開設大学とシラバス

帝塚山大学  平和学

1 年度

2018年度

2 科目名

平和学

3 開講区分

前期

4 選択/必修

選択必修

5 配当年次

2・3・4年

6 担当教員

末吉 洋文

7 単位数

2

授業概要

本講義では、平和および戦争の問題について、担当者の専門である国際法や国際人権法の観点からだけではなく広く把握し、考察することで、グローバルな視点を涵養する。受講することで、歴史的事実や時事ニュースに対する理解度を深めることができるとともに、今後の平和な国際秩序の構築について考え、学ぶことが可能となる。 なお、本講義は2012年9月に(公財)広島平和文化センター平和連帯推進課から「広島・長崎講座」として認定されている。

到達目標

目標1 (学生が)平和及び戦争の問題に関する幅広い知識を習得し、正確に説明できる。
目標2 (学生が)平和及び戦争の問題に関する多様な意見を傾聴することができる。
目標3 (学生が)平和及び戦争の問題について自己の意見を形成することができる。
目標4 (学生が)紛争解決や平和秩序の形成について、新しい考えや仕組みを創造し、表現したり行動することができる。

関連する授業科目

  • 「国際法」(2年生以上、後期)
  • 「国際人権法」(3年生以上、前期)
  • 「専門演習(国際法・平和学)」(3年生以上、通年)
  • 憲法関連の授業
※カリキュラム・ツリー上は「憲法」(1年生以上、後期)⇒「平和学」(2年生以上、前期)⇒「国際法」(2年生以上、後期)となっている。

授業方法

  • 講義形式が中心となるが、時には受講生にマイクをむける対話型の時間も取り入れる。
  • グループワークを行い、ディスカッションを行う機会を設ける場合がある。
  • 受講生には、毎回、アンケートを書いてもらうことによって自己の意見の形成を促進する。

履修および予習・復習についての指示

【履修についての指示】
授業で使用する教材については、「講義用ディレクトリ」(Xドライブ)およびTIESに講義日までに収納する予定である。

【予習】
授業計画のキーワードを参照した上で、次回の学習内容についてウェブ検索やニュース検索を行うこと。なお、詳細は授業内に指示するが、予習、復習にそれぞれ2時間程度の時間がかかるものと想定される。

【復習】
・授業時間内に配付された新聞記事等の資料を一読するとともに、自身の関心のある問題についてインターネットで検索を行い、ニュース記事や専門家の論稿を読み、関連知識を増やすことに努めること。
・「講義用ディレクトリ」(Xドライブ)およびTIESにアップロードする「到達度確認テスト」や「キーワード101」を活用すること。

成績評価の方法と基準

授業内課題:30%(到達目標の1,2,3,4に対応)
毎回の講義終了後に学びの振り返りとあるテーマに関する自身の意見を記入してもらう用紙を配付するので、記入の上、提出すること(2ポイント×15回)。

期末テスト:70%(到達目標の1,2,3,4に対応)

テキスト

使用しない。

参考文献

必要に応じて紹介する

【参考URL】
外務省<http://www.mofa.go.jp/mofaj/
国連広報センター<http://www.unic.or.jp/
United Nations<http://www.un.org/en/
International Court of Justice<http://www.icj-cij.org

授業計画

  • 平和学とは何か-その歴史と現在-  
    平和学とは何か、学問上の位置づけや国内外における開講状況について知るとともに、平和学の誕生からその後の発展について学ぶ。
    【キーワード:平和学、ヨハン・ガルトゥング、積極的平和、消極的平和、直接的暴力、構造的暴力】
  • 平和の思想と文化-カントの「永遠的平和論」を中心に-  
    著名な思想家・カントの代表作を通して平和秩序の形成について考える。世界政府論や世界連邦についてもどのような考え方であるのか、その歴史的背景を含めて学ぶ。
    【キーワード:カント、永遠的平和論】
  • 地球問題群と国連の取り組み
    国際連合が解決すべき問題として取り組んでいる30の地球問題群や「人間の安全保障」について学ぶ。
    【キーワード:地球問題群、人間の安全保障】
  • 貧困の根絶は可能か? -ミレニアム開発目標からグラミン銀行まで-
    ミレニアム開発目標やその後継である持続可能な開発目標について知るとともに、貧困の根絶に関する様々な取り組みについて学ぶ。
    【キーワード:ミレニアム開発目標、持続可能な開発目標、貧困、グラミン銀行】
  • フェアトレード-消費者の行動が世界を救う-  
    フェアトレードの仕組みを学ぶとともに、企業者や消費者によって行われている差別や不平等解消のための様々な取り組みを学ぶ。
    【キーワード:フェアトレード、フードマイレージ、残飯大国、フードバンク】
  • 企業の社会的責任と社会企業家について
    企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)や社会企業家の活動について、多種多様な事例を踏まえながら学ぶ。
    【キーワード:企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)、社会企業家、国連グローバル・コンパクト、近江商人の「三方よし」、BPOビジネス】
  • 現代における紛争の特徴とその平和的解決
    子ども兵士、レアメタル(希少金属)、そして地雷問題を題材に、現代における紛争の特徴を把握し、これらの問題を解決するために行われている取り組みについて学ぶ。
    【キーワード:子ども兵士、レアメタル(希少金属)、地雷】
  • 諸外国の平和に対する法と政策、そして世界平和度指数(GPI:Global Peace Index)について
    米国、ドイツ、スイス、コスタリカを題材に、各国の平和(安全保障)に関する政策を学ぶ。
    【キーワード:米国、ドイツ、スイス、コスタリカ】
  • ガルトゥング博士の平和学とトランセンド法(超越法)  
    平和学の第一人者であるヨハン・ガルトゥング博士が考案した創造的な紛争解決の方法について学ぶ。
    【キーワード:トランセンド法(超越法)】
  • 太平洋戦争と日本  
    太平洋戦争の概要を学ぶとともに、戦後補償をめぐる裁判や靖国神社の問題等について学ぶ。
    【キーワード:太平洋戦争、東京裁判、戦後補償】
  • 日本国憲法の成立と平和主義のゆくえ  
    日本国憲法第9条の成立や自衛権、そして平和的生存権について学ぶ。
    【キーワード:自衛権、平和的生存権、名古屋高裁判決】
  • 日米安全保障条約と沖縄の基地問題  
    日米安全保障条約に基づく安全保障の現状を知るとともに、沖縄の基地問題について学ぶ。
    【キーワード:日米安全保障条約、砂川事件、思いやり予算、基地問題】
  • 日本国憲法の改正と有事法制  
    日本国憲法の改正と有事(戦時)法制について、諸外国との比較を行いながら、その歴史的経緯や各政党の主張を学ぶ。
    【キーワード:有事法制】
  • 核兵器と国際社会(広島・長崎とNPT体制)  
    核兵器の問題に関して、特に被爆の状況とNPT(核不拡散条約)体制の概要について学ぶ。
    【キーワード:NPT(核不拡散条約)体制、1996年のICJ勧告的意見、終末時計】
  • 核兵器と国際社会(平和首長会議と非核兵器地帯、そして核兵器禁止条約の採択に向けた動き)  
    核兵器の禁止に向けた国際社会の取り組みと現状について学ぶ。
    【キーワード:平和首長会議、非核兵器地帯、核兵器禁止条約】

リンク

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