剽窃について」(YouTube,9分)
慶応義塾大学日吉メディアセンター「引用について理解する」
自分が書いた小レポートや期末レポートに「意図しない剽窃」があるのではないかと心配なときは,提出前に遠慮なく教員まで相談してください。

リンク

東京電機大学
http://web.dendai.ac.jp/

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