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総会・理事会での発表文書

第8回平和市長会議理事会 核兵器廃絶の推進に関する決議文

核兵器廃絶の推進に関する決議文

(仮訳:広島平和文化センター)

1945年8月、人類史上最初の核兵器が広島に、そしてその3日後には長崎に投下され、言語に絶する甚大な被害が発生した。広島・長崎の被爆者は、肉体的、精神的、社会的な苦悩に耐え、毎日を懸命に生き抜き、一貫して核兵器の廃絶を訴え続けてきた。

一方、広島・長崎の両市は、1982年、都市相互の緊密な連帯を通じて核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起し、世界恒久平和の実現に寄与することを目的に平和市長会議を設立した。平和市長会議の設立以来、この都市連帯は世界各国に広がり、2011年9月には加盟都市数が5,000(151か国・地域)を超え、現在も急速に増加を続けている。

平和市長会議は、武力紛争、戦争、核兵器の使用により生じる非人道的な状況から人々を守ることに全力で取り組んでいる。

2003年、平和市長会議は、2020年までの核兵器廃絶を目指す具体的な行動指針「2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」を策定し、世界の都市、市民、NGO等と連携しながら、核兵器廃絶に向けた活動の展開を図ってきた。特に、2010年のNPT再検討会議に向けては、「都市を攻撃目標にするな(CANT)プロジェクト」市民署名活動や核兵器廃絶への具体的プロセスを示した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の採択を目指した取組を進めてきた。NPT再検討会議において議定書の採択は実現しなかったものの、同会議の最終文書では、議定書に掲げた「核兵器禁止条約」について初めて言及がなされ、「2020ビジョン」の取組について一定の成果を収めることができた。

この間の核を取り巻く世界の情勢を見ると、2009年4月のチェコ・プラハにおける米国オバマ大統領の「核兵器のない世界」を目指すという演説や、2010年5月のNPT再検討会議での核兵器廃絶に向け行動を開始することに合意する最終文書の採択など、核兵器廃絶に向けた世界的気運が高まりつつあったが、その後、核兵器廃絶に関し大きな進展は見られない。米国とロシアは新戦略兵器削減条約(新START)に合意したが、米国はその後新しいタイプの核実験や臨界前核実験を実施した。こうした行動は、核兵器廃絶の運動に影を落としている。最近の研究によると、世界が未曾有の経済危機にある中、今後10年間で、核保有国は1兆米ドル以上を核兵器や関連事業に費やす計画であるという。その一方で、市長や自治体は不可欠な公共サービスの削減さえ余儀なくされており、国連ミレニアム開発目標の達成は大幅な遅れを見せている。

飢餓、不平等、機会の欠如は、世界を危険にさらしている。特に、我々は、地域紛争が核兵器の使用につながるのではないかと危惧しており、さらに、武器や麻薬の違法取引がこうした紛争を悪化させていると認識している。平和市長会議は、これらの取引を撲滅し、厳しく取り締まる決意を明確に表明する必要がある。

2011年3月11日、東日本大震災により東京電力福島第一原子力発電所の放射線漏出事故が発生した。今なお続いている放射線の脅威は近隣住民をはじめ、世界中の多くの人々を不安に陥れ、原子力発電のあり方について様々な議論が起こっている。放射線にさらされる原因が、原子爆弾であろうと、核実験であろうと、さらには原子力エネルギーであろうと、これ以上いかなる地域においても「ヒバクシャ」を出さないよう、我々は全力で取り組まなければならない。そして、安全性の高いエネルギーに支えられた社会を構築しなければならない。

被爆者の平均年齢は現在77歳を超えている。一日も早い核兵器の廃絶という被爆者の悲願の実現に向け、一人でも多くの人が広島・長崎を訪れ、核兵器がいかに悲惨な人間的被害をもたらすかを知るべきである。中でも核保有国の為政者は、自らそこに身を置き、核兵器の恐ろしさを知り、核兵器の脅威から人類を解放する方策を議論すべきである。こうした中、平和市長会議は、加盟都市の力を結集し、「2020ビジョン」に基づく次の取組を積極的に推進する。

  • ・「核兵器禁止条約」の交渉開始を求め、加盟都市を挙げた市民署名活動を展開し、集めた署名をしかるべき機関に提出する。
  • ・第8回平和市長会議総会(2013年8月)の時期に合わせた各国政府関係者や専門家の集う高官レベル会議の広島開催に向け、緊迫感や気運を高める。
  • ・加盟都市5,000突破を記念する新たなポスター展を開催し、(1)核攻撃が都市に与える影響、(2)核戦争は世界的飢餓を引き起こすような甚大な気候変動をもたらすこと、(3)都市や人々が必要とする経済的・人的資源が核兵器や関連軍事費へ転用されていること、(4)2020ビジョンキャンペーンを通じて都市の首長が担う役割などについて、多くの人々への周知を図る。
  • ・国際的なNGOとの戦略的連携関係を強化・拡大する。
  • ・「核兵器のない世界」の実現を促す要請文や声明文等を適宜必要な相手方に効果的に発信する。
  • ・加盟都市が地域ごとにまとまり、地域のNGO等と連携しながら、自国政府が何をなすべきかを考え、自国政府に対し具体的行動を促す取組を推進する。
  • ・NPT再検討会議(2015年)及びその準備委員会(2012年~2014年)に平和市長会議代表団を派遣し、アピール活動を展開する。

「核兵器禁止条約」実現の目標年次は2015年である。その実現に向け、平和市長会議は、各国政府に対し次のことに取り組むよう強く求める。

  1. 1. 核保有国やNPTに加盟していない核武装国に対し、即刻核兵器の開発・保有・配備プログラムを中止し、「核兵器禁止条約」締結に向けた具体的交渉を開始するよう、圧力をかけること。
  2. 2. 2020年までの「核兵器のない世界」の実現に向けた道筋を示すため、加盟都市の市長のほか、国連関係者、国会議員、NGO代表等の参加を得て2013年8月に広島で開催する平和市長会議総会に、軍縮大使などを参加させること。

核兵器の脅威から市民を解放するため、我々は市民を代表し、行動していく新たな決意をここに宣言する。また、我々は対話による紛争解決を提唱する。なぜなら、平和なくして、民主主義はあり得ないからである。平和なくして、自由はない。平和なくして、持続可能な発展はない。

2011年11月10日
第8回平和市長会議理事会

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