開設大学とシラバス

長崎大学 「平和講座」

1 年度/学期

2020年度/2クォータ

2 科目名
平和講座
On the Peace
3 開講期間
2020/06/04 ~ 2020/08/05
4 必修選択
選択
5 単位数
2
6 編集担当教員

戸田 清, 篠崎 正人, 国武 雅子, 冨塚 明

7 授業担当教員名(科目責任者)

戸田 清

8 授業担当教員者(オムニバス科目等)

戸田 清, 篠崎 正人, 国武 雅子, 冨塚 明

9 科目分類

A科目群 総合科目, 総合科学科目, 自由選択科目

10 対象年次
1, 2, 3, 4
11 講義形態

講義

12 対象学生(クラス等)

全学生

授業の概要及び位置づけ

長崎大学文教キャンパスは三菱兵器製作所大橋工場の跡地であり、ここでは学徒動員令や女子挺身勤労令などによって動員された多くの若者たちが航空機用魚雷の生産に従事中、原爆によって、その多くが爆死した。敗戦後、日本人は「人間相互の関係を支配する崇高な理想を自覚」し、国家再建の基礎を「人類普遍の原理」に求めて戦争を放棄し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して安全と生存を保持しようと決意した。」1983年に始まった本講座は、その決意を受け継ぎ、平和を愛し探究心に富む学生諸君の思索と生活の原点に資すべく、戦争・暴力・平和についての基礎的資料と基本的な分析理論を提供しゆとするものである。

授業到達目標

戦争の実態、暴力と平和についての認識を深め、世界の情勢を深く理解し、基本的人権を尊重して自由と平和と平等を愛する文化国家の建設に努める態度を身につけることができる。

知識・技能以外に、この授業を通して身につけて欲しい力

倫理観、考えをやり取りする力、国際・地域社会への関心

学生の思考を活性化させるための授業手法

授業内容の理解度を確認したり自分で考えさせたりする活動
(発問への回答、授業内の小レポート、小テスト、振り返りシート、コメントシート、クリッカーなど)
問題解決のために知識を総合的に活用する活動
(企画立案、論理的な解の提示、プロジェクト学習、卒業研究など)

成績評価の方法・基準等

レポート100%。出席を欠かさず、受講することを重視する立場から、講義への取り組みの積極性と担当講師が課したレポートの作成を総合的に評価する。

各回の授業内容・授業方法(学習指導方法)

  • 6月17日 5限
    戸田 日本軍七三一部隊
  • 6月17日 6限
    戸田 ナチスドイツのT4作戦
  • 6月24日 5限
    国武雅子 戦争と性暴力
  • 6月24日 6限
    国武 日本軍「慰安婦」問題
  • 7月1日 5限
    国武 戦争と国民生活の統制
  • 7月1日 6限
    国武 女性参政権運動と戦争協力
  • 7月8日 5限
    山川剛 長崎原爆とその後
  • 7月8日 6限
    戸田 死刑制度について、劣化ウラン弾について
  • 7月15日 5限
    山崎年子 二重被爆の父と生きる
  • 7月15日 6限
    休講
  • 7月22日 5限
    西岡由香 世界から見たナガサキ 90分間世界一周
  • 7月22日 6限
    西岡 いのちを守るまちづくり
  • 7月29日 5限
    篠崎正人 有事体制と長崎・佐世保1
  • 7月29日 6限
    篠崎 有事体制と長崎・佐世保2
  • 8月5日 5限
    冨塚明 原発と核燃料サイクル
  • 7月31日 6限
    冨塚 核兵器廃絶運動、原爆症認定裁判
    なお定期試験はありません

事前、事後学習の内容

授業期間中の任意の日時に、岡まさはる記念長崎平和資料館(月曜休館、JR長崎駅前のNHK横の坂をのぼり、カトリック26聖人記念館のすぐ先)を訪問してください。そのレポートを提出すれば加点します。なお長崎原爆資料館のレポートも加点になります。

キーワード

戦争、暴力、平和、格差、原爆、原発、枯葉剤、劣化ウラン、有事体制、イラク戦争、構造的暴力、死刑、テロ、集団的自衛権

教科書・教材・参考書

教科書は戸田清『なぜ戦争が起こるか』仮題、近刊。プリント資料を適宜配布し、またスライド、DVD、ビデオなどを利用して、講義の理解を深めるのに役立てる。
参考書は高橋。舟越編『ナガサキから平和学する』法律文化社2009年など。

受講要件(履修条件)

受講要件は特にない。

アクセシビリティ

長崎大学では,全ての学生が平等に教育を受ける機会を確保するため,修学の妨げとなり得る社会的障壁の除去及び合理的配慮の提供に取り組んでいます。授業における合理的配慮等のサポートについては,担当教員(上記連絡先参照)または「アシスト広場」(障がい学生支援室)にご相談下さい。

備考(URL)

学生へのメッセージ

被爆地の大学に学ぶ学生として、書籍、新聞、テレビ、インターネットなどを通じて戦争、暴力、平和をめぐる世界と日本の動向に関心をもってほしい。IS邦人人質事件などにも関心を。原爆資料館だけでなく、岡まさはる記念長崎平和資料館も訪れてほしい。

実務経験のある教員による授業科目であるか(Y/N)

Y

実務家教員名/実務経験内容/実務経験に基づく教育内容(実務経験のある教員による授業科目のみ使用)

山川 剛/長崎平和推進協会、長崎の証言の会をとおして1998 年からの被爆体験の語り手としての実務経験を有している。/
担当予定教員は、8 歳で被爆し、長崎市平和推進協議会、長崎証言の会、長崎被爆教職員の会の会員として、活水高校での長崎平和学の担当、被爆体験講話等を行い、長崎の被爆の語り部として勤めてきた実務経験を活かし、学生に長崎の歴史を伝える授業を実施する。/
西岡 由香/日本の漫画家。長崎県長崎市出身。「さらん」のペンネームも持つ。1999年に平和団体ピースボート主催による地球一周クルーズへの参加をきっかけに、平和をテーマにした漫画を数多く執筆した経験を有している。/著名な漫画家で郷土史(キリスト教関係など)と長崎原爆に詳しく、ピースボートでのパレスチナ訪問など海外経験などの実務経験を活かした内容(「世界から見たナガサキ」「原爆とキリスト教」を演題)で授業を実施する。/

リンク

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